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高校デビューに失敗して異世界デビュー  作者: バイブルさん
2章 10年ぶりの再会
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17話 山へ

 17話です。よろしくお願いします。

 窓から差す、太陽に起こされるように俺は目覚めた。

 隣を見ると、スヤスヤ寝ているルナのマヌケ顔が視界に入る。


 いつもより早い時間に目を覚ました俺は窓の外を見ると市場の人が店を開ける為か荷物を持って向かう姿を見える。落ち着かず彼方此方に視線を走らせる自分に気付く。


「俺、緊張してるのか?」


 気付いたらルナがいた、あの真っ白な世界にいて、選択肢がないに等しい状態でアローラにやってきた。そしてイノちゃんに追われ、おっさんに会って、流されるままクラウドにやってきた。

 理由はどうあれ、俺は勇者に会うと決めて、冒険者として資金を稼いだ。死が隣に感じる事もあった、ゴブリンを初めて殺した時は人を殺したようにも感じた。ただ、目の前の事に必死になってやってただけだ。

 そして、下準備が済んで、今日、動き出そうとしている。選べるという今の状況に俺は不安に感じてるのだろうか。

 もしかするとルナはこれを感じとって昨日のようなセリフを言ってきたのかもしれない。

 今、俺は不安を感じてるかもしれない、しかし、ルナとアローラに来た事は別物だ。関係ないって言っても正直、ルナに届かない気がする。

 ルナに届く言葉が何がいいのか分からないまま寝てるルナを見つめ続けた。



 顔を洗って、部屋に戻ってくると扉の開け閉めの音で起きたのかムクリと起き上がるルナがいた。


「徹、ご飯」


 俺はお母さんかっと額を叩いて、おはようだろ?と言う俺はまさにお母さんだった。

 額をさすりながら不貞腐れたルナは裏庭に向かって歩き出した。

 ヤレヤレと溜息付きながらミランダに食事の用意をお願いにしに降りて行く事にした。



「いつ出発するの?」


 厨房から朝食を運んできたミランダは俺達に問いかける。


「飯食ったら、グルガンデ武具店に行って、そのまま、出発する予定だよ」


 ご飯に味噌汁に焼き魚のTHE和食の朝食がそこにあった。


 幸せ一杯のご飯もう一杯!おかわりをせがんで食事は終了した。


「じゃ、ルナ、行くか」


 食後の休憩も済ませて荷物を背負って立ち上がる。


「じゃあな、ミランダ!」


 俺がそういうとミランダが眉間に皺を寄せて、


「じゃあな、じゃないでしょ!帰ってくるんだから、いってきますでしょ?」


 プンプンと擬音、いや、口で言ってるな。


「いってきます。ミランダ」

「いってくるの。またね」


 そう言う俺達をみて二コリと笑って、


「いってらっしゃい。これをお昼に食べてね」


 用意してくれてたようで、俺達に弁当を渡してくれる。ルナははしゃいでミランダに抱きつく。数時間でお母さんの株を奪われたな。いや、どっちもオスだけど。


 そして、マッチョの集い亭を後にした。



 俺達は武具の引き渡しにグルガンデ武具店にやってきた。


「トールだけど、おっちゃんいる?」


 少し大きめの声で今回は1回だけでしばらく待ってみる。


「お、小僧か、できてるぞ。ちょっと待ってろ」


 本当に聞こえてるようだ。ただ返事しないだけ、接客スキル0だね。

 ルナと二人で手持無沙汰になりつつも待ってると、おっちゃんが出てきた。


「一応、着けて違和感あったらすぐに言え」


 言われるがまま、履いてみる。昨日よりフィット感があるのに何故か、余裕も感じる。軽く跳んでみるが着地の際の衝撃も少なく、滑る感じもない。

 ショートソードも持ってみるが握りが昨日より安定してて握り易い。軽く振ってみる。刃合わせもうまくできそうだ。

