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高校デビューに失敗して異世界デビュー  作者: バイブルさん
1章 こんにちは!アローラ
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11話 燃えたろって言ってみたい

 2話同日投稿って本当に大変でした。3つとか投稿してる方たまに見ますが、書く立場になると超人かと思ってしまいます。

 11話です。よろしくお願いします。

 鳥の囀りが聞こえる。なんとなく雀を思い出す鳴き方だが、さすがに違う鳥だろうと、眠い頭を酷使してつまらない事を真剣に考えてた。


 ハイ、みんなのトオルちゃんです。貫徹しちゃってテンションがおかしい俺は朝日が窓に差し込むのを恨めしそうに見ていた。

 隣を見るとスピーって言いそうな顔して気持ち良さそうに寝ている女神様こと、ルナがいた。鼻ちょうちんできてたら絶対潰してた自信が今の俺のテンションだ。


 先に言っとくと隣にルナがいてドキドキで眠れないとか、寝ぼけたルナがベットに入ってきたなどの俗に言うラッキースケベが発生した為、寝れなかったってオチではない。

 その訳は、昨日の魔法を教えるって件から今に至る。



「という訳で、ルナ、魔法を教えてくれ」


 待ちきれない俺はルナに催促し出す。

 なんとなく嫌そうなルナは、妙案を思い付いたかのように俺に話しかける。


「教育費に3食の食事を要求するの!」

「ないから」


 即答で却下する。この女神まだ諦めてなかったのか。

 再び、崩れ落ちる堕落した女神。

 完全に拗ねたルナは、不貞腐れた態度で教え始める。


「まずは自分の中にある魔力を感じる事、そして動かす事ができてからの話なの」

「自分の魔力を感じるってどうやるんだ?」

「今から私が、徹に魔力流すから体感すれば感じるのは簡単なの」


 俺の手を取って握るとルナの手から暖かいというか熱いモノがが流れ込む。


「あつつ、魔力って熱いもんなのか?」

「あら、ごめんあそばせ、加減をミスしたの」


 明らかに使い慣れない言葉を使って言うルナを見て、やはり拗ねてるなっと確信する。

 次は頼むぜ?って言うと再び手を握ってくる。今度はホッとする暖かい何かが俺に流れ込む。それが俺の臍のあたりに集まりそこで渦巻くのを感じた。


「この腹の中で蠢くような感じになってるのが魔力か」

「むぅ、感じるのは簡単のは分かるんだけど、動きを理解するの早すぎなの」


 徹のクセに生意気なの、って呟くルナを見て、昔のス●夫か!今は使われないフレーズを呟くルナを見てヤレヤレっと溜息を吐く。


「これで魔法が使えるんだな、まずは俺は火系の魔法が使いたい」


 俺の一度は言ってみたいリストには火が絡むものが多い。引き出しの二重底の下の俺の禁書は無事だろうか。


「何を言ってるの?病気なの徹?まずは生活魔法で慣らしていくんだから、徹の求めてる魔法って攻撃魔法だよね?順序ってのがあるの」


 病気、そうルナに突っ込まれて膝から崩れる。大丈夫だ、きっともう治ってるはずなんだ。(後ろを振り返れば、明らかに現在進行中であることに気付けない徹は眼を反らしてます)


「まず、生活魔法の水を出す魔法が一番簡単だから、これからやるの」


 ベットの横にある水差しとコップがあり、ルナはコップの口に指を添える。


「自分の指が水差しの水が出るとこと思い込むの。そして、お腹にある魔力を指先に流して、指先から水が流れるイメージをして魔力を指先から外に流すの」


 すると、ルナの指先から水差しで水が出ているような勢いでコップに注がれる。

 火関係から是非やりたかったが確かに建物の中でやるなら水のほうが安全である。少々不満はあるが、まずはキッカケ作りをして本命に行くってがいいよね。


 コップに指を添えて、俺は念じる。俺の中にある宇宙よ!爆発しろ!!ってそんな勢いで出たら宿が大変な事になるから思ってないよ?水よ出てこい!アレェェ??水が出てこない、お腹のとこにある力を指先に送ってる感じはあるが、指先から出てこない。すごい気持ち悪い。例えるなら指に木屑触ってたら刺さった木が身にめり込んでいて、爪は当たるんだけど先っちょが掴めずに抜く事ができないっといった気持ち悪さが俺を取り巻いていた。


「ほとんどできてるのに何故か出ないの。おかしいの」

「俺のやり方、間違ってないんだよな?」

「私が見てる限りでは水がいつ出てもいい感じになってるの」


 ルナは何故だろ?って呟きつつ首を捻る。


「多分、後は練習あるのみだと思うの」


 欠伸混じりに俺に言う。今の状態のルナを信じてもいいんだろうか。

 

 色々、聞き出そうとルナに目を向けると、既にベットに横になってスヤスヤと寝ていた。叩き起こしてやろうかという誘惑に駆られたが、起こしても役に立つとは正直思えなかった。寝惚けて、余計混乱させられそうだ。

