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第10話 東通り探検~ショッピングでハプニング!?~ by心也&ティターニア

ははは……ははは……。

遅ればせながらこんにちは、獅子乃です。

こ、今回も最長記録の更新です。

7000…だと…?

とか一人でパソコンに呟く獅子乃は重病人です。


今回の長さは尋常じゃなかったですねェ……。

長さに比例して誤字脱字、多国語が混ざってるかもです。

なんか見つけたらすかさず文句を付けに来てください。

あ、でも、出来るだけ優しく……お願いします。


では、ごゆるりと行ってらっしゃいませ~♪

 『幻獣界』東通りメインストリート

 心也はティターニアに手を引かれながら様々なお店が立ち並ぶ『東通り』こと『メインストリート』を歩いていた。

 この『幻獣界』はティターニアが治めている『城』を中心に成り立っている。

 某野球場の数倍はあるだろう敷地にドーンと立っているのだ。

 見た目は西洋風の城をイメージしてもらって良いだろう。その城は何で出来ているのだろうか、真っ白に輝いている。その上、一番目を引くのは絡みつくヤドリギやツタ、イバラなどの植物ががんじがらめになっている部分だろう。ティターニアによると、特殊な結界の一種らしい。もっとも心也にそんな事を理解できたのかは謎であるが。

 そんな『城』から四方向に通りが伸びていて、今歩いている東通り、西通り、北通り、南通りとある。そのうち東通りはメインストリート称されるだけあり一番活気があり、通りの両端に沿ってお店が出ている――いわば商店街なのである。

 

「ねぇシンちゃん? 何か欲しい物あったら言ってね? お姉さんが何でも買ってあげるから♪」


「うん。あ、ねぇ、ティアお姉ちゃん。アレはな~に?」


 ご機嫌な感じで歩くティターニアの言葉を聞いた心也は、目に留まったお店の商品を指さす。

 ん? と心也の指で指されていたモノを一見すると、そこには赤い木の実があった。現実のもので例えるならばリンゴが当てはまる様な実であった。だが、何と言えばいいのだろうか。

 その木の実は異様な程大きく、人の頭大なのだ。さらに真ん中よりも上部分にはギラギラした眼があり、それに加え真ん中より下の方に横一筋の亀裂が走っていて、鋭い牙が生えているのだ。

 気になる。知りたい。アレは何だろう。物怖じしない子供なら当然気になる事だろう。


「ああ、アレね。アレはアングリーアップルっていう果物よ。野生のモノは木の下に行くと襲ってくる怖~い果物なんですって」


 例の赤い木の実――アングリーアップルは果物に分類される割には肉食の植物らしい。果実を狙ってやってくる生き物を木の枝から狙い、襲いかかるという食事方法をとる。しかも、沢山の実がなっている木の場合は一斉に襲い掛かってくる為、笑いごとでは済まない怪我を負う事もある。


「こ、怖いね……それって美味しいのかな……? それよりどうやってつくってるんだろう……」


 もっともな疑問だ。そんなおっかない木の実を誰が好き好んで栽培するだろう。栽培が可能ならどんな方法で攻撃を掻い潜るのか、心也はそうおもったのである。


「う~ん……知り合いが言うには、アングリーアップルの木は下から近づいてくる生き物を糧にしてる木だから、上から狙うんだって。さっきから何人か背中に羽が生えている人とか見たでしょ? あの人たちの種族が上から取ってるんじゃないかしら?」


「そうなんだ、怪我しないのかな。あんなに歯が尖ってるし」


「あ、そう言えば、さっきのアゼルっていう衛兵ね、昔アングリーアップルの栽培の手伝いをした事があったらしいけど……アゼルだってピンピンしてるんだから結構チョロいんじゃない? それよりねぇ? シンちゃんも食べてみない?」


