#8 テスト週間
みなさんこんにちは!アオです!
それでは「ゲーム廃人から始まる恋物語」をどうぞ!
遊び倒した休日がもはや懐かしいと感じる週明けの月曜日。
俺はかなり重い体を起こしながらリビングへ向かう。
そして母さんとあいさつを交わす。本当に何気ない日常だ。
しかし今日からテスト週間が始まる。そのせいでゲームの時間が減る。
うちの高校は、1学年180人程度の生徒数で偏差値はそこまで高くない。
底辺高校とまでは言わないが、可もなく不可もなしというとこだ。
朝の身支度を済ませていつものルーティンである公式のSNSのチェック。
いつもの登校の時間になり家を出る。テスト週間に入ったということもあり
朝早くから登校する人が前よりも少し多く感じる。
近くの陽キャ集団の会話が耳に入る。「テストだり~」とそれに
同意する声が聞こえる。陰キャの俺はそのことを気にせず速足で学校へ向かう。
学校に着くと、そのままテキストを開く。さすがに少し勉強をしないとまずい。
そうは言ったもののやる気力が起きない。そんな感じでグダグダしていると
放送を知らせるチャイムがなった。テキストに目を落としながら耳を傾ける。
放送「生徒会からの連絡です。今日からテスト週間が始まります。
それに伴って放課後の図書室を解放します!」
毎回テスト週間の一日目はこうやって生徒会から図書室の解放の宣言がされる。
テスト週間でも俺は関係なく家に直行........なんてことはなく図書室で勉強。
さすがに母さんから注意をされてしまう。と言ってもこの前のテストでは
学年140位でまあまあ頭が悪い。どれだけ頑張ったところでカンスト
というものが在しているから仕方ない。
周りを見ると他の友達と談笑している人の姿が見える。
俺はなんとなく居心地が悪くなりそのまま席を立ちあがり教室を出る。
毎回こうやって学校内を回ることが多い。別に友達がいなくて寂しいとか
そういう気持ちではないが本当になんとなく居心地が悪い。ただそれだけ。
だからこそ早く帰ってゲームをしたいのだが。
俺が適当に校内をぶらついていると前から集団が歩いてくるのが見えた。
その集団はさっき放送していた生徒会の集団だった。
先頭に会長と副会長が並んであるいていてその後ろに会計や書記の人が
歩いていた。まさに学校の頂点といった感じで輝いてみえた。
もちろん俺とは全くの無縁の世界の話だ。
すれ違ったとき、生徒会に所属している天田紀さんと目が合った気がした。
天田紀さんは同じクラスでかなり美人だ。そのおかげで告白は日常茶飯事
だとかそうでないだとか。まあいずれにせよ俺にとっては高嶺の花だ。
目が合ったような気がしただけだ。きっとそうだ。
俺は勘違いだと自分に言い聞かせるようにしてそのまま校内をぶらついた。
といっても上級生の教室のところに行くことはできない俺はそのまま音楽室
などのところに行った。俺は時間になりそうだと思い教室へ戻る。
そういえばあまいろさんも今日からテスト週間と言っていたな。
なんだか妙に親近感がわいたがそれでもただのゲーム内の人だ。
いざオフ会となって会ってみると俺は絶対に引っ込み思案だろう。
まあオフ会なんて俺から提案することは少なからずないだろう。
そんなことを思いながら俺はいつも通り授業を受けた。
放課後、俺は気が進まないまま図書室へ向かう。周りを見ると同じように
図書室へ向かう生徒がいる。入るとすでに何人かの人たちがテキストを
広げて勉強をしていた。ほぼ無音に近い空間。ここまで人がいるとは思えない。
俺はそのまま静かにテキストを広げる。みんなとはわざと離れてた席へ着く。
数分後、俺の左右の席にも人が座る。そして正面にも人が座る。
俺はふと前を見ると、そこには今朝すれ違った天田紀さんがいた。
彼女は目線をテキストに落としてしっかりと集中していた。
その横顔は誰が見てもモテるような顔だった。彼女が俺の視線に気が付いたのか
そのとたん俺はバッと下を向いた。そして「ガツンッ」という音とともに
俺は頭をぶつけた。静かだった図書室にその音は響いた。
両隣、遠くの人そして正面の天田紀さん全員の視線がこちらに集中する。
俺は顔を真っ赤にしながらテキストを適当に頑張って見ようとした。
しかし周りからの視線がとても痛すぎる。頑張って顔を隠しながら
みんなの視線が収まるのを待つ。数分経ったか俺にはその時間がめちゃくちゃ長く
感じた。まるで何もなかったようにみんなは自分のことに集中していた。
俺はホッとしていきを着く。その目の前には天田紀さんが笑っていた。
あれ?笑う要素なんてあったけ?なんて思っていた。
ずっとクスクスと笑っていた様子からさっきのことだろうと思った。
それを悟った瞬間俺はまた顔を真っ赤にした。これ以上ここにいるのは
気まずくて俺はそそくさとテキストをかばんの中へとしまい
図書室を後にする。陰キャの俺にとってあの出来事はとても苦だ。
まあ仕方ないと割り切りながら早く帰ってログインしようと
誰もいない帰路が夕陽を照らしながら俺は家の玄関を開けた。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!