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高校デビューに失敗して異世界デビュー  作者: バイブルさん
8章 Road like yarnー糸のような道ー
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159話 報告、説明と懺悔。そして、残った問題

 何やら風邪ぽいです。少し熱があるようだなっと思って計ると微熱がある程度ですが、これぐらいで推移してくれたら良いのですが、酷くなったら更新が滞る可能性があるので、更新しなかったら寝込んだなっと思ってください。

 俺は目を覚ますと、地面の上でシーツをかけられていた。

 空を見上げると月も出ており、既に夜になっていた。

 シーツをどかして、起き上がると自分の体をチェックすると怪我は癒えているようだ。おそらくルナの回復魔法で癒してくれたのだろうと推測する。

 辺りを見渡すと、焚き火に薪をくべているルナがいるのに気付き、起きて近づいて行く。


「よう、ルナ、有難うな」


 自分の体を叩いて、バッチリ治ってるというアピールをして伝えると苦笑される。


「回復魔法でちゃんと治ってると思うけど、いきなり無理は駄目なの」

「それはそうと、美紅達は?」


 風向きが悪くなったように感じた俺は、話を変えるべく、話を振る。

 ルナは特に気にした風もなく、答えてくれた。


「テリアは少し頭を打ってるけど寝てるだけなの。美紅は深刻なダメージだったけど、徹が気絶するまで意地でも起きてるつもりだったようで、徹が気絶したと知るとすぐ倒れたの。怪我はちゃんと治したけど、治す為に使った体力は戻る訳ではないから、ぐっすり寝てるの」


 ルナは思い出したかのように、起きてくるまで、テントには入室お断りと美紅に言われてるのっと伝えてくる。

 危うく、今、腰を上げて見に行こうとしてたところだから危なかった。見に行ってたら、また回復魔法を使って貰う話になるとこであった。あっ、だから俺は外で寝かされてたのかと理解して悲しくなった。


 俺は気絶する前にルナが謝った事をあの時はああ言ったが、今から考えると違ったような気がしたのをルナを見て、思い始めた。

 飛び出す前のルナと何かが変わった。見た目ではなく、心構え的なものがである。

 聞きたい事はあるが、まずは自分の事からケリを付ける段取りを伝えようと思う。


「ルナ、隠してた事を話すよ。それは美紅達を起こしてきて貰ってからにするつもりだけど、美紅達が寝てる間に聞いておきたい事があるんだ。何故、帰ってきた時に俺に謝ったんだ?」


 ルナは焚き火を眺めたまま、動きらしい動きをせず、俺は俺でルナが口を開くのを待つつもりで黙っていた。

 しばらくの間、焚き火で木が割れる音だけが聞こえ、焚き火で照らされるルナの横顔が神秘的に見え、永遠、このままかと錯覚しているとルナが口を開いた。


「ねぇ、徹。私達が初めて冒険者ギルドで仕事した時の事、覚えている?」

「えっ?なんだ、唐突に?勿論、覚えてるぞ?ルナは倉庫整理に行って、失敗して泣きついて、ザックさんに次の日に挽回させて貰ったやつだろ?」


 ルナは絶句したように表情を固めると、言ってくる。


「私のほうじゃなくて、徹のした仕事のほうなの!」


 過去の出来事に恥ずかしさを感じてる為か、焚き火の灯りでそう見えるのか分からないが、顔を真っ赤にして言ってくる。


「ああっ、俺のほうね。確か、薬草採取で南門を抜けた先の森に行ったやつだな。それがどうしたんだ?」

「その時に会った。女性を覚えている?」


 採取を済ませて、森から出てきたら突然現れた、お姉さんがいきなり占ってあげると言ってきた事があったのを思い出して、頷く。


「驚かずに聞いて欲しいの。あの女性は2000年後の私だったの」


 俺は一瞬、虚を突かれて、固まりかけるが色々、おかしいと思ってた部分が噛み合いだし、納得できた。


「なるほどな、道理で俺達が取ろうとした行動を知ってたり、カラス達を暗示させる言葉を言ったりできたのか。それに俺の名前を知ってたり、トールではなく徹と呼んでた理由もこれですっきりした」


 俺が、慌てず、すんなり理解したのが、びっくりだったようで、ルナが驚いていた。


「どうして、そんなにすんなり信じるの?もっと驚くところなの!」


 いや、お前が驚くなよっと言ったじゃないかっと呟き、それになっと言って、一番の理由を伝える。


「俺はお前が俺に不利益な嘘を言わないと思ってる」


 俺はルナを信じてるんだよっと笑顔で伝える。


「信じてる相手に隠し事してたとか有り得ないの」

「あーうん。すまんかった」


 ルナは半眼になって俺を睨むので明後日に視線を逃がし、頭を掻いた。

 俺は立て直す意味も兼ねて、話の続きを聞く為に質問する事にした。


「2000年後のルナが時を渡れるようになってるのはびっくりだが、まさか、遊びにきましたっとやってくるようなルナじゃないはずだ。このまま行くと、やっぱり魔神に負けるのか?」

「あはは・・・やっぱり徹はここまで聞いただけで、そこまで答えに行き着くの。未来の私が言うには、さっきの魔神の加護を受けた者、トランだったと思うけど、アイツに徹はさっきやられる未来だったらしいの」


