142話 いつも疑われるけど私は女神
久しぶりに寝坊してしまいました(;一_一)
寝ぼけた頭で打っているので誤字が多いかもしれませんがゴメンね?
野宿の準備は済み、夕食が済んだ、まったりした時間に美紅が入れてくれた紅茶をちびちび飲みながら、明日の昼前にはクラウドに着けるなっと考えていると俺の前でソワソワと立っている片方の耳の左耳がせわしなく動かしながら俺をチラチラ見ているテリアの姿があった。
しまった、まったりしてて、テリアに話すのを忘れて寝る事を考えてた俺は内心、汗を掻いているのを気付かせないように周りを見渡す。
どうやら忘れていたのは俺だけだったようで、ルナですらいつでも話し合いに入っていいように待っているように見えた。
「どう切り出したらいいのやらだが、俺達、3人の素性をテリアに話を聞かせるということだが、テリアは俺達の事をどの程度知ってるんだ?」
「私が会う前の話だとっ、トールがエルフ国で救国の使者と呼ばれてたという事と美紅が勇者で、そうそう、トールも美紅と同じで異世界人ってぐらいじゃないっ?」
それならほとんど知ってるんじゃないのか?と思ったがルナが女神であるという事が抜けているなっと気付く。
えっ?忘れてるみたいだった?いや、本当に時々、忘れているだけで今日は覚えていたよ?タブンネ。
「そうなると俺が思い付く話だとルナの正体ぐらいしか思いつかないな」
「えっ?ルナにも何かあるのっ?」
ルナはない胸を張って、俺をチラチラ見て、言っちゃっていいのよ?とばかりに頬を緩めていた。
なんとなく、あの緩んだ顔は長続きしない予感がした。
「ルナはな、この世界のアローラの最後の女神なんだよ」
「トール、冗談はいいわっ。ルナが女神な訳ないじゃないっ。ルナが女神なら飴あげたら奇跡も起こしてくれそうだし、何より、あのはた迷惑な神託をしていた女神がルナって事になるじゃないっ」
ルナは打ちのめされて美紅の膝に顔を埋めている。
美紅は苦笑しながら、ルナの頭を撫でいた。
やはり、予想通りだったなっと俺は思ったが、テリアの言葉からルナが女神だと信じさせる妙案が閃いた。
「もし、女神がそのはた迷惑な神託が迷惑と気付かず、繰り返してたとしたら?」
俺の言葉に、はっ!としたテリアは、俺を凝視する。
ギギギっと音がしそうな動きで泣き崩れるルナを見て、テリアは呟く。
「ルナって本当にアローラにいる唯一の女神なのっ?」
「なんで、その一言でなら納得して、認められるか説明が欲しいのっ!」
俺が、ルナの頭に手を乗せて、目を覗き込みながら言う。
「本当に説明欲しい?」
ルナは再び、ウルっと涙を浮かべると、徹のアホっと叫ぶと美紅の膝に出戻った。
「という訳で本当にルナさんは女神なんですよ」
美紅が苦笑しながらルナの頭を撫でながら、テリアに言った。
テリアは、はぁぁっと溜息を吐きながら、何やら思い付いたようで掌を打ち鳴らすと美紅に近づくと美紅の耳に近づいて小声で話す。
「宿屋・・・・予言の事を話した・・・」
「ええ、そうです。なので、あの時のルナさんがした事を大目に見てあげてくださいね」
俺には宿屋と予言の部分しか聞こえなかったから何の事を話しているか分からなかったから、聞く事にした。
「何の話をしてるんだ?」
「トオル君は知らなくてもいい話ですよ」
美紅から絶対に話しませんというオーラを発しているのを見て、テリアに目を向けるが、目線を反らされて、知らないっと言われる。
女の子同士の話だから仕方がないと俺は割切り、少し字の練習がしたくなったので地面で、『の』の字を書いて遊ぶ事にした。
「もう他にはないのっ?」
「そうだな・・・何かあったっけ?」
俺は美紅に視線を向けて、聞くと、そうですねっと呟き、口を開く。
「こちらからの話はもうないと思いますが、逆にこちらが確認しておきたい事があります」
美紅がそう言うとテリアが居住まいを正した。
「私達は、魔神と戦う覚悟でいます。テリアちゃんも魔神の欠片との戦いを見ていた事を前提で聞きます。本当に着いてきますか?別にクラウドなどに残っていいんですよ?」
テリアは息を飲み込む。
それを見た美紅が追撃をしてくる。
「今はどのような情勢になるか分かりませんが、魔神だけではなく、エコ帝国とも戦う事になるかもしれないですが、その事も念頭に置いた上の回答をください」
テリアは考えるように俯く。
改めて言われると結構、重いなって思う。現実的な話ではあるが、1国と神が敵だと言われているんだよなっと他人事のように思っているのは、俺にとってそれはとっくの前に喉を通った話であったからである。
「明日にはクラウドに着きます。トオル君は次に何を考えているかは分かりませんが、近いうちにクラウドから出る事になるでしょう。それまでに答えを出しておいてくださいね?」
その美紅の言葉でお開きになり、俺達は寝る事にした。
次の昼にクラウドに到着した俺達は今までの経験から最初に、冒険者ギルドに顔を出してから、今後の行動を考えようという事になり、シーナさんがいる受付を目指した。
