63話 奴の名は?
徹のいつものオッパイワールド程度では済まない残虐な性描写が含まれるお話になりますので苦手な方は徹が2人で行動した辺りで読むのを止めるのをお勧めします。そこであった事は次話の前書きに簡単に書いておきますのでそちらで補完してください。
では、63話になります。よろしくお願いします。
ハイ、みんなの徹ちゃんです!
こんなテンションでお届けするのって超久しぶりだと思う。アローラに来た頃はよくあったこのノリ、イノちゃんに追われてる時、ルナが神託を聞いて貰えないのではなく聞かれてなかったと知った時、魔法の特訓で徹夜明けなどでやってたと思う。共通する事ってなんだと思う?そう、その通り、追い詰められてる時なんですよ!
今回も例に漏れず追い詰められている最中でして・・・
「ヒーン、ごめんなの!」
女神の泣き叫びながらの詫びが左右が狭い空間で響き渡る。
「お前が先頭なんだから絶対こけるなよ?お前がこけたら後ろの奴らも全滅だからな!」
足を止める事ができない下ってるというより落ちてる傾斜に耐えながら声を張り上げて鼓舞する。
「兄様、もうなるようにしかなりませんから後は天に任せて受け入れる準備をしましょう」
洞窟に入る前に姫の格好から出会った時の冒険者風の格好になっているティティはマントを尻に引いて、草原で段ボールで滑って遊んでる人のような感じで満喫している。達観してるというか開き直りが凄い我が妹である。
美紅はハーフプレートといえど、重量物なうえにバスターソードタイプの剣に盾まで持っている。いくら美紅が規格外だと言ってもバランスを取って走り続けるだけで一杯一杯のようで先程から一切喋ってない。
ビキニアーマーを着たミザリーは美紅ほど重いモノは着てないが大きな果実がどうやらバランスを崩す要因になったようで目を回しながら転がり落ちている。転がる様を見るとオッパイが潰れたり跳ねたりする姿に全神経が集中してしまいそうになる誘惑と俺は戦い続けている。でもちょっとは見てるし、どうせ転ぶならミザリーと揉みくちゃになって落ちようと決めている。あの胸に挟まれて逝けるなら本望である。
「だから、あれ程、おとなしく見てろと言ったのに!」
「謝ってるのにグチグチ煩いの!黙って走る!」
ルナがやらかしそうな気がしたから作業から外したのに予想を外さないこの女神はやらかした。俺達が洞窟に入って体感時間で1時間ぐらい経った頃に行き当たった部屋での話に遡る。
レッサードラゴンを俺が心臓一突きにし、美紅が首を跳ねるとルナはその後方にいたピクシーをエアーブレットで狙撃して戦闘を終わらせるとレッサードラゴンの素材だけ回収して先にある部屋へと入っていった。
中に入ると行き止まりでそこが最後の部屋のようだ。ここに来るまでの道では先に行ける場所どころか脇道すらなかったので、おそらく何かがここにあると思われる。よくよく考えると俺達は単純な戦いとなれば、かなりの戦力を有しているが、それ以外の事はさっぱり無力なところがあると今更ながらヒシヒシと感じさせられた。
それを今更騒いだところでどうにもならない問題な為、俺のカンと美紅の慎重さに賭けて、手探りで調べようと思う。なんとなく意地悪な仕掛けがありそうな気がするためだ。ティティも慎重さでは信用しても良さそうではあるのだが、何かあった時の身の安全確保する力に不安を感じる為に除外。まあ王女に何かあるとあの親馬鹿王が何してくるか分からんというのが実のところの一番の理由かもしれない。ミザリーはこういう細かい仕事は苦手そうでイラっちな感じがするから適正なしである。
さて、分かっている。最後のルナ先生だが、もう危険な匂いしか醸し出してない。今までの実績を思い出すとこういう事させるときっとエライ目に合わせられるとカンではなく経験則が俺に教えてくれていた。
「・・・ルナ、何も触るなよ?寝ててもいいから何もするなよ?」
「酷いの、私もしっかりできるの!」
ルナは廻りに同意を求める為に視線を走らせるが俺以外のメンバーに片っ端から視線を反らされる。それに驚愕したルナは、項垂れて両手を地面に着けてる。
「うう・・・みんなして私を苛めるの・・・」
半泣きのルナの前で片膝着いて肩に触れて俺は言う。
「これが現実だ。受け入れるんだよ?」
慰めるどころかトドメを入れにいった。
半泣きから本泣きに移行するのを予想できなかった者はこの場にはいなかった。ルナのシクシクと鼻を啜る音が響くかと思われたが予兆だけで終わり、目の端に涙を溜めた状態でキョトンとした顔して俺を見てくる。
「ねぇ、徹。こんな所に小さい色の付いた出っ張りがあるんだけど?」
ルナが指差す指がその出っ張りに近づいて行くのを見ていた、みんなの顔が、あっ!という顔になる。そんなお約束がこんなコンボのように起こる状況にフリーズしていた俺も解凍される。
「あっ、馬鹿!待て!!」
慌てて、ルナの手を掴もうとするが既に指はヘコミを押している。振り返るルナの頬に赤い渦巻きの幻覚が見えるような顔をして俺を見る。
「なんか、カチっていったの・・・」
