第5話
船が出て二日目、馬鹿猫さんは俺の服の中に潜り込んでほぼ出て来ない…船酔いしてゲロ吐いた時さえ俺の服の中にしがみついていたっけ(もちろんゲロまみれにされたので後で殴りましたが何か?)
他の使者達は俺とは距離置いてるし、ぶっちゃけ暇だ
やる事ねーかなと考えてたら大事な事を思い出した
それは「魔法」と呼ばれる物の事
青龍領では普通の人間は「身体強化系」しか使えない…何故か「放出系魔法」が封印された状態になっているから
他の大陸から来た魔導士が青龍領では魔法が使えずよくあるお話だったり
ただしある程度高い魔力を持った存在は威力が制限されるが使う事は可能では在る
猫人族の上位種「猫又」はその代表的な存在である…(懐の糞猫も「猫又」なので、まぁ魔法が使える)
そして、生まれつき魔力の高い人間も…まぁ俺の事ですけど、それでも風を起こして少し空飛ぶとか火種起こすのが精一杯だったり
青龍領から離れた事で放出系魔法の封印制限が解けたっぽいので少し海に向かって魔法を使ってみる
「凍れ…」
お玉婆さんから教わった初級魔法「氷結弾」が放出される
…
……
………
その結果は俺が想像していた様な、拳台の氷が海面にぶつかり周囲十センチ程を凍らせると言う物では無く…
一メートルの氷塊が半径百メートルを凍らせ船の運航に支障をきたす状態だった…
危うく船が沈む所だった為…勿論、船員や使者達にお説教されて、三日間の甲板掃除も命じられました
…わかんなかったんだもん!俺は悪くねぇ青龍領の封印が悪いんだ(泣)…orz




