表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編小説集  作者: Harune
1/1

4月23日

最近彼がよそよそしい


携帯の中身を見せてくれない


残業ばっかり


連絡もしてくれない


もう付き合って4年だよね?


明日で5年


結婚したっていいじゃない


そしてこの間聞こえてしまった言葉は



「もう俺、あいつの彼氏じゃないから」



あなたの嫌いなところも癖も


全部全部直すから


直すからさ


前みたいに目見て話してよ




「少し買い物に行ってくる」と言い私は屋上へと向かって電話をかける


電話の相手は彼


「私だけど…」

「どうしたんだ? 忘れ物か?」

「……あの、さ。あなたが私のこと嫌いなら直すから。こっから飛び降りて新しくなってまた…」

「飛び降りる!? 何言ってんだよ…おい!!」

「だ、だって聞いちゃったんだもん『もう俺、あいつの彼氏じゃないから』って…」

「…………」

「なんで黙るの? ねぇ」

「…お前どこにいるんだ?」

「マンションの屋上よ」


しばらくして彼は息を切らして屋上のドアを開けた


「まずちょっと落ち着け…」

「落ち着けるわけないでしょ…最近冷たいよ。携帯だって見せてくれない残業ばっかで連絡もくれないし…

 あなたに嫌われたのならもう私死にたいよ…」

「………聞いてくれ。明日、何の日か覚えてるか?」

「私達の記念日よ」

「…俺と、結婚してくれ」

「はぁ?! 意味わかんな…」

彼は携帯のカレンダーの画面を突きつけた


4月のカレンダーにはスケジュールが毎日のように入っている

バイト・給料日・残業




4月23日

給料日・記念日・プロポーズ




「え…?」


「もう彼氏じゃないってのはさ、結婚したら俺、旦那になるから…って意味なんだけど、誤解招いたなら謝る。ごめん」

「……ううん。こっちこそ変な勘違いして…死ぬ…とか…ごめん」

「んと…これ…開けてみて」

彼は携帯をパタンと閉じて、私の手のひらに乗せた


携帯を開けると指輪の画像



「俺と結婚して下さい」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