 ルナは申し訳ない顔して最後は呟くように言ってくる。

 俺はルナのおかげで命を拾ったんじゃないかっと思うが、トランが来た時に言ってたセリフを思い出していた。


「これは、これは、ただ、近くにきたものですから様子を見に来ただけでしたが、女神が別行動していて、戦力激減してるところに出くわすとは、我が神の御加護でしょうな」


 と言っていた。つまり、ルナが飛び出して、別行動を取った事で、トランは好機と判断して俺達をる気になったのであろう。本来あるべき未来では俺は死んでいたのであろうという事だと理解する。


「なるほど、それを知らせる為に来てくれたのか」

「それもあるのだけど、前のままで徹の下に戻っても助かる可能性が薄いと言われて、2000年の間で身に付けた知識や時空魔法、私が使っている弓の使い方をこれに宿してくれたの」


 ワビ湖に行った時に持ち帰った時のオレンジの石を取り出して見せてくる。

 石を見ていて思い出したようで言ってくる。


「そういえば、未来の私は言ってたの。石にも硬化魔法を使ってくれてなかったから、困ったと言ってたの。だから、今、この石にも紐と同じように硬化魔法使って欲しいの」


 それぐらい、お安い御用だったから、あっさり頷き、受け取ると半永続的に続くように硬化させた。


 今の説明を聞いて、思った事をそのまま口にした。


「という事は、ルナは時を渡る事ができるのか?」


 ルナは残念そうに首を振る。


「時空魔法はとっても燃費が悪くて、今の私では昨日にすらいけないの」


 せいぜい、小手先の魔法を使うのがせいぜいなのっと言われて、俺は驚く。

 俺からすれば、ルナの魔力など無尽蔵かと思えるぐらいあると思っていたのに、足りないから昨日にも跳べないって言われる時空魔法おそるべしである。

 もっとも、2000年後のルナは、規格外ぶりが、おそるべしであったが。


「で、未来のルナはどうしたんだ?」

「うん、この時代の私に任せると言って、逝ったの」


 俺はルナの言葉を聞いて、なんとなく、不穏なイントネーションを感じたが、ルナの表情を見て、あえて、俺は気付かないフリをする事にした。


「そうか、かえったか。礼を言いたかったが、仕方がないな」

「徹が無事に魔神との戦いで生き残る事が何よりのお礼になると思うの」


 俺はそっかっと呟くと、空を見上げて、月を眺めながら、冥福を祈った。



「ルナ、次は俺が話す番だが、その前に・・・」

「分かってるの。2人を起こしてくるから待ってて欲しいの」


 ルナは立ち上がるとテントのほうに行くのを見ると俺は、喉の渇きを覚えたので、自分のコップにお茶を注ぐと、どうせならみんなの分もっとコップを出してきて、お茶を注ぎ、ソワソワしながら、チビチビとお茶を飲んで、3人が来るのを待っていた。

 どうやら、俺は緊張してるらしい。

 お叱り覚悟でやった事とはいえ、その裁定が出るのが近づくとなると、やはり緊張してくる。


 美紅達がテントから出てくるのを見ると、コップにあったお茶を一気飲みして、おかわりして来るのを待ち構える。

 俺はお茶を勧めて、一口付けるのを見ると口を開いた。


「みんな悪い。本当ならゆっくり休んで欲しいところなんだが、機会を先延ばしにすると話すタイミングを逸するかも・・・いや、決意が鈍るかもしれない俺の為に今、聞いて欲しい事があるんだ」

「トールがやっと話す気になったことなんでしょっ?タイミングが悪い事多いからっ、聞けるうちに聞いておくわっ」


 美紅は黙って聞く体勢で待っており、テリアは、やっとモヤモヤしてたのが解消されるわっと呟く。

 俺は、お茶で唇を湿らせると、話始める。

 スーベラの話から始まり、伏せた毒の正体から全てを、ユグドラシルから聞いた話を伝えた。


「なるほど、その話を聞いたら、トオル君は話す事に抵抗を感じるでしょうね」


 頷くとルナを見て、ないとは言えないでしょうねっと呟くのを聞いて、ルナならやりかねないと同じ考えに至ったようだ。


「でも、徹。その心配は・・・」

「ああ、分かってる。そこの問題はクリアしたと思う。魔神はルナを取り込まないだろうと、しかし、ルナと繋がる縁を追いかけないと言えない。そして、それを追いかけた場合、次に襲撃されるのは、俺の生まれた世界だ」


 その話はルナも知らなかったようで驚いている。勿論、美紅達も知らなかったので、驚くかと思ったがルナほど驚いていない。

 驚いてない事に驚いている俺を見た美紅が苦笑して言ってくる。


「幼い時にこっちに来てますし、向こうに良い思い出もないせいか、残念だなっという気持ちぐらいにしかなりませんでした」

「それにそうなる時って私達、死んでますっ。だからそうならないように頑張るしかないでしょっ?」


 美紅には元の世界に未練は・・・そうか、勇者召喚システムかっと思う。元の世界に居たいと思ってない人物を選ぶんだったと思い出す。

 そして、テリアが続けて言ったセリフはまさに至言であった。

 3人はそうすればいいだけの事とあっさりと受け入れるのを見て、女の子は強いなっと苦笑いをする。


 俺が隠してた事はこれで全部だというと、明日から遅れを取り戻す為に今日はゆっくり休みましょうっという事になって、俺達は、疲れが残る体を休める為にテントへと向かった。

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