幕間 亡国へのカウントダウン
本日は短めの幕間を2本上げる予定です。
2本目はキャラクター紹介の作成が済んだタイミングで上げますので少々お待ちください。
エコ帝国のある一室では男達がガン首を揃えて、頭を悩ましていた。
一脚だけある椅子に座る男、ジョーツは以前ならふんぞり返っていたが今はもう廻りの者と同じように頭を抱える。
頭を抱える宰相が叫ぶように言ってくる。
「財産、奴隷は抑えられ、妻や子供は私を捨てて逃げる始末。この際、妻や子供はいい、あいつ等は逃げても3カ国の追手がかかり、逃げ続けるか、捕まって、強制労働だ。何故、我々が強制労働をさせられるというのか!我らは国の礎、そして法を破った訳ではない!」
それはあくまでエコ帝国の自分達が都合のいい法であって、人としての当たり前という常識とは別物である事を無視してるのではなく、本当に理解していないのである。
廻りの者もそうだと声を上げて賛同していたが、王、ジョーツはさすがにそれは違うと理解はしていた。何も自分は強制労働ではなく、教会で隠遁させられると決まってるからマシだからという話ではなく、自分達に都合が良く、法を作っていた認識はあった。
他国や、国民から見れば、おかしく映るという事は分かり切っていた。
国が機能しなくなってきた隙をついて国民達もバックから逃げ出しているらしい。間違いがあって、元に戻ったら困ると思ってのことのようだ。
どうやら私の妻も、子供を連れて、国から脱出する術を必死に献策を募っていると報告を受けている。どこの嫁も見限るのが早い事だと冷めた気持ちで溜息を吐いた。
もう八方ふさがりだなっと諦めの気持ちに誘われかけた時、聞き覚えがある声がする。
「お困りのようですねぇ?」
「お前はいつぞやのっ!」
宰相が掴みかかるようにして、ローブを纏って顔が見えない老人の者に迫るがあっさりと身を昼がして避けられる。
血走った目で睨みつけて唾を飛ばして叫ぶ。
「お前が持ってきた手段なんぞを使ったせいで、今、我らは死より屈辱な目に会おうとしておるのだぞっ!」
何を責任転換しているのだと私は思うが、以前よりこの老人が気味が悪くて関わりを自分からはしたくなかったので静観する。
老人はクッククっと笑うと言ってくる。
「それは、言いがかりでございます。例えば、エルフ国でモンスターを操るオーブをお渡しした時も、壊滅するまで波状攻撃を止められないようにっとお伝えしたのにも関わらず、途中で疲弊するエルフ国を見て、楽しむ為に手を休めて、眺めていたら倒されただけではありませんか?それは今までの事でも、そちらの油断が全ての元凶でしょうに?」
確かに、この老人が言うようにこちらの失策だったと私も理解していた。
だが、どうやら、宰相を始め、他の者も納得できない事のようだ。
「自分の無能を棚に上げよってっ!」
血管を浮き上がらせて叫ぶ宰相を見て、お前がだろうがっと溜息を吐きそうになるが耐え、扱いやすいからといって、こいつ等を廻りに置いたのが私の失策だったなっと自嘲の笑みが漏れる。
私は宰相に落ち付けと手で制して、下がれっと言うと私にも何か言いかけるがギリギリ踏み止まったようで下がる。
どうやら、私の権威すら、こいつらにすら効かなくなってきてるようだと、吐息が漏れる。
「さて、進退窮まる我らを馬鹿にしに遊びに来た訳ではあるまい?」
「ええ、勿論でございます。私もそんな事をするほど暇ではありませんので」
クッククっと笑う老人を見て、正直関わるべきではないのではないかと思うがもう私には引き下がるべき場所がない。悪魔の手だと分かってても手を取るしかないっとこの時、思った。
「この状況を引っ繰り返す最後の手段をお持ちしました。1度しか使えない手ですが、充分なハッタリとして使えて、国民は勿論、3カ国すら黙らせる事ができ、以前の権威を取り戻す事ができる方法です」
「ほ、本当か?それはどんな方法なのだっ!」
その老人に群がるように集まる家臣達を見て、私は思う。1度しか使えない手で、次の事すら目に入らないこの国の家臣達を見て、終わりを感じていた。
その様子を見て、その手を使う事を止めたいと思うが、縋る術を手に入れたこいつらを諦めさせる事ができない私はこれが私がした選択の結果なのだろうと受け入れ、滅びへのラストカウントが始まる瞬間を眺めた。
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