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第5話 お兄ちゃん……♪ byほたる

やってしまいました……。サブタイトルにはいつもお話に関係があること、

また関係あるキャラが書かれています。

今回はほたるが…………。

すいません、とだけ言っておきます。

では、ごゆるりと行ってらっしゃいませ……。

 午後18時00分。この時間帯となると、ちびっこは揃ってテレビに食いつき、憧れのカッコいいヒーローやヒロインに釘付けとなる。そんな時間帯、菊川家はというと――――


「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん~~~~♪」


「あ、あははは…………」


《よくも飽きずにそうしてられるもんだよな》


 ――――菊川ほたるによる熱烈なスキンシップが心也に行われていた。

 というのも、玄関での闘争(前話参照)に終着点が見えて来なくなった心也が、真の助言によってとりあえず家の中へと入る事に成功。一息ついたのも束の間、瑞穂は晩御飯の材料を買いに近くの商店街へと出かけて行った。

 その瞬間、息を潜めて獲物を狙っていた肉食動物の如くリビングのソファでくつろぐ心也目掛けて飛びかかり、ハグと頬ずりを開始して今に至る訳である。

 昔からお兄ちゃん子だったから、ちょっと見ない間にそのレベルが上がったのかな、というのが少し前の心也の考えだったがその考えは甘い。某チョコレート工場のチョコの川よりも甘い。


「はぁ……、お兄ちゃん……、はぁ、はぁ…………」


「(これは、ちょっと考えが甘かったかな?)」


《いや、マスターの考えてる甘いは、まだまだ甘いぞ》


「(甘いが、甘いの!?)」


《そうとも、そうさなぁ……、空から金振ってこないかなぁ~、とか思ってる奴の思考回路くらい甘い!、いや、それすらも生ぬるい……、もとい生甘い!!》


「(な、生甘い!?)」


 実際そんな漫才が行われてる今もほたるのスキンシップ(?)は続く。息は荒々しく、目はトロンと潤み切っている。時折その瞳で見上げてくると心也の精神、及び理性に多大なダメージを与えていく。


「ねぇ……、お兄ちゃん? ほたるね、ずっとね……、お兄ちゃんの事待ってたんだよ?」


「う、うん。ありがとね」


「それでね、ほたるね……、その、ご褒美が、欲しいなぁ……」


 死の宣告。いや、まだ確定事項ではないからこの場合はがんと申告された時の患者と例えれば良いのだろうか?

 心也とて、この年で道に迷った心也とて、この感じが非常に危ないフラグである事は理解できる。ご褒美、と聞いてお菓子を差し出すのは小学校低学年まで。とうのほたるは心也の一つ下、今年で15歳の中学3年生である。となれば意味もおのずと変わってくる……、はず。


「う、うん。な、ななななな何が良いのかな?(真くん!! これはピンチだよ!! 僕の人生でも数少ない程のピンチだよ!!)」


《落ち着けマスター。良く考えてみろ、ほたるはまだ子供だが光るものがある。そう考えれば【ほたるエンド】も良いじゃねェか? な? 人生あきらめが肝心だぞ?》


「(諦めちゃダメでしょッ!? 誰か他に起きてないの!?)」


 その呼び掛けに、あるじの危機と感じ取ったのか心也のもう一つの人格の一人が救いの手(?)を差し伸べる。


《むぅ……、ん? 殿との、おはようでござる。何だか大変な目に逢っている様ですがこれはいったい……?》


「(おみくんッ!? 助けて! ほたるが、ほたるが……)」


《殿、落ち着くでござる。何事も落ち着きが肝心でござるよ? で、妹君いもうとぎみがいかがなさったのでござるか?》


《おい、犬。この状況をよく見ろ。お前の眼がおかしくなけりゃこの状況を見ればよく分かるだろう? まったく、これだから犬は鼻ばっかりで……》


《む!? お主こそ、たかが鳥風情が殿の役にも立ててはおらぬではないか!?》


《言ったな、犬!? 今日こそは決着付けてやろうか? ああ!?》


《望む所だ。表に出るでござる!!》


「お兄ちゃん……、ねぇ? ご・ほ・う・び……♪」


「(二人ともケンカしてないで助けてよッ!!)」


 救いの手(?)こと、もう一つの人格。彼の名はおみ。まぁ、色々あって心也の人格の一部となったのだが、そのお話はまた後ほど。出てきて早々真とケンカをしているが別に仲は悪くはない。