受付に向かうといつもの所にシーナさんがいなくてキョロキョロしていると隣の受付嬢が声をかけてくる。
「シーナ先輩をお探しですか?今、ギルド長と会っておられますので、声かけてきますね」
「いや、仕事の邪魔するのは・・・」
俺がそう言いかけるが、受付嬢は苦笑して言ってくる。
「来たのに、帰らせたと言ったらほうが怖いので」
そう言うと受付嬢は奥へと急いで向かっていった。
「シーナさんって先輩として怖い人って思われてるのかな?」
ルナとテリアは呆れた目で俺を見ている。
何故、そんな目で見られるのか分からない俺は声をかけて聞こうとすると美紅に背中を叩かれる。
振り返って美紅を見る。
「トオル君はそのままのトオル君でいてくださいね?」
若干呆れ気味に言われる俺は釈然とせず、しかめっ面をする。
しばらく待っていると受付嬢が戻ってきて言ってくる。
「先輩が言うには丁度聞かせたい話をしてるところらしく、ギルド長室にきてくださいとのことですのでギルド長室に向かって頂いていいですか?」
ギルド長室は分かりますか?と問われるが分かる俺は大丈夫っと答えて、3人を連れてギルド長室に向かった。
ギルド長室に着いた俺はドアをノックするとシーナさんがどうぞっと言うので入る。
中に入るとギルド長が困った顔して呟く。
「なんでギルド長室の入室許可をお前が出しているんだ?」
「何か不味かったですか?」
いえ、別にっと目線を反らす様を見て、最高にカッコ悪いギルド長だなっと3人に呟く。
「徹も似たようなモノなの」
ルナにそう言われて、驚愕すると他の2人も頷いているのを見て、泣きが入りそうになった。
シーナさんがこちらを見てきて、ニッコリと笑って、おかえりなさいっと伝えてきてくれて持ち直した俺は、何か聞かせたい事があるって聞いたけどっと言うと、今から話しますっと言われる。
「3カ国統合最高責任者様に現状報告の報せが送られてきてるんですよ」
意地悪な笑いをしたシーナさんがわざわざ、様を強調して言ってくる。
その肩書は俺にとって背中が痒くなる話だった為、困るのを知ってて言ってくるあたりが意地悪である。
チンタラしてたら、もっとからかわれると判断した俺は話を進める事にした。
「で、なんと知らせてきてるんですか?」
「まず、3カ国の軍隊でエコ帝国の首都を包囲しているようです」
まず俺は目が点になってしまった。
ルナとテリアは初っ端から飛ばした内容で俺より酷く、フリーズしているようだ。
美紅だけが苦笑して、あの2人ならやりかねませんねっと呟いていた。
「まさか交渉せずに攻め込むという話になってたりしますか?」
「いえ、あくまで交渉を進める上で有利に進める為という事とエコ帝国の上層部に現状を正しく理解を促すのが目的のようです」
今までエコ帝国は好き勝手やりすぎましたからねっとこれぐらいしないと何も考えずに交渉してきそうですっとシーナさんは頭が痛そうにしてくる。
「ただ、あまりこの状況が長続きすると国民にも影響が出てくると思いますので3カ国統合責任者であるトールさんに一筆を書いて頂きたいと思いまして」
「つまり、やり方を否定する気はないが、国民のダメージを考慮して引き際を考えてくれという手紙を書けばいいという事ですかね?」
俺の言葉に頷いてくる。
「はい、その通りです。そんな事を書かなくても考えているとは思うのですが、大きい影響が出てから、違ったと気付いても手遅れなので、念の為にお願いしたいのです」
「なるほど、分かりました。夜までには書いておきますので、宿まで取りに来て貰っていいですか?」
分かりましたと言われる。
俺達の話を後ろで見ていたギルド長がシーナさんに言う。
「シーナ、お前ギルド長するか?ワシいらなくねぇ?」
人差し指を左右でツンツン合わせている50過ぎのおっさんがいじけていた。
確かに、既に置物のようになっているギルド長の気持ちは痛いほど分かる。
「私には無理ですね」
「だろうの、お前は影から・・・」
何かを言おうとしたギルド長の傍にスタスタと近づくシーナさん。ギルド長とシーナさんが重なったと思ったらギルド長がウゴっと言って、顔を机にぶつけるがピクリともしない。
「トールさん、ギルド長はお疲れなので、今日はこれぐらいで。手紙は夜には私が引き取りに伺いますので」
「分かりました。では、失礼します」
キビキビとした動きで俺はギルド長室を退出する。
冒険者ギルドを出る為に歩いていると後ろからテリアに言われる。
「トール、アンタ逃げたでしょ?」
「何の事か分からない、俺は腹が減っただけさ」
「私もお腹が減ったの!」
ルナのお気楽な発言に救われて俺はテリアの追撃を回避したが美紅はそんな俺を見てクスクスと笑っていた。
久しぶりのミランダの手料理を堪能する為に俺達はマッチョの集い亭を目指して歩き出した。
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