「え、う、う~ん……」


「大丈夫よ、商品になってるものがかみつく訳ないじゃない。さ、行きましょ」


 そう言って、少し躊躇している心也の手を引いてお店の前に歩き出す。

 店の前まで行くと店主と見受けられる豚鼻の太った人のよさそうな男が出てくる。


「いらっしゃい。お嬢さん、何をお求めかな? お嬢さんきれいだからおまけしちゃうよ」


 店主はティターニアを見ながら手揉みをしている。ちなみにティターニアは焦茶色のローブを羽織って正体を隠している。一応お忍びなのでこれくらいはしておけ、とチェルシーが着せたらしい。


「そう、それじゃそのアングリーアップルを二つ良いかしら?」


「これかい? 新鮮さに気を付けたこの一品に目を付けるたぁ、お目が高いねェ? そんじゃあ二個で100シグマで良いよ」


「本当!? ラッキーだったわね、シンちゃん。半額で二個も買えるなんて、得しちゃった♪」


 ティターニアは値段を聞くと嬉しそうに懐から小銭を出す。『幻獣界』での通貨は主に金、銀、銅、鉄、結晶。

 単位はシグマと言い、1シグマ=1円に相当する。ちなみに、鉄=1シグマ、銅=10シグマ、銀=100シグマ、金=1000となる。

 最後に結晶。この結晶は任意で生成する事が不可能な代物である。故に結晶の大きさ、色、ツヤなどで、値段が決まるが、最低でも5ケタはある。ちなみに、通貨だけではなく、薬の材料、道具のコア、装飾品など使い道も沢山あるので当然値段もはるのだ。

 今回の場合は本来の市相場、一個200シグマのアングリーアップルを二つで100シグマというわけあり商品ではないか、と疑うほどの値段である。

 ティターニアは小銭袋から出した銀貨を一枚を店主に渡す。

 主人は銀貨を確認すると、アングリーアップルをくくっていた紐をほどいた、が――


――ギロリッ!!――


 ――二つの内一つのアングリーアップルが、心也をその視線に捉え爆発的な跳躍と共に訳のわからない言葉を発する。そして、その鋭い牙を――


――パシッ、グシャァァァァッ!!!――


 ――付きたてる間もなく、透き通るような白い手がアングリーアップルを鷲掴みにすると、ド派手な破砕音を立てて果肉と果汁をぶちまける。

 心也は未だに来ない痛みと、破砕音を立てて粉々になったアングリーアップルを見て、ハッと我に返る。自分の目の前にある命を救ってくれたであろうその白い手を手首からすぅーっと見上げると自分を助けた張本人――ティターニアがいたのだ。その目はいつもの様な優しさを帯びた笑みを浮かべてはいなかった。門の前でチェルシーに向けたあの眼光など比べ物にもならないほどの殺気を帯びた視線を、砕け散ってもうそこには無いはずのアングリーアップルに向けている。

 ふと、その視線が店主の方を向くと、ひぃっ!! と悲鳴を上げる。相手を射殺さんとするかの様に眼光を飛ばすティターニアは何やらぶつぶつと唱えながら一歩一歩店主に詰め寄る。

 店主は恐怖のあまり腰を抜かしてしまっている。だが一歩一歩近づいてくるティターニアから離れる為に必死に後ずさる。しかしながらそれは些細な抵抗にすぎない。ティターニアは後ずさりを上回るスピードで近寄るために距離は次第に近づいてしまう。

 すると、一歩、また一歩と近づくたびにティターニアの呟く言葉が鮮明になっていく。


「……よ……シ…ち……を………目…合………わ………。……よく…シ…ちゃ…を…険…目…合……たわね……。……よく…シ…ちゃ…を…険な目…合わ…たわね……。……よくもシ…ちゃんを危険な目…合わせたわね……」


「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!! す、すみませんごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃ!!」


