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決死の覚悟

レオは魔法薬の瓶の栓を抜き、プルンに飲ませた。プルンの体が激しく脈動し、体表の模様が今まで見たことのないほど複雑に変化していく。周囲の空気が熱気を帯び、空間が歪むほど強大なエネルギーが放出されているのがわかった。

「グルルル……!」

巨大な芋虫は、異様な雰囲気を纏ったプルンを警戒し、動きを止めた。

「プルン! 全てを出し切れ! 融合進化最大出力!」

レオの叫びに応え、プルンは体内のエネルギーを最大限に解放した。炎、水、土の力が激しく渦巻き、巨大なエネルギーの塊となって巨大な芋虫に放たれた。

轟音と共に巨大な爆発が起こり、周囲の地面が大きく揺れた。巨大な芋虫は爆発に巻き込まれ、悲鳴を上げる間もなく消滅した。

爆発の余波で、レオも吹き飛ばされそうになったが、なんとかプルンを抱きしめて耐えた。

爆発が収まると、そこには巨大なクレーターができていた。巨大な芋虫の姿は跡形もなく、残っているのは大量の粘液だけだった。

「はぁ……はぁ……やった……倒した……」

レオは息を切らしながら、地面に膝をついた。プルンも力を使い果たし、元のフレイムスライムに戻っていた。体は小さくなり、普段よりも弱々しく見える。

「プルン……大丈夫か?」

レオが心配そうにプルンに問いかけると、プルンは弱々しく跳ねた。

魔法薬の効果は絶大だったが、その反動も大きかった。プルンはしばらくの間、力を十分に発揮できないだろう。

レオはプルンを優しく抱き上げ、リュックにそっとしまった。

「少し休もう、プルン。よく頑張った」

レオは周囲を見渡した。爆発でできたクレーターの奥には、新たな通路が開けている。

「行こう、プルン。まだ先がある」

レオは再び歩き出した。体は疲れ果てていたが、その目は強い光を帯びていた。深淵の迷宮の最深部へ。その目標は、より一層強いものになっていた。

その後も、レオとプルンは幾多の困難を乗り越えていった。魔法薬の反動で弱ったプルンを庇いながら、レオは慎重に進んでいった。

途中、他の冒険者たちの残した痕跡を見つけることもあった。彼らがどのような戦いを繰り広げ、どのような思いでこの迷宮に挑んだのか。レオは彼らの残した痕跡から、様々なことを感じ取った。

そして、ついに、レオとプルンは、深淵の迷宮の最深部にたどり着いた。

そこは、これまで通ってきたどの場所とも違う、異質な空間だった。

巨大な空間には、無数のクリスタルが輝き、幻想的な光景を作り出していた。空間の中心には、巨大な祭壇があり、その上には、不思議な力を秘めた宝玉が置かれていた。

「ここが……最深部……」

レオは息を呑んだ。ついに、たどり着いたのだ。

その時、空間に響き渡る声が聞こえた。

「よくぞ、ここまでたどり着いた……」

声の主は姿を現さない

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