表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感情爆発『幽霊鬼』(旧題:幽霊鬼録)  作者: ナック
第1章その男、幽霊鬼につき
5/20

第2話

 諒達が商店街に着き、上を見上げると鏡怪町(きょうかいちょう)商店街という、文字が目に入る。


「きょうかいちょう……この町の名前か?」


 諒が辺りを見回すと結構、人通りは結構あり、活気づいていた。


「そんなに、キョロキョロしてると、変な目で見られるよ」


 諒は蛍の話を聞き流しながら、周りを観察すると、奥の方に黒い壁があるのが見える。


「ん?あれか?」


 走って壁に近づこうとすると、慌てて蛍に注意される。


「ーーちょっと、そんなに焦って行く前にちゃんと準備をしないと!!」


「ーー準備?……あぁ、食料か」


 諒の考えでは準備=食料みたいで、それを言うと蛍にやんわり否定された。


「違う違う、君は今のままじゃ、鬼の力を充分に使えないんだよ」


「ーーそうなのか?」


 諒がそう聞き返すと、蛍は偉そうに説明した。


「ふっふーん、そうだよ〜」


 偉そうな蛍の説明によると、諒の鬼の力は後付けで、そのままの状態では使えないらしい。


「その証拠に、君に鬼の角はないでしょ」


 そう言われて、諒は自分では気にしてなかったみたいだが、頭を触ってみた。

 すると、やはり頭には角らしきものは無かった。

 諒は今気づいたようで、少し惚けたように言った。


「あっ、ホントだ」


 そんな諒の発言に、蛍は驚いたようだった。


「ーーえっ?今気付いたの⁉︎」


 諒は蛍の驚きを無視して聞いた。


「ーーでっ?どうすればいいんだ?」


 諒が聞くと蛍は、少し困った仕草で周りを見て、語る。


「その説明はここではマズイかな」


 蛍はそう言うと、ある路地裏を見て。


「あそこの路地裏で説明するよ」


 言うや否や蛍は、諒を置いて路地裏に入って行った。


「さっき、置いてくなって言ってたのに、自分は置いてくのな」


 諒は少し呆れながら、路地裏に向かった。


************


 ーー路地裏、そこは人気の少ない犯罪が、起こりやすい所。

 今は人っ子、一人もおらず、諒と蛍だけなのだが。

 蛍は真剣な雰囲気で諒を見て、一言。


「まあ、簡単に言うと、君は自分の霊力で、出来た鬼のお面を着ける事で鬼の力を発揮できるよ」


「鬼のお面?」


 蛍に言われて、節分の赤鬼のお面を思い浮かべる、私だった。


「多分、君が考えてる様な赤鬼のお面じゃないから」


 諒は蛍の言葉に驚きながら、蛍に質問する。


「蛍……君は……超能力者だったのか!!」


 諒が、そう言うと、蛍は足も無いのに滑って転けた様な仕草をとった。


「超能力者じゃ、無くても判るよ、君案外

 解りやすいし」


 蛍は呆れながら答える、諒は失礼な奴だなと思ったが、その事は言わずに蛍に質問する。


「それで、自分はどうすればいいんだ?」


 諒がそう聞くと。


「だ〜か〜ら、自分じゃ無くて俺!!わかった!!」


 諒はまた、話が脱線しそうだな、と思い。蛍の発言を無視して説明するように促す。


「そんな事より、説明してくれ」


 不満そうにそっぽを向きながら蛍は説明する。


「ーーむぅ〜、どっちの手でも良いから、自分の顔に手を当てて、霊力を集中させればいいよ」


 蛍が言った通り、諒は「ふん‼︎」と、言う掛け声でやって見ると、顔に黒い色に赤い目の口の部分が露出している鬼の面が着いた、それと同時に服装も、普通の学生服から野戦服と指出しグローブと戦闘靴、全て黒色の姿に変わる。


 蛍が変わった諒の姿を見て笑いだす。


「ーーぷっ‼︎全身、真っ黒なんて、何処の厨二よ」


 そんな蛍を見て諒は事無さげに言い返す。


「笑うのは良いが、お面を付けたら変わるって言ってくれよ」


 諒がそう言うと蛍は謝りながら説明する。


「ごめんごめん、その服装は……」


 簡単に蛍が言ったことを説明すると、この服装は諒の戦闘服らしい。

 この服は諒の鬼のお面と連動していて、お面が外れる、または壊れる以外の方法では、破れる事も脱げる事も無いようだ。

 その代わりお面が外れた、だけでも戦闘服は強制的に解除されるみたいだった。

 ついでに、お面の方を補足すると、壊れた時は、次付けるのに壊れてから3分のインターバルがいるようだった。


「まあ、中々頑丈だし大丈夫でしょ」


 蛍の言葉に頷き諒は路地裏を出て壁の前に立つ。


「初めての真宵禍か……」


 諒が真宵禍を見て言ったら、蛍が入り方の説明をしてきた。


「幽霊の力で透り抜けを使えば、簡単に入れるよ」


 そう言うや否や、蛍は諒の戦闘服の胸ポケットに入る。

 諒はそれを確認すると、透明になりながら真宵禍に入って行く。


「行くか」


「レッツゴー‼︎だよ」


 諒は真宵禍の中に、完全に入ったようだった、透り抜けを使った影響なのか、周りに人は何人か居たはずなのに、誰も気に留めた様子は無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