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第20話 返してもらうぞ! byルミア

ええい、ままよぉ!

――――幻獣界げんじゅうかい:霊狐の里――――


 群生する植物達は阻むように。鬱蒼と茂る木々は隠すように。そして、その先に待つ開けた空間は神聖なもの、言ってしまえば精霊やその類に護られているのではないか、と錯覚してしまうような独特の雰囲気をかもし出していた。

 先の説明どおり言うまでもなく『霊狐の里』は木々に囲まれている。

 『城』の北部に広がる禁忌の森の深奥に位置し周りの木々が天然の城壁、とばかりに外敵からの攻撃をことごとく防ぐ。

 ここを通ろうとするものはみなこの木々に阻まれるために迂回したり、安全のため霊狐族の案内をつけたりするようになった。

 ここまでくれば自然とその名にふさわしい噂が立ち誰と無くそう呼び始めたのだろう。

 そんな里の周りに木を組んで作られた外壁の前に逃走者はいた。


「はぁ、はぁ、完全に、んはぁ……巻いた」


 特産の仮面の裏ではきっと苦しそうな顔をして玉のような汗をかいていることだろう。脇に抱えた心哉は『眠り粉ドリーミングパウダー』で眠ったまま。きっと起きていたら逃げ帰るのがかなり難しくなっていたことだろう。さすが市販品でも霊狐の秘伝で調合を弄くっただけはある。

 とにかく任務が優先だ、と頭を振って本来の目的遂行へと思考を移す。心也を抱えなおすと目前にそびえる外壁についたやぐらへ向かって声を張り上げる。


「ルミア・ホロウッドだ! 例の少年を確保した。開けてくれ!」


 ルミアと名乗った黒尽くめはやぐらに向かってそう叫ぶとシャッター式の門とでも言うのだろうか、吊り上げ式の門の横にちょこんとある目立たない通用口に近づき戸を叩く。すると向こう側からノックと若い女性らしき声が返ってくる。


『広きは?』


「その心」


『深きは?』


「その知恵」


『我らは?』


「使徒なり」


『共にあろうとする者。名を述べよ』


一葉いちよう瑠魅亜ルミア


 扉の向こう側から淡々と紡がれる合言葉のような物に、こちらもまた淡々と答える。繰り返し行われているのだろう、その返答には淀みが無く間違えるそぶりすら見えない。そして質問の形式が変わった辺りで扉に小さな魔方陣がほんのりと浮かぶ。ルミアは手をかざすと体内を流れる魔力の流れに神経を集中させる。


「ん、んぅ……ぁ、わぁあったかい……」


「ッ!?」


 目の前に広がる魔方陣から放たれる光はその属性を帯びてほんのりと暖かく周りを照らしていた。

 心也が暖かい、と感じたのも恐らくはそれが原因だろう。

 それよりも。突然眼を覚ました心也に儀式中なので手が出せない。壁一枚隔てた向こうは里なのにこんなところで逃げられては泣くに泣けない。


「あの、えっと、離してくれませんか・・・?」


「…………」


 自分が攫われた事を思い出した心也はできる限りのお願い、とばかりに下手に出て見るがルミアは儀式中であるのと任務遂行という二つの意味で敢えて無視をする。

 だが、それで引き下がるでもないだろうし暴れられても困る。心也を抱える腕に一層の力がこもり背中や仮面に隠れた額には変な汗が浮いてくる。


「静かにしていろ、悪いようにはしない」


「あ、うう、はい……」


 出来るだけ穏やかに言ったつもりだが萎縮してしまったようだ。子供の扱いは里の子達で慣れているつもりだったので幾らかショックを受ける。こんな立場じゃしょうがないのは分かっていても少しくるものがある。

 そんなこんなしているうちに門へと流し込んでいた魔力は十分にたまったようで――


――――ギ、ギ、ギギギギギギィィィィィィ――――


――軋むような音を立てて杭状になっている門のした部分が徐々に持ち上げられた。


「……え、これって?」


「ようこそ、ここが、霊狐の里だッ……!」


 ルミアが憎々しげに睨みつけた門の向こうに広がっていたのは軒並みを揃えた趣のある平屋でも、茅葺き屋根の歴史を感じるような家屋でもなかった。丹精込めて拵えた【和】を重んじた作りに定評のある建築物にはところどころ煙が上がっている。外からはそんな雰囲気を微塵にも感じさせなかったのに。


「あ、あの、か、火事があったんですか?」


「……ぼうや、竜を知っているか?」


 意外にもの返答をくれたルミア。少しは誘拐されたことに自覚を持っていたので少し驚く。


「う、うん。ティアお姉ちゃんが言ってた――」


 ドラゴン。それは幻想世界ファンタジーにおける食物連鎖の上位者トップクラス

 その存在が、立ち振る舞いが。低級の種族に畏怖を与える。

 そしてその竜の最大の特徴――秘宝の収集。

 彼らの多くは住処に沢山の秘宝を溜め込む習慣がある。宝剣、王冠、指輪、ネックレスなどキラキラと光る金銀財宝の類をかっぱらってきては溜め込むのである。


「――とか、そんな感じの事を」


 ルミアは面のまま心也の方を向いて首を縦に降る。


「奴が来んだ。ミストドラゴンが……」


to be conteneu…………

大変お待たせいたしました。そして申し訳ありませんでした。

言い訳はいたしません。全責任は獅子乃に。


さて、いつもより短い?

もちろん差し込みです。差し込み初なので先輩に聞いてきます。

ええ、帰ってきたら。


ん?どこへ行くかって?

あ、はい。祖父の家(岩手)に帰省します。

しかも3時間後に。寝てねぇwww俺寝てねぇwwww


はぁ、徹夜するとテンションが可笑しくて可笑しくて。

さぁ、ちょっとシャワー浴びてきますね。


えと、本題。


今回のお話。逃走者ことルミア。

人相、正体は差し込みをいれた後で明らかに。


一体心也を含めた彼らの運命やいかに!?

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