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いつも見ていた世界  作者: 板井虎
第三章
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第4話:王子様の事情

 とりあえずお嬢様方の見えないところまでは急ごうと、そそくさと早歩きで訓練所を出て行こうとしたら、急に力強く肩掴まれた。


「おいっ!」

「はいっ!」


 誰かに呼ばれてびっくりして急いで振り向いたら、少し息の上がったマーリンドが私の元に駆け付けきた。


「お前、腹痛いのか?」

「え、うん…」

「いつから?」

「えっと…ちょっと前?」

「ちょっと前って、オレ達が試合始めるくらいからか?」

「う、うん。それくらい」


 マーリンドが矢継ぎ早で私に問いかけてくるので、私は適当に返事をした。急にどうしたんだ?

 マーリンドを見ると、やたら大きな溜め息を吐いた。な、何?


「だからオレが手を振った時、顔が引きつってたのか…」

「は?」

「お前な、調子悪りぃのにいつまでも外にいるなよ!」

「え!?いや…別にそういう訳じゃ…」


 何やら、盛大な勘違いをなさっているようなんだが…。


「調子悪いときくらい素直に言えよバーカ!」

「…………」


 …心配してくれるのは有り難いんですけどね、なぜここまで叱られなくてはならないんでしょうか?

 私が戸惑っていると、マーリンドの頭にチョップが落ちた。


「いてっ」

「バカは言い過ぎだ、マーリンド」


 何故あなたまで来たんだ…ガイシス団長!!

 離れた所にいるテレウスさんを見ると、思いっきり私から目を逸らした。もうちょっと頑張って止めて欲しかったな!!

 テレウスさんの更に後ろの方では、先程のお嬢様方からの冷た~い視線が私に突き刺さる。…これはヤバい感じじゃないですかね?

私が内心冷や汗を掻いていたが、ガイシス団長は何も気付いてくれなかった。


「お腹は大丈夫か?」

「だ、大丈夫です…」

「嘘吐くな!顔色悪りぃじゃねぇか!」


 だからその事じゃなくてですね!後ろのお嬢様方が怖いんですよ!!


「わざわざ残る必要は無かったんだぞ?」

「そうですけど…いつも水とタオル持って行きますし、二人の試合を見たかったといいますか…」

「んなもん気にすんな!生きてればまた見れるだろうが!!」

「死ぬみたいに言わないでよ!」

「二人とも落ち着け。マーリンドはサーイェが倒れたら元も子もないって言いたいんだろ?」

「おう」

「えと…心配掛けてすみません」


 その場しのぎの小さな嘘で、ここまで叱られるとは思わなかった。なんか…凹む。

 嘘を吐いた罪悪感を感じながらも、お嬢様方が今の状況をどう思っているのか気にしている自分も居て、自分は少しずるいと思った。

 頭垂れていると溜め息が聞こえて、ガチャガチャ音が鳴った。何の音かと思って見上げると、マーリンドが甲冑を脱いでいて、それをガイシス団長に押し付けた。


「ん」

「何だ?」

「オレ、サーイェ送ってくる」

「ああ、分かった」

「いや!一人で帰れるから!!」

「うるせぇ、とっとと帰るぞ」


 マーリンドは強気ではっきりとした物言いだったが、眼差しは私を気遣うように優しく、しっかりと肩を抱いていた。

 …これはカッコいい。今まででのマーリンドの中で一番カッコいいよ。カッコいいけれども!マーリンドの後ろにいるお嬢様方…!!視線で私を殺そうとしないで下さい!!!