 呪文の様に言葉を紡ぐティターニアの雰囲気がとうとう店主の心内環境をぼろぼろと崩し始めてきたらしい。店主は土下座をして涙ながらにティターニアに許しを乞う。が――


――ギシ、ギシ、ギシ、ギロリッ!!――


 ティターニアの首が錆びついた機械の様な音を立てて店主を確実にロックオンする。

 壁際に追い詰められ、これ以上後ずさる事が出来ない土下座状態の店主にぎりぎりまで迫り、お互いの額がくっつく寸前でやっと止まると。


「よくも私のシンちゃんを危険な目に合わせたわね?」


 機械よりも薄っぺらな言葉を紡ぎだした。機械の方がよほど温かいと感じた事だろう、そんな店主はティターニアとほぼゼロ距離でそれを受けたわけである。常人なら絶える事はできまい。当然の如くその店主も。耐えられるはずはなかった。が――


「ひ、ひぃぃぃぃ……ん? へ、陛下? じょ、女王陛下ではないですか!?」


 店主は恐怖から一転、驚愕に染めた顔色のままティターニアを指さす。

 

「だったらなに? シンちゃんの命を危険に晒した貴方は私刑決定なの。いくら私の正体を暴こうとも貴方は絶対に雑草に変える!!」


 店主の驚きの声に首を傾げると、口調をだんだん怒りに染めながら言葉を叩きつける。


「その、これはですね、出荷先の処理がですね、いけなかったんではないのかな、って思うんですけど……」


「貴方は出荷元が安全な商品を出しているのかちゃんとチェックをしないの? 何故しないの? しなかったからこんな事になったのでしょう? なら文句は言えないわよね?」


 自分に非は無い、と弁明をする店主だが、ズイッと詰め寄られ質問攻めに合い言葉をなくす。


 そこに、今までじっとして事の成り行きを見守っていた心也がティターニアの肩をトントンと叩く。後ろを振りかえったティターニアの雰囲気は相変わらずの状態なので少しすくみながら心也は口を開く。


「て、ティアお姉ちゃん……も、もう許してあげて。怖かったけど、僕大丈夫だから。おじさんを許してあげて!」


 ぷるぷると震えながらその意思をしっかりと伝える。幼いながらによく頑張る心也だった。その姿を見たティターニアが一瞬、常の表情にして心也を諭す。


「良いの? 私が反応できなかったら大怪我じゃすまなかったかもしれないのよ? それでもシンちゃんは許せるの?」


「うん。ティアお姉ちゃんが守ってくれたから何ともないし、おじさんだけが悪い訳じゃないんでしょ? なら、謝ってるし許してあげて、ね?」


「シンちゃんが、そこまで言うなら……」


 心也の説得のお蔭だろう、ティターニアは先程まで放っていた恐ろしい殺気を引っ込める。店主は冷や汗というか、脂汗というか、滝の様に流しながらへなへなと土の上に寝転んだ。

 ふと、店主は思い出したように心也に近づくとティターニアに聞こえないように耳打ちをする。


「……坊っちゃん。先程はありがとうございました。しかし、あの陛下を丸め込むなんて……。一体どんな魔法を使ったのでしょう? 見るからに魔術師には見えませんし……あ、いえ馬鹿にしたわけではないんですよ? ただ、坊っちゃんの歳で魅惑チャームの術か幻覚イリュージョンの術を操る魔術師を私は知らないんですよ」


「ん? 僕は何もしてないよ? ただお願いしただけなん――」


「――こりゃまた!? ……坊っちゃん、嘘は良くねェ。あの・・女王陛下ですぜ? 去年なんかふら~っと外に出てったら竜の骸を担いで帰って来たあの女王陛――」


「――折角シンちゃんに命を拾って貰ったのにやっぱり雑草が良いのかしら? 余計な事は喋らないでくれる? 私の壮大な計画に傷が付いたら先ずは、ここの店を中心に半径100グラーブを消し飛ばすからね? 分かった?」


