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感情爆発『幽霊鬼』(旧題:幽霊鬼録)  作者: ナック
第1章その男、幽霊鬼につき
4/20

第1話

やっと、本編には入れます。

 諒が裂け目を抜けると、目の前には人気の無い、大きな古民家があった。

 諒はその古民家から、変な気配を感じて入ろうと近づいたその時。


「ちょっと、待った!!」


 スゴい勢いで、光の球体が、諒の目の前に現れた。


「ーーん?蛍か?」


「虫なんかと、一緒にしないでよ!!」


 諒は光の球体を蛍かと、思い口に出したら、光の球体に凄い勢いで怒られる。

 どうも、光の球体は諒の会った神の分身で、諒のお目付け役らしい、諒は髪を掻きながら光の球体に質問した。


「……そのお目付け役さんが、なんで止めるんだ?」


 諒がそう言うと、光の球体は呆れたように関係の無い質問を投げかけた。


「お目付け役さんは、堅いなぁ、なんかもっと良い名前ないの?」


 諒は光の球体を、ウンザリしたような眼で見て、てきとうに第一印象を口に出す。


「じゃあ、蛍でいいよ」


 諒がそう言うと、光の球体は不満そうに、蛍と言う名前を認めた。


「むぅ〜〜、まぁ、良いけど」


「不満そうだな」


 諒が蛍の事を半目で見ていと、蛍は慌てて誤魔化した。


「そっソンナコトナイヨ」


 諒は肩を上げると蛍に告げる。


「まぁ、変えるつもり無いけどな」

 諒のその発言を聞き、蛍は未だに不満そうな、雰囲気を漂わせている。

 諒は手を叩き話を変える。


「そんな事より、本題、本題」


「あっそうだった!」

 蛍は説明をしようとしていた事、自体を忘れていたようで、諒は自分の事情から話した。


「自分はあの屋敷から変な気配がするから、妖穢かと、思ったんだが?」


 蛍は諒の意見を聞くと、首を振る素振りを、見せてその意見を否定した。


「君は妖穢の気配って思ってるみたいだけど、ここには真宵禍は出てないみたいだし、中の気配も少し違うみたい」


 諒は自分の意見を否定されても、古民家の中が気になっる様子で見ていると、蛍はそんな諒に助言をする。


「それより、町の方の気配を探ってみて」


 蛍にそう言われたが、諒は広範囲の気配の探り方を、知らなかった。だから蛍に聞いてみる事にした。


「ーーどうすれば、広範囲の気配を探れるんだ?」


 諒が蛍に聞くと、蛍はこう説明した。

 自分の霊力を周りに拡げるような感覚で飛ばすと見る事が出来る。

 諒が言われた通り、自分の霊力を拡げて見ると、

 まず、山道が観え、住宅地を越えて商店街が終わった辺りで黒い壁が観えた。


「これは、真宵禍の壁・・・」


 蛍は諒の呟きを聞くと嬉しそうに話す。


「その通りだよ、諒君。気になるのはわかるけど、町の妖穢が優先だよ」


 諒は、蛍の言葉に同感だったので頷いて。


「わかった」


 そう言って壁の方向に向けて、走り出した。

 蛍がその様子を、見て満足そうに頷いている、その途中で重大な事に気が付いた。


「ふむふむ、てっ!?ちょっと待って。僕を置いてかないで」


 蛍が、慌てて叫びながらも付いて来て、一言諒に話す。


「これから、よろしくね、諒君。

 てか、自分って言う一人称、暗いよ、今度から俺にする事」


 蛍は挨拶にまで、余計な一言が付くようだ。

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