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いつも見ていた世界  作者: 板井虎
第一章
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第5話:教えて☆先生~痛くしないで…!~


 なんかもう心の声聞こえるんなら、気ぃ使う必要ないよね。さぁ、レッツ質問タイム!


「心の声はこの世界に暮らしている人達も聴こえるの?」

『聴こえない』

「うーん、レイは特殊な存在って事でいいのかな?」

『そうなの?』

「いや、聞きたいのはこっちなんだけどね…」


 レイはうーん、と首を傾げて可愛らしく考えているけど、多分この答えは出ないんだろうな‥。

 さすがに麗しくて発光している人はいないだろ。そんな人ばっかりだったら困る。サングラスくれ。遠い目をして私は次の質問を尋ねた。


「じゃあ、ここはどこ?」

『ここは神聖樹海「だったね、うん…」


 レイの言葉は端的だから、分かりやすく完結に聞いた方がいいのかな?


「ねぇレイ、この世界は何て呼ばれているの?」

『【グランイース】』

「グランイース‥」

『うん』


 

 グランイースって言うのはきっと地球みたいなものだよね。地球は惑星だけど、私達の世界とも言えるし。


「グランイースはどんなところ?」

『【ヒューマニア】と【シャネウィグ】という大陸が分かれていて、ヒューマニアには人間が、シャネウィグには魔人が住んでいる』

「魔人?」


 魔人ってアラ●ンのジ●ニーみたいなのか、それともドラゴン●ールのブ●みたいやつかな?

 それはそれで困るような…。

 

 

『魔人は魔法を扱い、人間より寿命が長い。人間は魔法を使えず短命だけど、文明が魔人より発達している』

「なるほど」


 人間は私たちの世界の人間と変わりはないね。魔人達は魔法があるからそのままでも生活に困る事はないだろうけど、人間はそれが無いから他のエネルギーを使う必要がある。自分達の力で生活を向上させようと思えば、自然と文明は発達する。

 それにしても、こっちはどの程度科学が発展してるのか気になるなぁ。もしこっちの方が発展してたらきっと近未来に来た気分になれるよ。

 攻●機動隊みたいなやつ希望。少佐に会いたい。あーけどア●ムや●ラえもんも捨てがたいかも。


『少佐って誰?ア●ムと●ラえもんって何?』

「あぁ、関係ないから気にしないで。あと私たちが今いる大陸はどっち?」

『シャネウィグ』

「そっか・・」


 魔人さんの大陸でしたか・・・まぁシャネウィグでも物語の世界に来た気分になれるよね。ファンタジーだよファンタジー。貴重な体験をしていると思おう。

 それならそうだな…テ●ルズ系希望かなー。F●系でも良いけどね。

 ふむ、今シャネウィグに居るんなら、シャネウィグの事を重点的に教えてもらった方が良いよね。ヒューマニアの事は生活に慣れてから自分で調べれば良いし。


「じゃあレイ、シャネウィグの事詳しく教えてくれる?」

『うん』


 レイの優しい微笑みが頼もしく見えた。




 さて、レイから聞いたシャネウィグの事を簡単にまとめるとこんな感じか。


①シャネウィグには5つの国があり、オラリオスを中心にランリング、マシュリッカ、ファターム、タリミューラという国が周りを囲んでいるらしい。一番強国はオラリオスで、オラリオスを中心にした政治展開がされているらしい。

 

②私達の居る神聖樹海はオラリオスにあるけど、オラリオスの首都から離れたかなり田舎にあるらしい。

 

③オラリオスにも人間は住んでいるけど極少数。人間と魔人の間には人種差別があるが、最近は軟化しているらしい。

 

④異世界から人が来たのは私が初めてらしい。



「はぁ…」


 私はため息をついて項垂れた。だって…ねぇ? 問題は④だよ④。

 私が異世界から来たなんてばれたら、絶対平穏生活が遠のいていくー…。

 異世界トリップかぁ…。いつもネットで読んでましたよ。えぇもう大好物でしたよ!!

