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第1話 目覚めの朝
「…え?」
目が覚めた瞬間、エリザベス・ヴァン・ド・モンテクリストは違和感を覚えた。
いつもなら目覚めとともに頭に浮かぶのは、今日はどの貴族を陥れようか、どの女学生をいじめてやろうかという邪悪な計画だった。
しかし今日は違う。
「あら、おはようございます、エリザベス様」
メイドのアンナがカーテンを開ける。
いつもなら「うるさい!もっと静かにしなさい!」と怒鳴るところだが、なぜか口から出た言葉は…
「おはよう、アンナ。今日も朝からご苦労様」
……優しいものだった。
エリザベスは自分の口を押さえた。
何てこと!この声は確かに自分の声だが、まるで別人のようだ。
しかも、なぜか部屋中が柔らかな金色の光に包まれている。
窓から差し込む朝日が、いつもよりずっと輝いて見える。
「お、お嬢様?大丈夫ですか?」
アンナが心配そうに近づいてきた。
いつもなら「下僕がそんなに近づくな!」と追い払うところだが、エリザベスは無意識にアンナの手を握った。
「大丈夫よ。ただ……なんだか今日は特別な気分なの」
その瞬間、エリザベスの手から微かな光が漏れた。アンナは目を丸くした。
「聖、聖光…?」