テヘペロって言いそうな顔で俺に報告する。頬に垂れる汗で自分がやらかした事を理解したようだ。
「全員!退避!!」
ルナに反応せずに俺が叫ぶが時は既に遅しで、足元が融けるように消える。
そして、俺達は降りていった・・・って言えば聞こえがいいが落下を余儀なくされた。
最初の出だしに戻る。
「これってどこまで続いているんだ!もうだいぶ走ってると思うんだが!」
俺が愚痴ると美紅がこっちをチラっと見ると首を振る。きっと想像付きませんと言いたいのだろう。
特に美紅とミザリーがこの状況が長くなると危険になる。美紅は相当、スタミナ削られらてるだろうし、ミザリーはあれだけ回されてると障害とか起こしそうであるし、あのまま、高いとこから落ちたら受け身など不可能なのは想像するまでもない。
「徹、分かれ道があるの!」
ルナの言葉が聞こえてくる。確かに2つに分かれている。
「右の広い方に行くぞ!」
根拠はないがそっちを選択した。迷ってみんなバラバラになるのは馬鹿馬鹿しい。
そう思って、みんなはそっちに移動を開始する。意識を失ってるミザリーは移動できないので俺が両手を使って果実を押すようにして進路を調節する。たまたま、そこが触り易かっただけである。指が沈みこんだ時、俺の世界が広がる感覚に襲われたというのは自分の中に秘めておこう。
「徹!こんな時にドサクサに紛れて何をしてるの!!」
目敏く見ていたルナが俺の行動に文句を入れてくる。ティティもジト目で俺を見ている。美紅もこちらを見ようと努力するが無理らしく、トオル君!何をやっているのですか!っと怒ってくる。
「あのままだとミザリーだけ逸れる恐れがあったから進路を調節しただけじゃないか?」
俺には大義名分がある、我に正義ありだ。
「明らかに肩のほうが触り易いのにあえて胸を触る意味はないかと思うのですが?兄様?」
俺の前を滑るティティは振り返りながら言ってくる。目がゴミと言ってるような気がするのは気のせいと信じたい。
振り返った事による為かは分からないがティティの進路が大幅に変わる。細い通路のほうに流れて行く。
進路が変わってしまった事によりティティと分かれてしまう。
「ルナ、ミザリーは頼んだぞ!」
俺はそう言うと返事も聞かずに生活魔法の風を使い、元来た道を戻り、ティティが流れていった道へと飛び込んだ。
全力疾走してティティを追いかけると背中が見えてくる。俺はティティ!と叫ぶ声に反応すると涙目のティティが兄様と返事を返してくる。
ティティの隣に追い付く。
「おう、ちょっとぶり!」
緊張を解すナイスギャグのつもりで言ってみるがティティは顔をクシャっとするような年相応の泣き顔を俺に見せる。抱きしめてやりたいがこの状況では無理なので頭を撫でる。
「大丈夫、兄ちゃんが一緒だ。みんなとまた会えるから泣くなよ」
ティティは泣きやむが、俺を見る目がこの馬鹿は微妙に分かってないよって言ってるような気がするが違うと信じたい。今の俺の行動は兄として満点だったと思うんだが・・・
そんなやりとりをしつつ走っていると出口らしき所が見えてくる。
「もうすぐ飛び出すが俺が無事に降ろしてやるから、慌てずに任せろ!」
「はい、兄様を信じております」
我が妹は大変可愛らしい顔をして俺に笑顔をくれる。ここで期待に応えられない奴は兄は名乗れない。
そして、俺達は広い空間に勢いのまま、飛び出す。飛び出す間際にティティをこれが本当のお姫様抱っこする。生活魔法の風を利用して足場を作り飛び跳ねるようにして降りていく。
無事に降りるとティティを降ろして、辺りを見渡すと、降りてくる時には余裕がなかったせいか気付かなかったが、か細い女の悲鳴が聞こえる。
そちらに目を向けると裸体の女のエルフにムチを入れて狂喜している男の姿が見える。ピッタリと体の線が出る真っ青なライダースーツのようなモノをきた男がいた。男の廻りには性的暴行を受けたとはっきり分かるエルフの女性が更に傷つけられた姿で倒れている。涙を流しながら痙攣してる姿からかろうじて生きているのが分かる。
「ティティ、見るんじゃない」
いくら早熟なティティとはいえ、見るにはショッキングな内容である。
そんな俺達のやりとりに気付いたのかムチ打つ手を止めて振り返るそいつの顔を見て、俺は確信に近い者を感じる。
長髪の黒髪に均整のとれた体、年頃はまだ20歳にもなってなさそうな若い作りの良い顔してるのにそのニヤけた顔ですら年を経た凄味が感じられる。どことなく懐かしい感じがする顔を見る。初めて後ろ姿を見た時から感じていた事ではある。
「誰だ、おめぇは?あっははは、あ、こんな所でご同郷の奴に会えるとは思ってなかったぞ!お前、異世界人だろ?」
特に威圧されている訳ではないのに押されていると分かる。もっとはっきり言おう。俺はコイツに恐怖している。
「お前は2代目勇者か?」
俺がそう言うと獰猛で危険な香りしかしない笑みを見せて一歩、前に出る。
たったそれだけで首を斬られたような錯覚を受けて全身から汗が噴き出す。
こんな化け物に俺はどう立ち回ればいいのかと思考が停止しそうになった。
感想などありましたらよろしくお願いします。