 

『そうなの?』

 

 なんか異世界にいきなり召喚されて勇者になって世界を救ったり、巫女になって崇められたり、突然王子様の部屋とかに出てきて、恋愛感情が芽生えて結婚しちゃったり、良い女や良い男に囲まれて『えーっ☆』みたいになったり……。そういうのが定番だよね。


『そうなの?』


 だけど自分がトリップするのはお断りだ!!!

 世界を救う勇者や巫女なんて10代がやれば良い。おばさんが世界を救う話って…ちょっと読みたいかも。けど私はしないよ!!

 この世界で恋愛するつもりもないからね。良い女や良い男がいても、私は遠くから見て「目福だなぁ~」程度でいいのさ。つまり「余計な事に巻き込むな」です。

 

『そうなの?』

 

 あ、けど一般庶民な平凡な主人公が過酷な状況の中で強く成長して自分の世界に帰るとかそういうタイプのもあったか。私はそっちだったのね‥‥って、じゃあ私帰れるじゃん!

 けど普通トリップしていきなり出会った人の前でリバースするなんて醜態は見せないよね。もう少しマシなトリップをさせてくれ神様…。

 

『そうなの?』

「……そうなの」

『そうなんだ』

「うん…」


 さっきから横で『そうなの?』コールをしてたレイを見た。

 全くけしからんくらい無邪気で美しく可愛らしいな!身体大きいのにその可愛さが出せるなんて神か!!ん、神?‥‥神!!!


 私はレイの両肩をガシッと掴むと、大声で聞いた。


「ねぇレイ!!」

『何?』

「貴方は神ですか?!」

『…かみ?』

「そう神!」

『……?』


 眉毛を寄せて一生懸命考えている様子は大変可愛らしく、頬が擦り切れるまで頬ずりしたい。

 だけど今は私の死活問題がかかっているんだ!さぁ答えるんだレイ!!

 

『分からない』

「え?何で?」

『神って何?』

「神ってなんか世界作っちゃうような人‥じゃないかな?」

『じゃあ神じゃない』

「うーん‥じゃあ偉大な魔法使いか何か?」

『ううん』

「そうか…」

 

 

 おーい誰か助けてくれー……。

 

 私はもうアホみたいに遠くを見るしかなかった。

 レイは相変わらず不思議そうに私を見ている。

 

 

『どうして?』

「んー、私のいる世界では異世界に行ってその世界を救ったり、おいしいめに会う物語があるんだよー。それで異世界に行く時は大抵神様や魔法使いさんや神官さんが呼び出しちゃうんだよねー。あー、あとドアを開けたり交通事故にあったりトンネルを抜けて知らない世界に行くこともあるんだよー」

『そうなんだー?』


 私の投げやりな言葉遣いを真似して語尾を伸ばすのが超可愛い。小さい子みたい。


「…ってそうか!」

『?』


 そうだよ私、病気持ってるよ!それで発作が起きちゃって『目が醒めたら森の中でした』だ。そこら辺トリップ要素じゃないか!!!

 てことは、意図的に召喚されてないから勇者や巫女とかになって世界を救うという危険な事をする可能性は低い!よし!!

 

『良かったね?』

 

 よく分かってないだろけどレイはお祝いしてくれた。ありがとうレイ。

 …あ。だけど異世界から来たことがばれたら、結局何か特殊な状況に置かれる可能性がないとは言えないか。



 結果、私は異世界から来たという事がばれてはいけない。以上!

 さぁ前向きに生活場所を確保するぞー!


「この森の近くに村ってあるの?」

『西に小さい村がある』


 お、あるんだ!行きたい!!そして暮らしたい!!


