第8話
戦闘パート、はじまるよーー!!
諒が目を覚ますと、凄く広いお座敷だった。
「ーーんっ、ん……ここは?」
諒は周りを確認すると、蛍が居ない事に気付いた。
「おーい、蛍!」
諒が蛍を探しながら少し歩くと、鈍い声が辺りに響く。
《キャハハー!ア・ソ・ビ・マ・ショォーー!!》
諒が声がした方を向くと、眼を見開き、頬には血涙の跡がある乱れ髮の座敷童子が昔ながらの玩具を周りに浮遊させて、嗤っていた。
「……座敷、童子……」
諒が霊力を使い、座敷童子を探ると不思議な事実に気付く。
「妖怪の筈の座敷童子が……妖穢化してるのか?」
妖霊しか変化する事のない筈の妖穢に、妖怪が成っている事実に驚いて諒が立ち止まっていると、座敷童子の近くに浮遊していた、玩具が複数個、諒に向かって飛んでくる。
「うおっ!」
《キャハッ!!》
諒は玩具をなんとか避けたが、その中でも一番硬そうなコマが頭に当たった。
「ーー痛っ」
コマが当たった事で、諒のお面には少しヒビが入ってしまった。諒はその事実を確認して頭を掻く。
「……ヤバイなこれは長期戦は出来そうにないぞ」
諒はそう言って、座敷童子に攻撃をしようと構えるが、ふと記憶の中の彼女の悲しそうな顔を思い出す。
「くっ」
諒が攻撃を躊躇していると座敷童子は嗤いながらまた、玩具を飛ばしてきた。
《キャハッ!!キャハハー!!》
「おっ!とっとっ」
諒が玩具を飛ばす攻撃を上手く回転しながら避けると、座敷童子は舌打ちをした、すると部屋の畳が大量にせり上がって諒を挟み込む。
「くっ!」
諒が脱出しようと試みるが腕が上手く開かない。
《キャハハー!!》
座敷童子が嗤いながら大量の玩具を飛ばそうと構えながら近づいて来る。
諒は此処までかと、思いながら諦めようとしていると、ふとあの時の言葉を思い出す。
『華の笑顔を取り戻して下さい』
諒はその言葉と共に、老夫婦の願いを叶えたいと心の底から思った瞬間、諒の中の何かが外れた感覚がした、すると。
【ダーン!!】
大きな音がなると、諒を拘束していた畳が吹き飛んでいました、座敷童子が驚いた顔で諒のいた位置を見ると、諒はその位置で笑いながら立っていました。
「……くっくっくっ!ハーハッハッハッ!」
諒は笑い終わった後に座敷童子に向かい言い切った。
「ーー俺は悠久諒!華っ!!お前さんの笑顔を取り戻しに来た!幽霊鬼だっ!!」
諒がそう宣言すると、座敷童子……華が肩を震わせて叫ぶ。
《フ・ザ・ケ・ル・ナァーー!!》
華が叫ぶと華の近くにあった大量の玩具が諒の方へ飛んで来る、それを諒は右に左に避けながら華に近づいて行く。
《チ・カ・ヅ・ク・ナァ〜〜!!》
諒が後、少しで華の側に着くという所で華は巨大な鞠を出して、飛ばしてくる。
「ここは、こうだっ!!」
諒は巨大な鞠を幽霊の力、透り抜けで突破して、霊力を左手に集中させる。
《ウ〜〜〜!!》
華は目を瞑ったが、衝撃がいつまでもこないのに気づいて、目を開けると、諒は華に左手をかざしていた、華は驚いた顔で諒を見ていると、諒は笑って言った。
「待ってろ、今、助けてやるから」
諒がそう言うと諒の体から光が出たと思ったら、諒は目の前から消えていた。
《エッ?》
すると、不思議な事に華の瞼は下りてきてその場で倒れた、その顔は幸せそうな夢を、見ているような寝顔だった。
華の名前を伏線に使おうと思ってたら、変わっちゃた、難しいーー。