 私は急いで離れようとしたが、マーリンド結構しっかり掴んでいたので失敗に終わった。私が落ち込んでいると、ガイシス団長が小声で私達に話し掛けた。


「先程から殺気を感じる。気を付けて帰るんだ」

「........」


そういう気配は読めるんですね...。


「マーリンド、しっかり送るんだぞ」

「分かってらぁ。おら、いくぞ」


そういうとマーリンドはずるずると私を引きずっていった。


「だから一人で歩けるってば!!」

「んな青い顔で言ったって説得力ねぇよ!」

「けど…!」

「サーイェ、今日はマーリンドの言うとおりにしておけ。な?」


 私が抵抗していると、ガイシス団長は苦笑して私の頭を撫でた。

 あー‥もうオワタ。後ろのお嬢様方は絶対私を敵対視してるね。私は諦めて失笑した。

 一刻も早くここから立ち去るには、今は大人しく言うことを聴くことしかない。そう悟った私は、大人しくマーリンドに家へ連れられて家路を急いだ。




 訓練所から大分離れ、みんなの姿が見えなくなった場所に来ると、私はマーリンドにちゃんと説明をする事にした。


「あのー、マーリンドさん…」

「何だよ」

「放してくれませんかね?」

「やだ」

「歩きにくくない?」

「別に」

「‥私は歩きにくいんだけどなぁー」

「何だよ?そんなに言うなら抱き上げてやろうか?」

「絶対やだ!」


 マーリンドが挑発的にニヤリと笑うので、私は即拒否した。


「お前失礼だな!せっかくオレが親切にしてやってるのに!!「あのね!嘘なの!!」

「あ゛?」

「お腹が痛いって言ったのは、あそこから逃げるための嘘なの…」


 マーリンドは目を丸くして、瞬きした。


「逃げる?何で嘘吐くんだ?」

「今日後ろにお嬢様方がいたでしょ?」

「ああ」

「彼女たちがお熱な二人の側に居たら嫉妬されるに決まってるでしょ?」

「ああ、殺気の原因はそういうことか。だったら先に言えよな」

「あの場で言える訳無いじゃん!それに途中で言おうと思ったけど、マーリンドが強引に連れてきたから言えなかったんだよ」

「…まぁ、そうだな」


 マーリンドは気まずそうに顔をぽりぽりと掻いた。


「…と言うわけで、放して下さい」

「やだ」

「何で?」

「寒みぃ」

「は?」

「身体が冷えて寒みぃ」

「…………」


 マーリンドは鎧を外してからそのまま私を連れてきたので、薄着で、しかも汗を掻いていたから身体が冷えたようだ。そして私が弱っていると思っていたから今まで寒いのを我慢してたらしく、マーリンドは私を抱きしめた。


「ちょっと!身体冷たい!!」

「オレだって寒みぃんだよ!」」

「魔法使えばいいじゃん!」

「まだうまく使えねぇんだよ!!」

「…もしかして私に引っ付いてたのって寒かったのもあるの?」

「悪りぃか!」


 逆ギレしてくるマーリンドは全く悪びれていなかった。全く…私じゃなくて自分の心配をしなさいよ。

 私は溜め息を吐くと、私はマーリンドの身体に手を当て、マーリンドが暖かい空気に包まれるのを想像した。汗も乾け~。そう念じていると徐々に服も乾き、私たちを包む空気も暖かくなった。


「お、暖かい」

「これでいいでしょ?」

「おう!ありがとな!」


 マーリンドはニカっと明るく笑顔になると、私の肩に腕を乗っけたまま歩き始めた。


「だから放してってば!」

「どうせ誰も見てねぇだろ」

「いやいやいや、関係ないから」

「それにこっちのが暖かい」

「ちゃんと暖かくしたから大丈夫だよ!」

「気持ち的に?」

「何で疑問系?」

「まぁまぁ、とっとと行くぞ!」

「もう!強引!!」


 マーリンドと言い合っていると、だんだん自分が深く考えているのが馬鹿馬鹿しく感じてくる。いつも振り回されて疲れるけど、何も考えなくていいという点ではすごく楽だ。結局その後、私達はふざけあいながらそのまま家まで帰った。

 ちなみにマーリンドはお腹がすいて我慢できなかったらしく、配達料金と言ってうちでご飯をしっかり食べて帰って行ったので、私の晩ご飯がちょっと減ってしまった。このジャイアンめ!!!






「マーリンド様、よく食べられましたね」

「ほんとにね。おかげで私のマッカローニグラタンが…」

「また明日作ります!だから元気出してください!」

「いや、明日ではなくていいよ」

「そ、そうですか?」

「うん」


 連続で同じメニューが出るのもラヴィーナに悪いし。マーリンドめ、今度は絶対に分けてあげないんだから!!

 私のグラタンの件でマーリンドを恨めしく思っていると、今日の私の腹痛に対してのマーリンドの過保護な態度を思い出した。


「ねぇ、ラヴィーナ」

「はい、なんでしょうか?」


 ラヴィーナは食後のお茶を注ぎながら、小首を傾げて返事をした。


「今日さ、ちょっと自分の保身の為にお腹が痛いって嘘吐いちゃったんだけど、その時すごいマーリンドが心配してくれたんだけどどう思う?」

「良かったじゃないですか!マーリンド様はお優しい方ですね」

「うーん、そうなんだけどさ…」

「何かあったんですか?」

「なんか、過保護っていうのかな。心配してくれて有難いんだけど、すごい叱られてちょっと凹んだ」

「そうですか…」


 うーん、と考えるようにラヴィーナは眉を寄せた。


「もしかしたら、マーリンド様はお母様の事を思い出されたのかも知れませんね」

「マーリンドのお母さん?」

「はい。マーリンドのお母様であられるサニア様は、マーリンド様が43歳の頃、病に掛かられてお亡くなりになりました」

「そうなんだ...」

「元から御身体が強いお方ではなかったので、病に掛かられてから亡くなられるまでが早かったそうです...」

「......」


43歳は多分人間年齢で8才くらいだと思う。それはまずい事をしたな...。だからそんなに心配してたのね。...明日にでもちゃんと謝っておこう。私はもやもやした気持ちを抱えて溜め息を吐いた。







