第1話
やっと、本編には入れます。
諒が裂け目を抜けると、目の前には人気の無い、大きな古民家があった。
諒はその古民家から、変な気配を感じて入ろうと近づいたその時。
「ちょっと、待った!!」
スゴい勢いで、光の球体が、諒の目の前に現れた。
「ーーん?蛍か?」
「虫なんかと、一緒にしないでよ!!」
諒は光の球体を蛍かと、思い口に出したら、光の球体に凄い勢いで怒られる。
どうも、光の球体は諒の会った神の分身で、諒のお目付け役らしい、諒は髪を掻きながら光の球体に質問した。
「……そのお目付け役さんが、なんで止めるんだ?」
諒がそう言うと、光の球体は呆れたように関係の無い質問を投げかけた。
「お目付け役さんは、堅いなぁ、なんかもっと良い名前ないの?」
諒は光の球体を、ウンザリしたような眼で見て、てきとうに第一印象を口に出す。
「じゃあ、蛍でいいよ」
諒がそう言うと、光の球体は不満そうに、蛍と言う名前を認めた。
「むぅ〜〜、まぁ、良いけど」
「不満そうだな」
諒が蛍の事を半目で見ていと、蛍は慌てて誤魔化した。
「そっソンナコトナイヨ」
諒は肩を上げると蛍に告げる。
「まぁ、変えるつもり無いけどな」
諒のその発言を聞き、蛍は未だに不満そうな、雰囲気を漂わせている。
諒は手を叩き話を変える。
「そんな事より、本題、本題」
「あっそうだった!」
蛍は説明をしようとしていた事、自体を忘れていたようで、諒は自分の事情から話した。
「自分はあの屋敷から変な気配がするから、妖穢かと、思ったんだが?」
蛍は諒の意見を聞くと、首を振る素振りを、見せてその意見を否定した。
「君は妖穢の気配って思ってるみたいだけど、ここには真宵禍は出てないみたいだし、中の気配も少し違うみたい」
諒は自分の意見を否定されても、古民家の中が気になっる様子で見ていると、蛍はそんな諒に助言をする。
「それより、町の方の気配を探ってみて」
蛍にそう言われたが、諒は広範囲の気配の探り方を、知らなかった。だから蛍に聞いてみる事にした。
「ーーどうすれば、広範囲の気配を探れるんだ?」
諒が蛍に聞くと、蛍はこう説明した。
自分の霊力を周りに拡げるような感覚で飛ばすと見る事が出来る。
諒が言われた通り、自分の霊力を拡げて見ると、
まず、山道が観え、住宅地を越えて商店街が終わった辺りで黒い壁が観えた。
「これは、真宵禍の壁・・・」
蛍は諒の呟きを聞くと嬉しそうに話す。
「その通りだよ、諒君。気になるのはわかるけど、町の妖穢が優先だよ」
諒は、蛍の言葉に同感だったので頷いて。
「わかった」
そう言って壁の方向に向けて、走り出した。
蛍がその様子を、見て満足そうに頷いている、その途中で重大な事に気が付いた。
「ふむふむ、てっ!?ちょっと待って。僕を置いてかないで」
蛍が、慌てて叫びながらも付いて来て、一言諒に話す。
「これから、よろしくね、諒君。
てか、自分って言う一人称、暗いよ、今度から俺にする事」
蛍は挨拶にまで、余計な一言が付くようだ。




