18話 ファーストコンタクト
悪ノリした自覚はしてます。反省はしております。
18話になります。よろしくお願いします。
早朝、太陽が山の影からおはようと現れるぐらいに俺達は山を登り始めた。
勇者が封印された場所はどこなのか俺は知らないんだが、ルナは迷うそぶりもなく歩き続ける。
「ルナ、迷いもなく歩いてるけど場所知ってるのか?」
「知らないの。勇者の存在は感じるからそこが封印の中心のはずだから大丈夫なの」
ふむ、道を知ってる訳で歩いてるのではないようだ。こうなると、きっと、お約束が待ってる予感がする。分かるだろ?そうアレである。
「絶壁があるんだけど、登る?」
あるよね~、道を知らずに歩けば道のないとこに出る事はあるし、障害物で前に進めない展開。
見上げると10メートルはあると思われる絶壁が目の前にあった。命綱なしのロッククライマーなんてやりたくはない。ルナの胸より起伏はあるのかもしれないが無理である。
そんな事を考えて見上げてたら、首が痛くなったのでコキっと首を傾げて骨を鳴らすと俺の耳元で風を切る音がしたと思ったら後ろからルナの拳が後ろから現れる。
「虫がいたの、そう、虫が」
なんか、僕を見る目が虫けらを見るような感じになってませんか?
さすがにアレよりって思われるのは許せないらしい。ってか待てよ、もうここまできたら読心術のレベルじゃないですか?人を超越・・・あ、神でしたね、よく忘れてしまいますが神だった。
戦慄を感じる俺はルナを見つめると、ニヤリと一瞬笑った気がする。俺の幻覚なのだろうか。読めるのか、ルナ!!
そんなやりとりがあったとかなかったとかで当然の如く、回り道して絶壁の上を目指して歩きだした。
壁の上に近づくとルナは壁のほうに行かず、壁を背にして歩き出す。壁の上が目的地ではなかったようだ。
しばらくまた歩くと今度は川にぶつかり渡れず、立ち往生する。川幅は広く、深さ自体はそれほどでもないようだが、流れが速い。
「うーん、橋とまで言わないけど渡れそうなとこないの」
周りを見渡すが渡れそうな所がない。近くに滝があるぐらいしか見当たらない。
「空飛べたらいいのに」
と俺は呟く。
そして、俺は閃いた。俺は身体強化が魔力でできるようになった。魔力が気と考えれば空を舞う術が使える条件が揃ってきてるのではないだろうか。
トンビが鷹を産んだような女の子に教えてた内容を思い出すんだ俺。
体に魔力を1点集めるんだ。おお、俺の掌に小さい光が見える・・・気がした。さあ、飛ぶためには・・・
「徹、滝の裏から向こうに渡れるの」
俺の空を舞う機会は見送られた瞬間であった。
滝の裏が通れるという事に気付いた俺達は川の向こう岸に辿りつく事に成功する。
太陽が真上に来る頃にルナが立ち止まる。
あ、お昼だって騒ぐ気かなって思って見つめるがルナはある一点を見つめて動かない。見つめている先を見ると木々の間に大きく拓けた場所があり、その中央付近に大きな岩が鎮座していた。
「あの中心にある岩が勇者のいる場所」
呟くようにルナは言う。
あの中って言うが大きい岩だとは思うが精々、腰の高さぐらいで胴周りが1メートル超えるぐらいしかない。仮にいたしても胎児のように膝を抱えてやっとではないだろうか?
「あの岩の中に人が入るのはちょっち無理ないか?」
「見たままのものじゃないの。私より前に出て岩に近づこうとしてみて」
言われるがまま、行こうとすると見えない壁に顔からぶつかる。壁の向こうから俺の顔を見られたら100年の恋も冷める勢いだっただろう。誰かに見られたら俺は引き籠る事になったかもしれない。
「結界なの。結界を越えると異空間に入って、そこには封印された魔神の3つに別れた存在がいるの。その魔神を倒してしまわないと勇者の封印を解く事は敵わないの。何故なら、勇者が魔神を縛る楔になると同時に魔神が勇者を縛る楔になっているからなの」
正直、俺は魔神の存在はスルーして勇者と脱出って手を現地で考えようと思ってたが、どうやら見越しが甘かったようである。
「このまま、私に着いてきたら魔神との戦いは避けれないけど、どうする、徹?」
置き去りにされる子供のような顔して泣きそうになりながら聞いてくるなよ。俺の答えはそんな情けない顔しなくても変わらないから。
俺はカバンから果物を出す。これはオヤツに含まれないやつなのに下手なオヤツより美味くて栄養満点なんだぜ?