 一度拾った命を無駄にするほど店主も馬鹿じゃない。口を一文字にすると壊れた玩具オモチャの様に首を縦に振る。だが、最後に一つだけ、とお願いする。

 ティターニアは眉間にしわを寄せながら、仕方ないわね早くしなさい、と店主を促す。


「へぇ、あの、坊っちゃんのお名前と、差し支えが無ければ陛下との関係を御教え願えますか」


「僕の名前? 僕はね、姫上ひめかみ心也。年長さんだから6歳だよ!」


「へぇ、坊っちゃんまだ6歳なのか。しっかりしてんだねェ。で、陛下とはどんな関係で?」


 心也がお姉ちゃんだよ!、と口走る前に、待ってましたとばかりにティターニアが割り込む。


「オホン……、ここに在らせられるのは、私の花婿オベロン候補。即ち、この国の王となるお方よッ!!」


 瞬間、空気が凍りついた。心也は事の重大さ、及びティターニアが何を口走ったか分かっていないためにキョロキョロと店主とティターニアを交互に見ている。

 だが、凍りついたのは空気だけではない。もちろん店主もだが、店主とのやり取りによって事の成り行きを見に来ていた野次馬も凍っていた。

 この世界に存在する氷を操る魔術師もここまでは出来ないだろう。

 そして、少しずつ自分のペースを取り戻してきた店主と野次馬が一斉に――。


『お、花婿オベロン候補ぉぉぉぉぉぉぉ!?』


 野次馬たちはざわざわと話だす、そしてその様子を只事じゃないと野次馬が増えては伝染する。恐らく今日一晩の内にこの城下で知らないものはいなくなるだろう。

 そんな中、心也は自分だけ取り残されてしまったのを感じると、ティターニアの方を向いて何があったのか、と聞くのだ。


「ティアお姉ちゃん、みんなはさっきからどうしたの? それに、おべろん候補ってなぁに?」


「ウフッ♪ 知りたい? オベロンって言うのはね、だいだい続く私の家系の旦那様の事を言うの。簡単に言うと……私のご・主・人・様♥ つ・ま・り。シンちゃんは、私のお婿さんに選ばれたのっ♪」


 未だに心也は首をかしげているが、一方のティターニアは頬をほんのりと朱に染めて、嬉し恥ずかしという様な感じで指をもじもじさせつつ腰をクネクネさせている。これではまるで、恋する乙女の様だ(実際そうなのだが)。

 納得いかない、理解できない、そんな表情を浮かべている心也に気が付くと、すりすりと頬ずりをしながらティターニアは述べる。


「良いのよ、シンちゃん。まだ分からなくても良いの。今は私の傍から離れないでくれれば」


「う~ん……。ねぇ、ティアお姉ちゃん。そろそろ次に行こうよ? リンゴ、じゃなかった、アングリーアップルは粉々だし、早くお母さん達を見つけなきゃ」


「もうっ。今言ったばかりなのにぃ……。あ、そう言えば。――おい、豚ッ!!」


 忘れ去られているだろうが『豚鼻』の店主に冷たく言い放つと、只事ではない雰囲気を感じ取った店主、及び野次馬が黙る。


「さっきの代金、100シグマ。返してくれない、客にあんなもの売りつけておいて金を取るなんて言わないわよね? それと、このアングリーアップルの出荷元を教えなさい」


 さっきまでのデレっとした表情ではなく今さっきまでの怒りを露わにした顔つきで店主に言い放つ。

 それを聞いた店主はもちろんティターニアから渡された銀貨を返すと、店の奥から帳簿の様な物を持ってきてペラペラとめくっていく。


「……え~と、え~と、あ、ありました。禁忌の森の先にある――」


「――ジオ平原、」


 店主は開いたページから出荷先を読みあげると、途中を遮るようにティターニアが口をはさむ。


「へぇ、確かにジオ平原産のアングリーアップルです。もしかして心当たりでも?」


「……分かったわ、ありがとう。とりあえず、今日の事は水に流してあげるからジオ平原あそこから物を輸入するのは金輪際やめときなさい。……でないと、今度は必ず雑草よ、良いわね」


