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第2話 学園の混乱
王立魔法学園の廊下を歩くエリザベスは、いつもと全く違う体験をしていた。
「見て、あの悪役令嬢が来たわ!」
「今日は誰をいじめる気かしら?」
「早く逃げましょう!」
いつもならこうした囁きを聞くと、意地悪な笑みを浮かべてわざと近づいて行くところだった。
しかし今日は……
「おはようございます。皆さん、今日も素敵な一日になりますように」
エリザベスは自然に微笑み、手を振った。
すると、なぜか彼女の周りに小さな光の粒が舞い、廊下にいた学生たちの小さな傷や疲れが癒えていくのが感じられた。
「え?私の擦り傷が……」
「頭痛が消えた……」
「な、なんであの悪役令嬢が……?」
学生たちは混乱しながらも、なぜかエリザベスに引き寄せられるように近づいてきた。
「エリザベス様、その光は……?」
クラスメイトの一人が恐る恐る尋ねた。
「さあ、私にもよくわからないの。ただ今朝から、みんなを幸せにしたいって強く思うの」
その言葉とともに、エリザベスの頭上には小さな光輪が浮かび上がった。
「「「聖女の光輪!?」」」
廊下は大騒ぎになった。