次の日、マーリンドに謝ろうと思い訓練所に向かっていると、何だか誰かに見られているような気がする。 ていうか絶対見られてる。だってさっきからちょくちょく知らない人をよく見かけるもん。主に侍女っぽい人が多い。私はちらっとその人達を見ると、顔を顰められる、目を逸らされる。これは正に...昨日の出来事のせいですよねー。はい、ふざけんな。...とは言っても、ただそれだけで何か害があるわけではないし、下手に刺激すると面倒なので、私はとにかく無視を決め込み歩き続けた。






「おはようございまー...あれ?私、遅刻しましたか?」


いつもの様に朝の仕事の確認をするために一番隊の所に行くと、既に全員揃っていた。私の質問に、ロイス副団長が優しく微笑みながら答えてくれた。


「いや、してないよ」

「じゃあ何でマーリンドとルーカス隊長がいるんですか?」

「お前オレをなんだと思ってるんだよ!?」

「え、遅刻魔」

「お前なぁ...」


マーリンドが大きな溜息を吐きながらいつもの様に私に近づいて来たので、私はすぐ側にいる立ったまま寝ているルーカス隊長の後ろにさささっと移動した。


「逃げんな」

「まぁまぁ、それより何で早いの?」

「あー、それは...」


私の質問にマーリンドは言葉を濁した。何だろう、珍しい。私は軽く眉間に皺を寄せた。


「マーリンドから報告があったんだ」

「報告?」

「ああ。昨日の令嬢達がサ「令嬢達を含め多くの人が騎士団の練習の見学に来ているから、人数制限をしようかどうしようか話し合ってたんだよ」

「あ、そうなんですか?」


へえ、そのために朝早くね。ロイス副団長がガイシス団長の言うことをわざわざ遮る事に疑問を感じたが、ロイス副団長の笑顔がこれ以上聞くなっていうような笑顔だったので、何も聞かない事にした。


「それで、話し合いの結果はどうなったんですか?」

「安全上の都合もあるし、見学時間は午後5時以降で、場所には規制をかける事にしたよ」

「確かにそれがいいかもしれませんね」


仕事をじろじろ見られるのは嫌だし、昨日みたいに近くで見られると私も困るし。


「これからのサーイェのスケジュールは主に午前に訓練して、午後から仕事に入ってくれ」

「分かりました」

「さて、じゃあ今日も一日頑張ってくれ」

「はい」


最後はガイシス団長が締め、私たちはそれぞれの仕事に向かうが、私はマーリンドの元へ向かった。


「ねえ、マーリンド」

「ふあ?何だよ?」


私の呼び掛けに、マーリンドは大きなあくびをしながら答えた。


「あのさ、昨日の事なんだけどさ...」

「昨日?」

「だから仮病の事だよ」

「ああ、あれか。あれがどうした?」

「その、ごめんね」

「何だよ今さら。別にいいけどさ」

「けど、マーリンドのお母さんが病気で亡くなったって聴いて、すごく無神経な事したなぁって思って」

「何年前の話だよ」

「けど...」


マーリンドを見上げると、マーリンドは頭を掻いて、少し顔を顰めた。


「まあ確かに母上の事もあって少し過敏や反応しちまったが、別に母上が亡くなって大分経ってるからそんなに気にしなくていい。寧ろ気を遣われる方が困る」

「そっか...ごめん」

「おう」


私が謝ると、マーリンドはいつもの明るい笑顔で、私の頭をがしがしと撫でた。


「マーリンドのお母さんはどんな人だったの」

「母上はいい女だったぞ!」

「いい女?」

「ああ。目顔ははっきりした顔立ちで、胸も尻もでかくてウエストもくびれてスタイル抜群だった!」

「へえ...」


やっぱり美形の母親は美人ですよね。まぁ確かにそれはいい女だけど、自分の子どもにスタイルの事を言われたくないと思うのは私だけだろうか?

