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急遽、王子様を囲むお茶会に出席することになってしまい、支度を整えてもらいました。急ごしらえの割りには、良い出来だと思います。
ピンクのドレスはソニアお姉様のお下がりです。最新のデザインではありませんが、とても可愛いです。曲がりなりにも公爵家の娘ですので、王族の方が主催されるお茶会に、お下がりを着るべきではないのですが、今回は急なことでドレスを新調する暇がなかったので仕方ありません。
でも、とても可愛いので少し浮かれてしまいます。
鏡の前でクルリと回って見ます。ドレスの裾がふわふわっとなって可愛いです。髪につけてもらったリボンもふわふわと揺れます。自分で言うのもなんですが、まるで人形のようです。双子がヨチヨチと歩いて来て、抱きついて来ました。
「「ねえさま きえーねー」」
双子も、このドレスが気に入ったようです。
「ドレスがシワになります」
ジョアンナに怒られてしまいました。
「馬車の準備が整ったようです。お嬢様、お急ぎください」
いざ、出陣です。ソニアお姉様の名代として、無難にお茶会を乗り切りますよ。