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高校デビューに失敗して異世界デビュー  作者: バイブルさん
1章 こんにちは!アローラ
18/242

16話 出発準備完了!

 同日投稿2話目です。

 16話になります。よろしくお願いします。

 ギルドの搬入受入口の担当の兄ちゃんに、お疲れさんと笑いながら言われた俺はザックさんのとこに行く時は俺は付いて行かない事を誓ったのは言うまでもない。


 時間は少し早いがお昼時になってきたようで、ギルドの周りで冒険者をターゲットにした屋台がいい匂いを撒き散らしていた。

 分かりやすいぐらいソワソワしだしたルナを見て苦笑する事しかできない俺は頭を掻きながら


「ちょっと早いけど飯にするか?」

「それは名案なの!徹」


 今、思いつきましたっていう風に持っていきたいようだが、せめて屋台に釘付けになってる目をこっちに向けて話せや。

 何にする?と問いかけると、目をキラキラさせて屋台を見て回る。俺が知ってる限り、ルナには好き嫌いとか以前になんでも好きといったような食べ物の嗜好してるようにみえる。かろうじて若干甘いものが好きかなってぐらいの女の子らしいとこがあるぐらいだが食事となると制限はないようだ。


「昨日はお肉だったし、お魚がいいかな、ああ、でも、あのお肉もギルドを横切る時に食べたいって思ってたやつだし、ど、どうしよう、徹」


 前にも言ったが燃費が悪い癖に食べる量は見た目通りのルナはそんなに沢山食べられない。


「あの串肉と魚は俺と半分づつにすれば食えるだろ。食後はドーナツでいいんじゃないか?」


 屋台の中にあるドーナツ屋を指さして提案する。

 俺の手を握ってブンブン振りながら、


「ありがとう、徹。これで食べたい物全部食べれるの!」


 串肉と魚を買って半分づつ食べ合い、飲み物のお茶ぽいのを買って、ドーナツ屋に行った時、また同じ罠にハマりループしそうになるルナがいたことは想像は難しくないだろう。



 食事が済んだ俺達はミランダに紹介された武具店、グルガンデ武具店を目指し東門方面に地図を見ながら向かう事にした。地図は分かり易いが、入り組んだ場所にあるようで少し捜すのに苦労したが到着した。


 なんとなくボロくて心配にはなったがミランダの勧めの場所が変な場所ではないだろうと思い入る事にする。中に入ると外ほどではないがボロい感じの店内だ。が、しかし、武器や防具だけが無駄に綺麗にされ、整頓されて置かれている。武具以外どうでもいいと考えてそうな店主が想像できた。

 このまま棒立ちしてても意味がないので店の人を呼ぶ事にした。


「すいません、どなたかおられませんか?」


 なんの反応もない。

 もう一度、さっきより大きな声で呼びかける。


「うるせぇ、聞こえてるてんだ。誰だ、でけぇ声で呼ぶのは」


 店の奥から出てきたのは、あらゆる異世界物で鍛冶屋といえば、この人って言われるような、ザ、ドワーフって感じの人だった。


「え?ドワーフ?っていたの?」

「いたらワリィーのか?」


 イメージに違わず、怒ってるのか怒ってないのか分からない雰囲気のドワーフだ。


「ドワーフがいるってことはエルフとか獣人とかもいるのか?」

「お前、頭大丈夫か?普通にいるだろう。街中で見かけてないのか?確かに人間に比べたら圧倒的に少ないが」

「徹、徹はエルフも獣人とも会ってるよ?」


 驚愕の事実、もうすでに会ってたらしい。


「どっちも1人づつしか直接は会ってないけど、ギルドのシーナさんはエルフだし、さっきの服飾店の店員さんは獣人さんだよ?」


 なんてことだ、ファンタジーの定番の存在を目の前にしてて気づかないとか、俺はどこを見てたと言うんだ!(オッパイです)


「騒ぐだけなら出ていってくれんか?」


 危うく当初の目的を見失う所であった。


「すいません、ミランダに紹介してもらって寄せさせて貰ったトールといいます。武器と山歩きに適した靴を1つと山歩きは勿論、蹴りに適正のある靴を見繕って貰いたくてやってきました」


 いきなり失礼な事をやってしまったので、いつも以上に丁寧に話しかけてみた。

 ミランダの知り合いか、と呟くと俺達の頭から足までジロジロ観察してくる。


「坊主は、武器は何を使ってたんだ」

「人から貰ったナイフで戦ってたんですが、やはりもうちょっとリーチが欲しいのでショートソードあたりを使ってみたいなって思ってます」

「使いたい武器も選択は悪くないから見繕ってやろう。ただ、さっきから慣れない敬語使われるとケツが痒くなるからいつも通り話せ」

「え、あ、うん、分かった、おっちゃん。靴のほうもよろしく頼むよ」


 ちょっとそこらでも見て暇潰してろっと言うと奥に引っ込んだ。

 ルナは毛皮でできてると思われる装備に触れ、モフモフを楽しんでた。おっさんのとこにいた犬にもモフモフしてたからかなり好きなのかもしれない。


 俺は樽に突っ込まれてた長剣を取り出して構えるが身体強化をすれば問題なく使えそうだがイマイチしっくりこない。それを仕舞って、ショートソードを握ると長剣よりしっくりくる。ナイフとの長さの違いに戸惑う事はあるかもしれないがすぐ慣れそうだ。