私はそれを心に仕舞い込むと、嬉しそうに語るマーリンドの母親の説明に耳を傾けた。


「見た目だけじゃないぜ?いつも明るい太陽みたいな笑顔の人で、オレが良い事すれば沢山の褒めてくれるたし、悪い事をすれば全力で叱ってくれた」

「そっか...。いいお母さんだね」

「ああ!」

「それに、マーリンドと似てるね」

「え?そうか?」

「うん」


私の言葉に、笑顔だったマーリンドは目を丸くして驚いていた。


「マーリンドは感情表現豊かだし、笑うと周りも明るくなってこっちも笑いたくなる」

「....」

「お母さんと似て良かったね」


マーリンドに向かって微笑えむと、驚いていた顔をくしゃりと破顔し、またいつもの太陽みたいな笑顔になった。


「ありがとな!」

「うん」


 マーリンドは元気よく笑顔で私にお礼を言った。私はお母さんの事を誇らしげに語るのを見て羨ましいと思ったのと同時に自分のお母さんの事を思い出した。


 私のお母さんはマーリンドのお母さんみたいにナイスバディでもないし、料理は手抜きだったり、休みの日はリビングでごろごろしたりとだらしなかったりする。だけど、手抜き料理でも毎日作ってくれたし、お願いすれば文句を言いながらも聞いてくれたり、学校の行事とかは仕事を休んで欠かさず参加してくれた。私は、とても愛されていたと思う。

 なのに、いつも心配掛けていたのに私は勝手に居なくなってしまって、ほんとに親不孝者だと思う。お母さん...元気かな。私はお母さんの事を思い出して胸が締め付けられ、目頭が熱くなってきたので目をぎゅっと瞑ってお母さんの事を考えるのをやめた。マーリンドは遠くを見ていたので、その事には気付いてなかった。


「ただ、さ...」

「?」


 先程までの明るかったマーリンドの声音が少し沈んものに変わったのが気になり顔を上げると、幸せそうに微笑んでいたマーリンドだったが、少し寂しそうな笑みを湛えて遠くを見ていた。


「言いたいことははっきり言うくせに、辛いことはオレたちの前じゃお首にも出さないからさ、母上の病気の苦しみなんて全然気がつかなかったんだ」

「........」

「病気が進行してベッドで過ごすことが多くなっても、いつだって笑顔でオレの話を聞いて、抱きしめてくれた」

「そう、なんだ...」


 すごいお母さんだな。自分が辛くても子供の前では気丈に振舞う。私のお母さんもそうだった。私の前では元気にしているのに、こっそりお父さんの前で泣いてた事もあった。そして私が心配するとわざとらしくため息をついて自分の心配をしろって言う。だから私は何も言えなかった。


「…マーリンドのお母さんはマーリンドに心配しないで欲しかったんだと思うよ」

「どういう意味だ?」

「どんな時でも大好きな子どもに悲しい顔なんてして欲しくない。笑って欲しいって思ってたんじゃないかな」

「......」

「私なら、そう思う」


そして私は発作を起こすたびに、いつも思っていた。私を心配してお見舞いに来てくれるのは嬉しかったけど、私の事で気を揉んで欲しくなかったし、心配して欲しくなかった。そして私の場合性格が弄れているから、その事がすごく惨めにも感じた。

 私は、可哀想なんかじゃない。

 俯いていると、マーリンドは苦笑して、わざとらしい溜め息を吐いた。


「そうかもな。母上はそういう人だ」

「うん」

「だからそう思うお前にも無理して欲しくないんだよ」

「え?」


 いきなり話を振られてびっくりして顔を上げると、真面目な顔をしたマーリンドが私を見つめていた。


「お前も腹の中に抱えていても、誰にも言おうとしないだろ?」

「それは…」

「お前が言わねぇなら無理には聞かねぇけど、身体壊すまで抱えてるつもりなら…怒るからな」


 マーリンドは屈んで私の高さに視線を合わせると、私の頭をぐっと掴んだ。真剣な表情が、その本気さを物語っている。…なんだよ。マーリンドもいい男じゃないか。


「…分かった」

「よし!」

「だけど、」

「あ?」

「マーリンドも辛い時は言ってね。私に何か出来るわけじゃないけど、話を聞くのと…茶菓子くらいは用意するよ」

「お前…」


 私は優しく微笑むとマーリンドは目を見張り、私に釣られたようににかっと笑い私に腕を伸ばしたが、動きをピタッと動きを止めるとその腕は元の位置へ戻った。


「何?」

「いや、あー..その....その時は最高級の手作り出せよな!」

「えー‥、善処するよ」

「おう!そんじゃ、オレこっちだから」

「あ、うん。お仕事がんば」

「お前もな!」


 大股で去っていくマーリンドに手を振りながらその後ろ姿をじっと見つめた。

早速隠し事ですか。まあ私も大きな隠し事があるし、触れないでおこう。



 もし私がこの秘密をマーリンドに打ち明けたとしてもきっとマーリンドは私の言うことを信じてくれると思う。だけど周りは違う。今だってそうだ。女のくせに騎士団にいるし、王子や隊長格と仲良くしてるから嫉妬もされる。もし私が異世界から来たなんて周りに知られたら、どんな事をされるか分からない。

 だから私はこれ以上本当の私を語ろうとは思わない。それがマーリンドとの約束を反古していたとしても、私は譲れない。ごめんね、マーリンド。

 マーリンドの姿が見えなくなると、私も自分の仕事に戻った。



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