「それって歩いてどれくらいかかる?」

『頑張れば4日』

「…頑張んなかったら?」

『一週間くらい』

「……」


 近くねぇじゃねぇか。しかも頑張って4日ってどんだけ頑張ってんだよ。4日と一週間ってだいぶ差があるぞ。


『だけどそこが一番近い』

「わかったよ…」


 そこが一番近いってことはこの森はだいぶ広いのかな?まぁここに人は住んでなさそうだよね、動物とかそういうのは居るみたいだけど。


『森自体は大きいけど、神聖樹海は小さい』

「え、そうなの?」

『うん。それにここは森の最深部だから、人は入って来られない』

「え、何で?」

『辿り着く前に魔獣に殺される』

「……」



 だいぶ物騒だなおい。私は生きて村に辿り着く事は出来るのか?ん?だけど…


「じゃあなんでレイはここに居るの?」

『何でだろう?』


 軽く首を捻るレイは真剣に考えてるけど…‥答えは出なさそうだね。


「まぁ、やっぱりレイは特殊なんだね」

『そうなの?』

「多分ね」


 まぁそれが異世界トリップファンタジーだもんな。多分レイはこの世界の特別な存在なんだと思うよ。だけど今の私には関係ない。平穏に暮らせればいいんだ。それでふとした拍子に自分の世界に帰ることが出来れば万々歳だ。


「けどレイがここに居てくれて良かった」

『?』

「だって誰も居ない森の中に落ちてきたら、私は完全に野たれ死んでたよ」

『‥‥』



 いくら私がすぐに異世界と認識してもすぐに何か出来る訳ではないし、現実主義な私は絶望していたかもしれない。だから…


「ありがとね」


 レイにマジで感謝!だね!と、レイの方を見たら軽く目を見張って驚いていた。

 美人だと何しても絵になるなー、と私が首を傾げると、レイの顔がだんだん笑顔になってきた。

 うぅ~・・私はこの笑顔に弱いんだよ。微笑みの貴公子か!いや、微笑みの神だな。って、うぉっ!!!なんか急に近づいてきたと思ったら、思いっきりハグされた!…が、私は正座で尚且つひ弱なんでそのまま思いっきり後ろに押し倒れた。 


「…痛いよレイー」


 これじゃあせっかくのときめき要素が台無しだよー?

 こういうときはカッコイイ男性キャラがヒロインを抱き寄せて、『キャッ☆』…とかなんか言ったりしてヒロインは頬を染めながらも男性に抱きつき返すみたいな。間違っても『うぉっ!!!』なんて言わない、思わない。

 だけどそういうのを考えるとヒロインもなかなか悪だよね。恥ずかしいと思いつつもちゃっかり抱きしめて、『彼って意外とたくましい身体してたのね』…とか思って男性キャラの身体を堪能するんだよ。


 仮にこれがヒロインを押し倒した図だったとしても、

『ごっごめん!』

『う、ううんいいの』

 …って言いながらピンクのほわんほわんした雰囲気になるか、

『ね、ねぇ!ちょっと退いてよ!!』

『○○、俺…』

 …みたいな感じのどピンクで、15歳未満の方はお断り☆か、それ以上の展開になるのは必須だろう。まぁそんな状況になるのはあくまでも普通にこけてから始まるからね。

 もしヨガみたいなポーズとって押し倒されたら、私はきっとムードもへったくれもなく男性キャラを殴っているだろう。つまり今の私の体勢ですね。だけどレイの麗しい顔や身体に傷をつける訳にもいかないからこの体勢を我慢しているんだよ。あーそろそろ背骨折れるんじゃないかなー…。


『そっか』


 レイは分かってくれたらしく、ようやく私を起き上がらせてくれた。

うん、謝らないってことは悪気が全く無いみたいだね!


版権は伏字にしました。


一応元ネタ解説


・ア●ジン-世界のネズミ作品の一つ。ジー●ーはその作品に出てくる魔法のランプのジン

・ドラ●ンボール-原作:鳥山●。●ウはその作品に出てくる魔人。

・攻殻●動隊-原作:士●正宗。少佐はその主人公。

・アト●-原作:マンガの神様。鉄腕●トムの主人公である少年ロボット。

・ドラえ●ん-原作:藤子・●・不二雄。未来から来たネコ型ロボット。

・テイ●ズ-バン●ムの代表的RPGシリーズ。

・●F-ス●エ二の代表的RPGシリーズ。


…最後がずさん過ぎる。笑

どこまで書いて良いのか分からなくなりますね(´ヘ`;)


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