 色々、見て回っていると、おっちゃんが戻ってくる。


「待たせたな、このショートソードは鋼で少々重いがお前向きだろ、身体強化が使えそうじゃしな。お前が使う靴は山歩きの靴というか汎用性があるやつを選んだ。シーサーペントの皮でできとるから水弾きもいいぞ。嬢ちゃんの蹴りに使える靴だが、レッサードラゴンの皮と鱗を使ったブーツにしといた。全体は皮だが前面に鱗をあしらってるから丈夫じゃよ」

「シーサーペントとレッサードラゴン、どっちもドラゴンか!」

「ただの海蛇と陸トカゲじゃ。名前は迫力があるがそこまでたいした相手じゃない」


 なんか夢が潰されてたような気分だ。


 手に取って武器を構えてみる。確かに重いがさっきのショートソードよりいい感じがする。靴のほうも履き心地もいい。

 ルナも履いてジャンプしたりしてるが良さそうだ。


「微調整はする必要はあるが、問題はあるか?」

「何も言う事ないよ、ルナはどうだ?」

「とっても履き心地いいの」


 うむ、と頷くとおっちゃんが口を開く。


「銀貨5枚でええわい。後、ミランダに近いうちに行くと伝言しとけ」


 あまりの安さに驚いた俺達を見て、おっちゃんは言う。


「ミランダが名前を出して紹介してきたんだ。ワシがこう言う事は分かってお前らを寄こしておる。大人のミランダに甘えておけばいい。あやつはありがとうって言われるだけで満足のはずじゃ」


 ノシノシと俺達の前に来ると、


「微調整をするぞ。ほれ、小僧からだ」


 俺の体をペタペタ触りながら剣を握らせたり、靴を履いた所に指を入れたりして確かめているようだ。ルナもブーツを履かされて似たような事をされていた。


「1晩、時間を貰うぞ、明日の朝にでも取りに来い。代金はその時でいい」


 そう言うと剣と靴を持って中に入って行った。

 え?お見送りなしで勝手に帰れってことかな?なんというかドワーフって感じがして少し笑いながら、ルナに道具屋にでも行って野外道具買いにいくかっと声かけてグルガンデ武具店を出た。



 道具屋で色々必要そうなものを買って、俺達がマッチョの集い亭に戻ってきたのは夕焼けが美しいそんな時間だった。

 買い物って地味に時間かかるよなって凝ってもない肩をグルグル回して店に入る。中に入ると、とっても懐かしい良い匂いがしてくる。横を見るとルナが鼻を鳴らして涎が出そうになっている。

 俺は厨房にいると思われるミランダに声をかける。


「ミランダ、この匂いってもしかして!」

「あらあら、おかえり、まずは、ただいまでしょ?」


 俺が焦ってるのを分かってて焦らしにきてるミランダがいた。


「ねぇ、ミランダ、この匂いなんなの?」

「もう、ルナちゃんまで、これはトールの大好きな食べ物よ」

「キターーーーー、ついに食べる事ができる。大好きなカレーライスが!!」


 俺の中では祭りが開催された。店にいる客に笑われているがちっとも気にならない。もう、おかわりするのは確定事項だ。


 食べながら、帰ってきたら、また作ってくれるというミランダに感謝しつつ、今日、グルガンデ武具店のドワーフの伝言を伝えて、部屋に戻った。


 部屋に戻り、武具以外の荷造りを俺達はする。普段より食べすぎた俺は少々腹が辛い状態であったが幸せ一杯といった顔して荷造りしていた。

 荷造りの手が止まってるルナを見て、どうしたんだ?と声かける。


「ねぇ、徹。私をあの場所から連れ出した事、後悔してない?」

「どうしたんだ?急に?」


 自分でも何を言おうとしたのか分からないが口を開こうとしたら


「荷造りしちゃって早く寝ちゃうの。明日も早いしね」


 ルナは俺に背を向けて荷造りを再開する。


 そして、荷造りが済んで俺達は寝る事にした。



 さっきのルナの言葉に俺はなんて答えようとしたのだろう、どう答えるのが正解だったのだろう。俺の頭の中のマヌケな顔した強者のダチは今回は俺に何も言ってはくれなかった。

 連日投稿になると思われます。

 章管理とかあるんで使ってみたいなって思うんですが変なことになったら困るんで立ち往生してます。なくて困る事はないのかもしれないんですがね。

 感想などありましたら、よろしくお願いします。

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