第14話
久しぶりの投稿です。
錬金術師は放浪が好き共々よろしくお願いします。
広い講堂の中で、黒い人形が近くに居た、人魂を掴み口の近くに近づけていく。
【ーーヒッヒッヒッ‼︎】
その時お面を被った諒が走って近づき、人形の肩に強烈な拳を喰らわせる。
「ーーふんっ‼︎」
【ーーヒッヒャー⁉︎】
諒の拳を喰らい軽く吹き飛んだ人形は驚いた様な奇声をあげて地面に消えていく。
その光景を見て周りの人々は騒然となったが、諒はすぐさま気配を探った。
「……どう?諒くん、妖穢は何処?」
「ちょっと待てよ」
諒は妖穢の居場所を感じ取り、静かに眼を開ける。
「ーー図書室だと思う」
言うや否や諒は図書室に走り出す。
「それじゃあレッゴー……てっ‼︎もう行ってるし、待ってよ」
諒が図書室と言った後に話そうとした、蛍は少し出遅れて諒を追いかけて行く。
ーー未だにさっきまで居た妖穢や、お面を被った謎の人物の影響で、騒然としてる中で妖怪とは違って普通の見た目の少女は冷静に呟く。
「ーーあの人はあの時の……」
そう彼女は最初に諒が助けた、上代雛里その人なのだった。二人が本当に出会う時は近づいてきている。
*********
「ほほう、アレが妖穢か研究者の血が騒ぐわい」
図書室で妖穢を観察している三十歳位の男が居た、と言っても彼は祓穢隊が着けて居たのと同じスーツを着けているため、顔は分からないから声の感じでなのだが。
「近づきたいが、儂が近づいても喰われるだけじゃ。ふむ、どうするかのぉ?」
男が手をこまねいていると、その部屋に諒が入ってくる。
「……待て、妖穢」
【ーーヒャー‼︎】
諒が入って来たのに驚いた、妖穢はさっきと同じ様に消えて行った。
諒は苦虫を噛んだ様な、顔をする。
「これじゃイタチごっこだ」
「そうだね、じゃあ霊力で縄張りを作っちゃおう」
「縄張り?」
諒は蛍の意見に疑問を抱く。その間も男は諒を観察している。
「うん、霊力を使って自分のテリトリーを作る事だよ、地面に霊力を流せば良いからね」
「こうか?」
諒は地面に手を着き霊力を流す、すると辺りから白いオーラが出てきた。
「うんそうだよ」
蛍は諒を褒める。するとさっきまで隠れて居た男が、眼を輝かせて飛び出してきた。
「凄いぞーー‼︎」
「ーーわっ!」
その言葉に驚いた諒と蛍は声のした、方向を向く。
「お前さんは?」
男は姿勢を正して、諒の正面を見て自己紹介を始めた。
「儂は楊懐 霊一朗。妖怪と妖穢を研究している研究者じゃ!今後ともよろしくの」
「ーーはっはい(今後?)」
楊懐博士は自己紹介しながら諒に握手を求めてくる。その握手を諒も戸惑いがちに受ける。すると博士は本題を話し始めた。
「君の能力は素晴らしいのお、是非、儂に研究させてくれ」
「いえ、間に合ってまぁす」
諒は立ち去ろうとするが、博士もそうは問屋がおろさない諒の服を掴み、説得してくる。
「儂のできる手伝いは何でもするから頼む。んっ?ちょっと待っとくれ」
言葉の途中で博士は燻んだ宝石が付いた黒いチョーカーを取り出しその場にある諒の霊力を当てると宝石が白く輝き出す。
「これを着けてみとくれ」
諒は言われたとおりにチョーカーを着ける。
【別に変わった事は無いが……はっ!】
何と諒の声は変わって居たのだった。
「それは変成器での、見た所君の服装は霊装みたいじゃから、君の霊力と同調させて霊装が出てる時に出てくる様にしたんじゃ」
諒も蛍も博士の言葉に眼を丸くした、すると蛍は諒に耳打ちする。
「この人仲間にしない?」
諒は考えた末に博士に頷き答えた。
「わかった協力しよ」
博士は諒の答えに狂喜乱舞した。
「やったぞい‼︎儂にも運が回って来た。そうと決まればこれじゃ」
そう言い博士はインカムを渡して来た。
「これで儂と通信が出来るぞい、君の霊力と同調してるから、君がどこに居ても大丈夫じゃ」
「ーーそっそうか」
博士の周到さに少し引きながら、諒はインカムを着けてその場から立ち去った。
新キャラ登場。頭が良いマッドサイエンティストをイメージしました。
如何ですか?