「は、はいぃぃぃぃぃっ!!」


 店主の質問を気持ち良い位に無視すると再度店主へと忠告する。もちろん店主は雑草何かに変えられたいなんてこれっぽちも思ってはいないので、裏返った声と共に、びしっと敬礼する。

 それを見るとふんっと一息。ティターニアは懐から水晶で出来たようなコンパクトを取り出すとどこかと連絡を取り出す。携帯電話の様な物と言えば良いのだろうか。相手が出ると慣れた口調で相手の調子を伺う様な挨拶が始まった。恐らく仲は良いのだろう。ティターニアがニコニコと話してるを見れば尚更の事。そしていよいよ本題、となるとさっきの様な冷たい表情になり、アングリーアップルの出荷元――ジオ平原の位置を相手に伝えると物騒な事をちらほらと言って通信切った。そしてクルリと踵を返し、心也の方を向いて次の目的地へ行く為に手をとる。


「さぁ、シンちゃん。次に行きましょうか。つまらない事で時間食っちゃったし、今日は『東通りメインストリート』だけにしておきましょうか?」


「うん、なんか僕疲れたから少し休みたいな」


「じゃあ、ちょっと喫茶店にでも入りましょうか。甘い物食べて、それから次の所に行こうね」


「うん。あ、おじさんバイバイ」


 次の予定を考えながらお店を後にする。ティターニアの大暴れをずっと見て居ただけだが心労からか、少し疲れてしまった心也は休憩を入れてほしいとお願いしてみた。ティターニアは心也との疑似デートコースに喫茶店を追加する。やはり疲れた時は甘いものである。誰が言ったのかは知らないが激しく同感。

 お店から出てしばらくした所で通りを眺めながらちょうどよさそうなお店を見渡す。


「陛下、じゃなかった、お嬢さん~~!」


 お店を捜している時に後ろから声を掛けられる。誰かと振り向くティターニアと心也。

 そこにいたのは言うまでも無く先程の店主であった。

 ティターニアはあからさまに嫌そうな顔をしているが、代りに心也がどうしたのかと視線を向ける。はぁ、はぁ、と荒い息をしながら店主は懐を漁る。たぶんお店から走って来たんだろうな、と思考を巡らせていると目当ての物を見つけて心也達の眼前に晒す。

 ティターニアはまたばったもんを押しつける気じゃないか、と心也を庇うようにして前に出る。

 すると、店主は首を振って安全なものだと言うかのようにしながらそのものについて説明し始める。


「はぁ、はぁ、これは正真正銘、しっかりとした本物。そして数に限りがある上物でございます」


「それなぁに? 宝石?」


 店主の手の中に合ったのは一見すればルビーの様な赤い宝石。周りの装飾からブローチだとティターニアは言った。


「へぇ、その通りです。これは『悪鬼の瞳』と言う『魔術装具マジックアイテム』でございます。……この前ようやく入荷したばかりの上物でして、さっきのお詫びと言っちゃなんですけど……坊っちゃんにこれを貰ってほしいんです」