 ルナを見ると俺と同じように跳ねたり、蹴りをしてみたりしてるが良い感想を持ってそうだ。


「おっちゃん、文句付けるとこねぇよ!」

「私も何も問題ないの、えーと何さんだったかな?名前聞いてなかったの」


 そういえば、俺も聞いてなかったと思い出す。


「おっちゃんでいい。ケツに付いた殻が取れたら教えてやるわい」


 ニヤリと笑うおっちゃんの顔は悪い顔だった。

 絶対だぞ?って言いながら代金の銀貨5枚をおっちゃんに払う。


「その靴を履いたからといって山を舐めるなよ」

「おう、また来るよ、おっちゃん、またな」


 ルナはおっちゃんに手を振りながら俺に連れられ店を出た。



 北門を目指して歩いた俺達は北門を抜けて、勇者がいる封印の地がある山を見つめて


「さて、行くとするか。ルナ」


 頷くルナと俺は歩き出す。

 北門の人に聞いた話だと山までは歩いて夕方には麓に着けるらしい。

 麓についたらそこで休んで次の日に登るのが良さそうだな。


 しばらく歩き続けて、山へと向かう道に森を抜けないとダメで、そうするとやはり、モンスターなどと遭遇する。突撃ウサギ3匹、ゴブリン10匹に遭遇、撃退した。剥ぎ取りはウサギの肉だけで他は焼いてやってきた。少し惜しい気もしたが行きで無駄に荷物を増やすと大変である。


 森の中に入って2時間ぐらいした頃だろうか、後ろからルナが俺の服を引っ張る。


「今、何時なの?そろそろ、お昼じゃないのかな?」


 お昼の催促のようだ。しかし、はっきり言いたくはない乙女心といったところなんだろうか、遠回しにいいたいようだが、かなり下手である。


「ん~、そんなもんかな?」


 分かってはいたがちょっと意地悪することにした。


「お昼だよ?お昼にする事って何だと思うの?」


 お昼寝?って答える俺をポカポカ殴るルナが面白くて、しばらくからかっていたい。

 森の切れ目から池なのか湖なのか分からないがそれが見えたのでそこについたらお昼にすることにしよう。それまではルナで遊ぶ時間である。



 池?湖?でミランダの弁当を食べた俺達は満足そうに座ってるルナを立ち上がらせて再び山へと歩き出した。


「依頼で来る事がなさそうな場所だな、薬草採取ぐらいしかくる意味ないかもしれん。森に入ったあたりであったゴブリンが最後でモンスターと遭遇も形跡も見つからないしな」

「それは勇者の封印の影響なの。この場所で活動できるモンスターはかなり強いの。だから、この辺のモンスターじゃ近寄る事もできないの」


 俺達は普通に近寄れるじゃないかっと聞くと負に属するものだけだから私達には影響がないと俺に説明した。

 まあ快適な森林浴だと思えば楽しめると思う事にした。


 テクテクと歩き続けて、夕日から夜へと向かう時間帯に俺達は山の麓についた。

 ルナはここに近づく毎に口数が減っていき、山を見つめる時間が増えた。何を考えてるのだろうと思い、どうした?と聞いても、何もと首を振るだけである。

 沢の近くで火を焚き、 夕食は昼に剥ぎ取ったウサギの肉を塩を振って焼いた簡単なものである。

 そう、上手に焼けましたって言って踊るために真剣に焼いた。

 今までで一番静かな食事になった。

 食事が済んだ俺達は魔よけの香を焚いて寝る事にする。獣やモンスターが嫌う匂いがして近寄らせなくするらしく、頑張って近寄ってくると異臭がして寝てる者が跳ね起きるという代物らしい。

 マントにを布団がわりにして寝る。



 意外とマントは寝心地が良く、睡魔に襲われながら、俺は考えてた。

 俺の身の振り方と勇者の事、そして、昨日のルナの事。どれ1つ答えらしい答えが出ないまま、ここまできてしまった。流されるまま来たツケが今、清算求められ始めているのかなと思いつつ眠りについた。

 連日投稿に間に合うと思われます。

 感想などありましたらよろしくお願いします。

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