皮を剥いて、ルナに差し出す。
「齧れよ」
少し、戸惑ったようだが先っちょをルナの小さい口で齧った。
「美味いか?」
うん、頷くルナを見て笑うと俺も齧って残りを皮を被せてカバンにしまう。
そんな行動をする俺を不思議そうに見てるルナに再び笑いかけて
「残りは帰ってから一緒に食べようぜ、サクっと魔神を転がしに行こうぜ」
一瞬、呆けた顔したルナだったが言葉の意味が浸透してきたのか、嬉しそうに笑いながら、俺の手を取り
「サクっと転がしてくるの」
そして2人顔を見合わせて笑い合った。
「じゃ、結界に穴を開けるの」
俺は黙って頷く。
聞いた事ない言葉を紡ぎ始めるルナ。恐らく、人間には理解できない類の神の言語といったものなのだろう。俺をアローラに行く扉を作った時と同じ光がルナを包む。いつもの抜けたルナの顔と同一人物か疑う神聖さを感じる。
しばらく、唄を歌うように詠唱を続けた後、結界とルナが触れてる部分が光ってくる。少しづつ光が強くなっていき、一気に爆発するように光に包まれる。思わず閉じた目を少しづつ開いていくと扉ぐらいの大きさの穴が何もないはずの空間に作られた。
その穴から見える景色は先程見えてた、岩がポツンとあった景色ではなく中央には光の柱が立ち昇る場所が遠目に見える。遠目という言い方で分かるかもしれないが、先程まで見えてた拓けた場所の大きさなんて嘘みたいに異空間の中は街ぐらいの大きさはあった。
ルナが穴を潜って中に入る、俺も釣られるようにして中に入ると田舎の村といった感じのものが光の柱がある方向にあるのに気付く。
「ルナ、魔神はどこにいるんだ?」
「なんと言ったらいいのかな?そこにいるとも言えるし遠くにいるとも言えるの。異空間が魔神そのものと言っていいの」
なんだと、つまり侵入した事はばれてると見て良さそうだ。しかし、異空間そのものが魔神だと、空気と戦う残念な人の仲間入りになってしまう上に勝ち目0であると思った事をルナに伝えると
「大丈夫なの、異空間の核となる存在が私達に認識できる形になって存在してるはずだから、それを倒せばこの異空間を潰せるの」
「となると、まずはその核である存在と出会うのが先決なのか。じゃ、捜そうぜ。」
ルナは首を横に振り
「捜す必要はないの。私達が勇者に近づけば嫌でも出てくるの」
お互いは楔だから揺るがされるとどっちに転ぶか分からないから、勇者に関わらせないようにしてくるそうだ。
とりあえず、光の柱を目指して歩く事にする。
周りを見渡してみるが、ここが異空間とは信じられないぐらい普通の場所に見える。先程、見つけた村のような場所が近づいてきた。
村に着くと家などはあるが人の気配がしない癖に妙に綺麗で生活臭がしない。
まあ、魔神の異空間だからな、誰もいないのだろう。こんな村が実際にあったら、神隠しが起きたって騒ぎになるな、丁度、神がいるから神隠しってあるの?って聞こうかと思ったが、実際に召喚された者からすればまさに神隠しにあったようなものである事に気付いて、聞く意味を失くした。
「まあ、分かってた事ではあるが、やっぱり形だけの村のようだな。逆に村人いたら怖かったが」
誰もいるはずのない村に住む住人達。なんかそんな映画あった気がする。
「徹、油断しないの。ここまでくるといつ現れてもおかしくないの」
珍しく、真面目な顔して注意されて俺は首を竦めた。
「とりあえず、もう少し、光の中心に向かってみようか?」
そういうと俺達は村を抜けるように足を進める。
後、少しで村を抜けるといった時、突然、俺達の目の前に現れる存在いた。
その気配を感じたのか、ルナ、臨戦態勢を既に取っていた。
しかし、俺は、目の前のものを見て、自分の目を疑う。
「徹、あれが魔神なの、油断しないで!」
「嘘だろ、あれが魔神なんて・・・」
未だに受け入れられない現実に打ちのめされる。
「小さいからって油断しちゃダメなの!!」
「そんなバカな、アレがこんな所にいるわけがないんだ!」
どうしたの!徹!と聞いてくるルナに答える事はできずに目の前の凝視しつつ、吐き出すように言葉にする。
「なんで、なんで、大王がここに・・・」
俺の目の前に現れたのは、水色の「ニ●ちゃん大王」にそっくりなモノが存在していた。
連日投稿になると思われます。
感想などありましたらよろしくお願いします。