「『悪鬼の瞳』? 本物だったら護身用の『魔術装具マジックアイテム』の中じゃ『極上品レアクラス』じゃないの!」


「それ、僕にくれるの?」


「へぇ、さっきは本当にすまなかった。これ持ってるとさっきみたいに危なくなったら教えてくれる。だから、どうか大事にしてくだせぇ」


 心也は店主から悪鬼の瞳を外行き様のローブの懐に付けて貰うと嬉しそうに笑う。見て見て、とティターニアの方を向くが、一方の彼女は店主の本気に言葉が出ない様子。


「おじさんありがとぉ!!」


 ここに来て以来一番の笑みを浮かべながら店主に礼を言う心也に、店主はにっこり微笑んで会釈をする。


「坊っちゃん……いえ殿下が喜んでくれるならそれくらいどうってことないです。じゃあ、私目はこれで」


 というと店主は来た道を戻っていく。心也は手を振って見送っていた。


「……あの男、私もまだあんな風に笑ってもらってないのに……」


「ん? ティアお姉ちゃんどうかしたの?」


「はッ!? あ、いや、なんでもないわ。じゃあ行きましょうね」


「うん!」


 心也達は手を繋ぎながら次の目的地を目指して、また東通りを歩き始める。

 その時、心也の懐がほんのりと紅く光っていたのに二人は気づかなかった。

《幻獣界語録》

・シグマ【通貨の単位】

 幻獣界の通貨の単位。1シグマ=1円に相当する。


・グラーブ【長さや距離の単位】

 幻獣界の長さの単位。1グラーブ=1mに相当する。


・アングリーアップル【肉食林檎】

 肉食の珍しい(?)植物。見たまんまのでかいリンゴ。

 鋭い牙があり、木の上で動物を狙う。が、上からの奇襲には弱い。

 木は規格外にでかい為見分け易いが、ジャングル等では木を付けた方が良い。


・店主

 アングリーアップルを売っていた店の店主。

 思わぬ事故でティターニアの怒りを買ってしまった。

 が、心也のお陰で命拾いした割とラッキーガイ。

 豚鼻、ということで彼の種族はオーク族。

 心也に『悪鬼の瞳』を渡した、という事で心也の印象はすこぶる良い。


・魅惑の術【チャーム】

 標的を一定時間、術者の虜にする。本来は異性に使用するもの。

 魅惑の術に特化した種が使うと半永久に解けなかったりする。


・幻覚の術【イリュージョン】

 標的に幻覚をみせる。戦闘用でもあるため効果は高い。

 これも魅惑の術に並ぶ催眠魔法なので用法用量は正しく。


・花婿候補【オべロン】

 ティターニアの家系の男性の地位的なもの。いわばお婿さん。


・魔術道具【マジックアイテム】

 幻獣界の必需品。割といろんな所で使う現実世界にはないようなアイテム。

 文中では、魔術装具と表記したが、装備して使う物、使い捨て、

 設置型など種類があるため、装備型の『悪鬼の瞳』を魔術装具と表記した。

 詳しいことは次話以降にご期待下さい。


・悪鬼の瞳【装備型】

 古の悪鬼の瞳の色によく似た魔宝石をブローチにした魔術装具。

 所持者が衣服に装備している時に効果現れる。

 【効果】

 使用者に対する邪なものや負の感情を抱くものが近づくと紅く光る。

 感情が強ければ強い程強く光る。


はい、こんな感じです。これからたびたび書いていきたいと思います。

質問があれば随時受け付けておりますので感想欄にもお越しください。


さて、フラグは設置しましたし、眠いから寝たいのですがもう一息。

長かった、本当に長かった。

知り合いの作者様はこれが普通とか……。

獅子乃は慣れるまでここら辺だと思います……。

7000か、頑張ったな俺。

テストも今日で終わったし、さて執筆執筆!

と意気込んでいた3時間前。

眠りたい。ひたすらに眠りたい……。


あ、そう言えば。

皆さまのお陰でアクセス数は順調に伸びています。

本当にありがとうございます。

お気に入りに登録にしてくれている方はもっとありがとうございます。

できれば、感想欄にもきてほしいな……。

あ、いえ、なんでもないです(汗)


今回のお話は主人公がほぼノータッチでしたが楽しんで頂けましたか?

そうですね、まだまだですね。描写がムズいです、はい……(涙)


さぁ、じゃあちょっくら永眠してきます。

感想、脱字の報告、愛の鞭、愛の鉄拳、愛の竜巻○風脚。

全部全部ひっくるめて、おまちしてま~~~~~す!!

では、次回の更新でお会いしましょ~~~~~~!!!

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