 臣はケンカを中断すると、自分のあるじに意識を集中する。何だかんだ言っても自称忠実な家来の名にふさわしい態度をとる。


《むぅ……。これはこれは……》


《そうだ、前に見た事あるアレだろ?》


《《発情期だな/でござるな》》


「(そんな訳ないでしょうがッ!!…………たぶん。で、本当にどうすれば良いのさ!?)」


 そう。本来、こんな漫才パートが入るような場面ではないのだ。ほたるのその容姿に年齢に似合わぬ妖艶さが加わり、潤んだ瞳からの上目使いは抜き身の刃物同然。正直青少年の教育に悪い域に達していると言っても過言ではないだろう。少なくとも、出来るだけ危ないフラグは回避したい心也はもう一人の自分達と相談を続ける。


「(早くしないと、その、えと……、とりえず大変なことになっちゃうよ!!)」


《いいんじゃねぇのか? 良いと思うぞ、今時こんなに兄に想いを寄せたりするような妹は小説やマンガの中にしかいないと思うぞ? 【ほたるエンド】……良い響きじゃねぇか》


《それに殿。血が繋がっていなければ結婚もできるんでござるよ?》


「(兄妹で結婚は無理だって!! それより、打開策を考えてよッ!!)」


 なかなか進まない話し合いは時間切れの模様。ほたるはソファに座る心也の上で黙って眼を瞑ると唇を突き出す。そして気のせいだろうか徐々に心也に接近する。『絶体絶命』この状況を一番適当にあらわした言葉だろう。心也の背後はソファの背もたれ、いうなれば壁。退路は断たれ袋のねずみ、万事休す。心也はこの状況に陥ってなおこれまでの記憶を探る。出来るだけ事を穏便に運ぶ方法を考える、が――――


「(わわわ………、兄妹なのに、兄妹なのに、えと、えと、ご褒美、ご褒美、ご褒美……。何か、何か無いか……)」


 だんだん迫る唇。そう言えば、キスするの初めてかな、とか思いながら若干諦めがさしてきている。どうにか最後の最後に兄妹同士ではダメだという理性が無意識に心也に行動を起こす。

 心也はほたるをそっと抱き締めると、母親が子供にやるように、手で頭を撫で始める。内心、大博打を打ったかなと背中には冷や汗が滝のように流れているのだが――――


「お兄ちゃん……!?」


「ただいま、ほたるちゃん。僕の事長い間待っててくれたんだよね? ……よしよし、偉かったね」


 少し無理があるだろうが、小さい頃はみんなそうだったに違いない。母親に撫でられた時、たぶんほとんどの人が安堵したのではないだろうか?

 同様に彼女――ほたるも最初は驚きを見せていたが次第に顔にも安堵の笑みを浮かべる。


「にへへ……、お兄ちゃん~♪」


「(間一髪……、かな?)」


《もったいねぇなぁ~》


《勿体ないでござる~》


 相変わらず、頬ずりは止めないが一件落着。心の底から安堵したのは心也本人だったに違いない。



とりあえず、ごめんなさい。

大暴れ、というか大暴走……。

文章的にも…………。

自分の文才の無さをこれほど悔んだ事はないです。

まぁ、楽しんで頂けたという声がきけたら一安心なんですけどね……。


そういえば、新キャラ。

もう一つの人格、臣くんです。

真がしきりに犬!! って言ってましたが……。

これはまた後ほどのお楽しみです♪


そう言えば、PVが1000を超えました♪

……まぁ、他の先生の報告を見るたびに泣きたくなりますが、

ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます!!

獅子乃は眼から水魔法が打てそうです。

これからもよろしくお願いします♪

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