幽霊は得てして鬼と成る
青年が、眼を覚ますとそこは、ただ白い空間が広がっていた。
青年が立ち上がり、辺りを見渡して、呟く。
「ーーここは、地獄か……?」
すると、青年の耳に中性的な声が聞こえてきて、問いに答えた。
「ここは、地獄ではない」
「ーーん?」
青年が声の聞こえた方を振り向いくと。
そこには人の形をした光の塊が佇んで居た。
「ーー光?」
青年ら自分が見えた姿をそのまま、口に出すと、光の塊は考えるそぶりで。
「ーーふうーん、君には僕が、光に見えるのかぁ」
光の塊は、口が有るであろう場所に、手らしき物を当て、笑いながら。
「僕は君達、人間からしたら、神と呼ばれてる存在だよ」
神が、面白そうな物を見る眼で、青年を見つめて言った。
「それにしても、僕が光の塊に見えるなんて、君は面白い人間だなぁ。多くの人は髭の長いお爺さんや、美人のお姉さんに、見えるみたいだけどね」
そう話すと、ついさっきまで、笑っていた筈の神はいきなり、真剣な顔になったかと思うと、語り始めた。
「ここは地獄じゃ無くて、輪廻の狭間だよ」
神の発言に、青年は腕を組み、疑問を投げかける。
「ーーん?……輪廻の狭間?」
神は、青年の疑問対してこう語った。
「この場所の事を簡単に言うと、輪廻転生する資格の無い者が来てしまう場所だよ」
神の言葉を聞き、両親に会えないと、思った青年は膝をつき、頭を抱えて、俯きながら。
「ーーなんで……自分は……ここに?」
神は首を振りながら青年に対して言いにくそうに。
「ーー詳しくは言えないけど、……君は罪を犯したから……」
青年は顔を上げて、神の顔に視線を向けて聞く。
「……自分はどうすれば?」
青年の問いに対して、神は高らかに宣言した。
「君は罪を犯した、罰として、異世界で『100の妖穢』を浄化するまで、成仏は出来ない」
尚も膝をつく青年に対して、神は微笑みながら手を差し伸べた。
「ほらほら、そんなに落ち込まないで」
青年が神の手を握った時に、青年の体が仄かに光を帯びた。
青年が驚いた様に、自分の手を見つめて質問する。
「ーー今のは?」
青年の反応を面白そうに見て、神は語る。
「今のは妖穢を浄化するのに、
必要な『鬼の力』だよ」
神の言葉に、青年は驚いたよに呟く。
「鬼の……力?」
青年の疑問に神は満足そうに頷き返した。
青年は、故意的に感情を心の底に、閉じ込めただけなので、ふとした時に感情が出てきます。




