表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感情爆発『幽霊鬼』(旧題:幽霊鬼録)  作者: ナック
第1章その男、幽霊鬼につき
10/20

第7話

 諒が目を開けると、屋敷の玄関でさっきまでとは違い、電灯が点いて視界がぼやけていた。


「ーーここは……?」


 諒が周りを見回すと、赤い小袖の少女が奥に喋りながら、トタトタと走って行った。


「ばあば、何処に居るの?」


「ーーあれは……座敷童子?」


 諒は疑問に思いながらも、後を追かけた。

 諒が奥の部屋に入ると、座敷童子とお婆さんが喋っていた。


「ばあば、じいじがお茶とお菓子を貰って来なさいて言われたのぉ」


 座敷童子が嬉しそうに言うと、お婆さんが笑顔で言った。


「あらあら、お爺さんたら」


 お婆さんはそう言うと、お茶を2つ用意して、戸棚から金平糖の袋を出して座敷童子に渡した、すると。


「わーい!金平糖だ!」


 座敷童子は金平糖を見るなり、大喜びでその勢いのまま。

 座敷童子はお婆さんを、押すようにして行こうとした。


「ばあば、早く縁側に行こー」


 座敷童子の行動が危ない行動だったからか、お婆さんは困った顔をしながら座敷童子に注意する。


「あらあら、危ないですよぉ。そんなに押さなくたってすぐ、行きますからね」


 そう言いながら、お婆さんと座敷童子は縁側の方へ消えて行った。


「……自分が見えてないって事は、座敷童子の記憶の中か?」


 諒がそう呟くと視界が暗くなっていった。

 諒の視界が明るくなってくると諒は庭先に立っていた。


「ここは?」


 諒が周りを見てみると縁側の方に座敷童子と老夫婦が座って居た。

 座敷童子は口に金平糖を頬張りながら。


「金平糖さん、おいひいね。(ゴクン)

 じいじ、ばあばありがとおー」


 それを聞き老夫婦は座敷童子に笑顔を見せて言った。


「儂等はーーーの笑顔が見れればそれで良いんじゃよ」


「そうですよ、私達はーーーちゃんの笑顔があれば嬉しいですよ」


「うん?……」



 諒は座敷童子の名前を、聞き取れないのを不思議に思ってたら、視界が暗くなった。

 諒の視界が明るくなると、そこは居間らしき場所で夫婦らしき男女が話し合っていたおり、それを部屋の隅で座敷童子が聞いていた。


「ーー爺さんも、婆さんも亡くなったなら、家の管理も大変だし、取り壊すのが1番かなぁ?」


「そうね古いし幽霊がでるって、噂だしね」


 その言葉を聞いた途端、座敷童子は目を見開いて叫んだ。


「ダメーーーー!!この家はじいじと、ばあばとの思い出が一杯ある家なのーーー!!」


 座敷童子がそう言うと、家自体が意思のあるように揺れ動き出した。箪笥の引き出しは、飛び出し、電灯は揺れ、机は震える。


「ーーじっ、地震か!」


「ーーでもあなた、外は揺れてないわよ」


 夫婦は大慌てで屋敷を飛び出した。


「ーーふふふ、この家はあたしが守る」


 座敷童子は目に狂気を宿して呟いた、それを聞くと諒の視界はまた暗くなる。

 次に視界が明るくなると玄関に居た。辺りを見回すとあの夫婦と作業着にヘルメットを着用している男性が居た。


「中に物が残ってるのに、本当によろしいんですか?」


 男性が夫婦に言うと、夫婦はこう返した。


「ええ、気味が悪いので早く壊してしまいたいんですよ」


 そう言われると男性は頷きながら、無線で指示をした。


「そうですか、こちら、ーーー解体はじめ」


 そう男性が言うとショベルカーが屋敷に近づいて行きました、後もう少しで屋敷と言う所でショベルカーは突然、夫婦と男性の方に方向転換しました。

 慌てて男性は乗っている作業員に言います。


「ーーどうしたんだ!?」


「ーーそれが操縦不能なんです!!」


 夫婦と男性は町の方に逃げて行き、ショベルカーは大きな木に当たり止まりました。


「ーーこれは、祟り!?」


 ショベルカーに乗っていた男性もそう言うと町の方に一目散に走って行きました。

 ふと、諒が屋敷の方を見ると座敷童子が、佇んで言いました。


「ーーふふふ、この家は……あたしが守る。でも、暇だなぁ〜」


 座敷童子はつまんなそうに周りを見回して、諒の方で目が止まり、面白いオモチャでも見つけたように言い放つ。


「お兄ちゃん、

 ア・ソ・ビ・マ・ショォ〜〜!!」


 座敷童子がそう発言したら、諒の意識が遠のいて行きました、その寸前で声が聞こえてきました。


「……幽霊の鬼さん、どうかあの子の……華の笑顔を取り戻して下さい」


「どうか、よろしくお願いします」


 そんな優しい声を聞いて、諒の意識は完全に途切れた。

次はまたまた、戦闘パート、中々難しいデスガ、がんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