表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

新たな目標、ダンジョン最深部へ

岩巨人討伐の成功は、レオとプルンの名声をさらに高めた。街の冒険者ギルドには、彼らの活躍を称える声が溢れ、より高難易度の依頼が次々と舞い込むようになった。レオとプルンは着実に経験を積み、その力は目に見えて成長していった。

ある日、レオはギルドの掲示板の前で、珍しい会話を耳にした。それは、かつてアレンが挑んだという「深淵の迷宮アビスラビリンス」、通称・最深ダンジョンの噂話だった。

「聞いたか? また冒険者パーティが深淵の迷宮に挑んだらしいぞ」

「ああ、確か『銀翼の騎士団』とかいう、そこそこ名の知れた連中だったな」

「無事に戻ってくればいいが……あのダンジョンは、未だに最深部に到達した者がいないという、伝説の場所だからな」

「アレン様ですら、途中で引き返したという……一体、どんな魔物が潜んでいるのやら……」

レオは彼らの会話に聞き耳を立てていた。深淵の迷宮……それは、レオが幼い頃から憧れていた場所だった。アレンの冒険譚の中で語られる、底知れぬ深さと、想像を絶する危険に満ちた迷宮。いつか自分も、あの場所に挑んでみたい。そう強く願っていた。

(アレンさんは、一体どんな思いで、あのダンジョンに挑んだんだろう……)

レオはアレンの姿を思い描いた。強大な魔物と対峙し、未知の領域に足を踏み入れる勇気。それは、レオが今まさに追い求めているものだった。

その時、プルンがレオの足元でぴょんと跳ねた。プルンもレオの決意を感じ取ったのだろう。その瞳は、期待に満ちて輝いていた。

「プルン……僕たちも、あのダンジョンに挑んでみようか」

レオがそう呟くと、プルンは力強く頷いた。その瞬間、レオの心には、確固たる目標が生まれた。深淵の迷宮の最深部へ到達する。それは、アレンの足跡を追い、己の力を証明するための、壮大な挑戦だった。

レオはギルドの受付に向かい、深淵の迷宮に関する情報を集め始めた。しかし、そのダンジョンに関する情報は極めて少なかった。過去に挑戦した冒険者たちの記録は残されているものの、いずれも途中階層で引き返しており、最深部に関する情報は皆無に等しかった。

「深淵の迷宮は、非常に危険なダンジョンとして知られています。階層が深くなるにつれて、出現する魔物のレベルも格段に上がり、生きて帰還できる者はほとんどいません」

受付の女性は、レオに注意を促した。

「それでも……僕は挑戦したいんです」

レオは強い意志を持って答えた。受付の女性は少し驚いた表情を見せたが、レオの決意の固さを感じ取り、それ以上は何も言わなかった。

レオはギルドの図書室で、深淵の迷宮に関する僅かな資料を読み漁った。古文書や冒険日誌の中に、断片的な情報が散りばめられていたが、どれも曖昧で、確かな情報は得られなかった。

(情報が少なすぎる……でも、だからこそ、挑戦する価値があるんだ)

レオはそう心に決め、深淵の迷宮への挑戦に向けて、準備を始めることにした。それは、レオとプルンにとって、これまでで最も困難で、最も壮大な冒険の始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