マッチ売りの双子
とある寒い冬の日
町はクリスマスということで人々は行き交い、活気に満ちている
そんな日に2人の少女が
「「マッチはいりませんか?」」
そう言いながらマッチを売っている
だがみすぼらしい恰好をし、マッチを売っている2人を通りかる人々は
かわいそうなものを見る目をするものもいれば
不潔なものを見る目をするものもいる
そんな目を向けられながらも2人は
「「マッチはいりませんか?」」
そう言い続ける
しばらくして、人だかりも少なくなるころ
やっと2人は「「マッチはいりませんか?」」以外の言葉を吐く
「おねぇちゃんきょうもうれなかったね。
またおとうさんになられるにかな?」
「たいじょうぶ
そのときはおねぇちゃんがなくられるよ」
「おねぇちゃんだけいたくなるのはいやだよぅ」
「だいじょうぶ
おねぇちゃんはいもうとをまもるの」
「おねぇちゃん、すこしとおくまでいかない?
もしかしたらかってくれるひとがいるかもしれないよ」
「だめだよ、いえにかえれなくなっちゃう」
「おねぇちゃんがいたくなるぐらいなら
わたし、ひとりでいくよ」
「だめ、それならいっしょにいく」
そうして2人は薄暗くなっていく道を歩いてゆき
通りかかる人々に「「マッチはいりませんか?」」
と言ってはみるが
買ってくれるひとは現れず
ついには暗くなり、道に迷い帰れなくなる
ゆっくりと街灯が照らすみちのなか
「おねぇちゃんごめんなさい
わたしがあんなこというから」
「だいじょうぶだよ
きっとあかるくなればかえれるよ」
ふと目につた窓のなかには
兄弟と家族がクリスマスパーティーをしてた
それをみて2人はふと母親と祖母が生きていたことを思い出した
家の中で祖母から、母親から、父親から、愛を、温もりをもらっていたころを
祖母は、母親は病気で他界し
妻がいなくなった父親は酒におぼれ、暴力をふるうようになった
それを思い出し少し泣きそうになる姉を見ながら
「おねぇちゃん、マッチ少しなら使ってもだいじょうぶだよね?」
「さむい?」
「うん」
しかたがないと言わんばかりの顔を浮かべた後に
路地の隅へ腰を掛け
ゆっくりとマッチを擦り、火をともす
その火の中にはそっくりな見た目をした姉妹が母親と祖母に抱きしめられ思いっきり笑っている
その火が消え、見えなくなると
無意識のうちに次のマッチに火を灯す
それを繰り返していたらマッチがなくなり
二人は絶望をした
それでも寒さは襲いかかり
2人から体温を奪っていく
寒さをしのぐため
2人は抱き合い
頬が冷たくなれば頬をこすりあい
唇が冷たくなれば、唇を重ねたそれが何を示すかは知らずに
それでも無常に2人から体温を温もりを奪っていく
「おねぇちゃん、少しねむいよ」
「わたしも、ねむい」
「ねぇ、このまま寝ればおかあさんとおばぁちゃんのところいけるかな?」
「さぁ、わからないな」
「もし、おかあさんとおばぁちゃんにあえたらおもいきりなでてもらおうよ」
「そうだね、いっぱいほめてほしいな」
「そうだね」
「おやすみ、おねぇちゃん」
「おやすみ」
真冬の寒さのなか2人の少女が路地で眠ったらどうなるか想像にかたくないだろう
2人の少女が眠るように抱き合って、天国に旅立って行った




