幕間 世界と世界の狭間で
幕間はもう1本あります。それが更新した後に10章が始まるのでよろしくお願いします。
切実に綺麗に今年中には終わらせたいと思ってますので頑張れる時は更新頑張る気です。
「とりあえず、貴方達は、私の前に並びなさい」
眉間に皺を寄せているが少女としての美しさは損なっていない顔にある目を閉じながら、目の前にいるヨルズと同じような格好、1人だけ攻めた着物の着方をしている者もいるが、それぞれ、どこに出しても称賛されるのが当然といえる程の美女、美少女が3人に向かって、足元を指差して、ここに来いっとアピールするのはヨルズだった。
「えーと、どうかされましたか?」
「徹を見てるとこだったんだから邪魔しないで欲しいんだけど?」
「私もトオ・・・じゃなくてアローラの様子を見るので忙しいんだけどっ。用事なら手早くお願いね」
渋々、とりあえず来いと言われた所にはきたが明らかに、面倒だっというオーラを全開でヨルズを見つめる。
その様子にヨルズの額に血管が浮き上がったように見えた。
「私が貴方達を呼び出した理由は分かってますね?ミドリ、ノルン、・・・リル?」
「さぁ?分からないわぁ~」
ノルンが代表で答えながら、ミドリとリルに、ねぇ?っと同意を求めるがミドリは消極的に頷いたか頷いてないか分からない仕草をして、リルはヨルズの顔色を窺って、ビクっとさせて、明後日の方向を見つめる。
「何、アンタ達、この若作りババァに気遅れしてるの?孫も居る癖に、徹に色目使って頬を染めているような、アバ!あばばばばばぁぁ」
ヨルズは笑顔でノルンの顔を鷲掴みにすると持ち上げたと同時に放電が発生する。
ノルンはこんがりといい感じに焼かれ地面に降ろされて、膝を着く。
「何か言いましたか?ノルン」
「いえ!何も言ってませんっ」
ビシィっと音をさせるのではないかという敬礼をするとミドリの後ろに避難するとミドリを盾扱いにして強気に戻って言う。
「で、何の用?このババァ」
私を巻き込まないでっとノルンを必死に振り払おうとするミドリ。
その様子を見て、呆れたようで溜息を吐いて色々諦めたヨルズはこのままだと拉致があかないと思い、本題に入る事にした。
「もういいです。それよりも確認したい事があります。あの勇者召喚の場所で魔法陣を破壊されたら私達4人で登場する話だったと思うのですが・・・」
ジト目で見つめるヨルズの視線を嫌って各自、ヨルズのほうに顔を向けずに口を開く。
「それは申し訳ありません。眷属のほうから助けを求められまして、その処理にかかりきりでしたもので」
本当に間が悪いのですっとミドリがとても残念そうに言ってくる。
ノルンは髪を弄りながら、
「そうそう、私も知り合いの緊急の頼み事をしてたら気付いたら始まってたから途中で参加する意味もないと思って見てたのよ」
「わ、私は友達が・・・」
「貴方には友達などいないでしょう?」
ヨルズにバッサリと切って捨てられたリルは犬ぽい耳をシナっとさせて涙目になっていた。
ヨルズは特にミドリとノルンを念入りに睨みながら滑舌を意識して言い含めるようにして事実を突き付ける。
「調べは付いているのよ?貴方達にそんな用事がなかった事はねっ!徹の様子を見て、あの場に出るのを尻ごみしただけでしょ!」
ミドリはあれぇ?っとそうだったかしらっとシラを切って、ノルンは執念深いババァねっと舌打ちをし、リルは涙目で俯いていた。
「私もあの徹の前に立つのにどれほど心を痛めたか・・・」
「良かったじゃない。ババァが心痛めるような体験できるのも徹がいる間よ?次はいつになるやら」
この化粧も面の皮も厚いババァにダメージ与えられる存在が今後出てくると思えないわぁっと笑うノルンの顔を再び掴み、放電を浴びせながら、明らかに、血管が浮き上がらせているヨルズがノルンの目を覗き込むようにして言い聞かせるように言う。
「いいっ?徹から見れば、私達にたいした違いは感じないわよ?それより本当に大変なのは貴方ではなくてノルン?徹のお婆様?」
ノルンはヨルズの放電付きアイアンクローよりも堪えたようで、さめざめと泣いた。
一矢報いた事で溜飲が下がったようで満足そうに頷くと話を始める。
「正直、徹はもっと自分をこの世界へ呼んだ理由を聞いてくると思っていたわ」
確かに、徹は身近な存在を失ってそんな気分でなかったのは事実だろうが、それでもだと3人を見つめながら呟いた。
ヨルズの言葉を受けて、リルが不思議そうに聞く。
「どうして聞かないのがおかしいの?だってルナを失った徹は絶対にルナが願ったものを実現させる為に前に進む事しか考えないと思うんだけど?」
「そうね、徹は決して、裏切らない為に前に進むでしょう。だけど、少し歪に感じるのよねぇ・・・」
リルの考えには基本的には賛同するが、徹を見てて違和感が拭えないとノルンは眉間に皺を寄せながら、少しそれが気がかりなのっとミドリを見つめた。
ミドリはそれに頷き、顎に手を当てて考えながら話すように3人に自分の考えを伝える。
「徹はもしかしたら、ルナさんの願いを叶えたら、その後、自分がどうなろうが、いえ、その先を考えようとしてないのかもしれない」
「だから、帰り方も聞いてこなかった・・・か。それだと色々繋がるわね」
そんなやり方じゃ、先がないわよっとノルンは苛立ったように親指の爪を噛む。
ミドリもリルも、どうしたらっと呟き、悩む中、ヨルズが3人に微笑みながら口を開く。
「徹はきっと、それに気付いてくれる。徹は私達、女神達を魅了し、大半の男神を敵に廻さず、苦笑いさせる相手ですよ?きっと、期待に応えてくれます」
ヨルズの言葉に3人の表情に明るさが戻る。
それを見たヨルズは1つ頷くと話しかける。
「徹が事を成すと信じて、私達が出来る事はなんでしょうか?言わなくても分かってますね?分からなかったのなら徹がルナさんになんといったかもう一度考えなさい」
ヨルズの言葉にハッとした顔をした3人はお互い顔を見合わせると、1人、また1人とこの場を離れていき、最後に残ったヨルズが呟いた。
「さあ、私も久しぶりに本気になって動きましょう。愛しい徹が望んだ優しい想いを叶える為に」
好きな人に手料理を初めて振る舞う少女のような表情をしたヨルズもそこから姿を消した。
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