 俺の魔法に対する憧れを舐めるなよ。明日、朝起きたらびっくりするルナの顔が楽しみだ。フフフ。



 そして、朝を迎えた今の俺がいる。

 素直に言おう。水を出す事は出来なかった。あんなに頑張ったのに。


 結果に項垂れていると、ルナが起きてきた。


「おはよ、徹。ど、どうしたの眼が血走ってるよ」


 寝起きから俺の貫徹した顔を見てびっくりしてどもってた。俺が求めてたびっくりは、これじゃねぇぇ。

 俺はルナに素直に事情を説明する。


「昨日もおかしいとは思ったんだけど、才能がなくて使えないのなら魔力を感じたり、動かしたりできないはずなの。それらはできるのに、使えないってのは本当におかしいの」


 ちゃんと魔力もあるから足りないとか考えなくていいほど充分な量を感じるのにおかしいの、と首を傾げたと同時にルナの腹が朝食を要求をアピールしてきたようだ。


「ゴホン、続きは、ご飯食べてながらにするの」


 俺とルナは食事の前に顔を洗いに行くためにミランダにどこを使ったらいいか聞きに行く事にする。


「ミランダ、顔とか洗いたいんだがどこに行けばいい?」

「裏の庭に井戸があるから好きに使ってもいいわよ。その後、すぐ朝食にするなら用意しとくけど?」

「すぐ、食べるの、用意お願いします!」


 俺が答える前に食いつくようにルナが答える。まあ俺もそういうつもりではあったが。


「ルナちゃん、朝から食いしん坊さんね。分かったわ、用意しておいてあげるから裏庭にいってらっしゃい」


 はーい、と嬉しそうに裏庭へと駆けて行く。ルナに尻尾があればちぎれんばかりに振っているだろう。ルナがこの世界の女神ってのは何かの間違いじゃないのかっと時々、思う。会って、まだ3日目なのに女神のオーラは皆無である。

 ルナを追いかけるように裏庭に向かい、顔を洗い、濡らした布で体を拭いてこよう。



 顔を洗って、帰ってくると良い匂いが漂ってくる。店の食堂は昼前から開けるため、今は誰も客はいないのだが、昨日と同じカウンター席に座る。

 こちらの様子を窺っていたのか、座ると厨房からミランダが出てきて、俺達の前に朝食を出してくれる。朝食はスクランプルエッグにベーコンのようなものが皿に盛られており、俺とルナの間にはバスケットに一杯に入ってるロールパンが置かれ、パンの前にオレンジ色したジャムと赤い色したジャム、そして、バターと思われるものを置く。


「朝は1日の始まりだからしっかり食べるのよ」


 ミランダはオカンかって言いたくなるような定番のセリフを言う。


「しっかり、食べるの~、あ、この赤いのパンに付けて食べると、とっても甘くて美味しいの。私、これ大好き」


 蕩けるような幸せそうな顔したルナがパンに齧りつく。

 俺はジャムが嫌いとかはないんだが、バター派だ。早速、俺もパンを取り、バターを付けて食す。これはおそらく、バターだと思う。しかし、元の世界でこれほど風味の良いバターは食べた事がない。単純に良いバターにあたってないだけかもしれないが、今日、こんな美味しいバターでパンを食べれる事がこんなに嬉しいとは。

 2人して幸せそうな顔してモフモフと口を動かす。


「ルナちゃん、食後のジュースもあるから、その余裕は空けとくのよ」


 聞いてるか聞いてないか分からない様子のルナが、はーい、と生返事する。意識は既に次のオレンジのジャムに向かっている。

 俺はジュースより腹に溜まるパンとかのほうがいいが、俺は問題なく飲む余裕はあるだろう。が、あの女神はきっと、お約束を外さない。


 案の定、ルナは限界突破したようで、今朝はフルーツジュースが出てきて、舐めるように飲んでいる。ジュースは別腹らしいが、明らかに余裕がなさすぎである。


「今朝見た時から気になってたんだけど、トール、目が赤いわよ?どうしたの?」

「ああ、昨日、ルナに魔法を教わろうとしてやってたんだけど、魔力を感じて動かす事はできたんだが、発現させることができなくて意地になってやってたら貫徹してた」


 溜息一つ吐いてミランダに説明する。

 なるほどねっとミランダが言う。


「ルナちゃん、トールに生活魔法の水か風あたりをさせようとしたんじゃない?」

「え、うん、基本だからそう教えたよ」


 苦しそうにしつつ、ジュースを飲んでいたルナがミランダの質問に答えた。


「トール、多分だけど、この方法から入ると覚えられるとしてもだいぶ時間かかると思うわよ。確かに一般に教えるならこの方法だけど、思考するより先に動いちゃったり、自分の欲求を抑えるのが苦手なタイプにはこの方法はお勧めできないわ」


 理論派の俺はこの方法でできるはずではと思っていると、


「トールは間違いなく理論派じゃなく、感覚派のタイプよ」


 考えてた事を読まれたのか、否定される。おかしい、俺は理論派だと思っていたのに。ミランダがあなたの事はお見通しよってばかりにウィンクを送ってくる。スキンヘッドのマッチョにされても嬉しさは勿論ないが、悲しさより恐怖が募る。


「依頼を終えて帰ってきたら時間作って、感覚派の魔法入門編を指導してあげるわ」


 このマッチョはどこまでスペックが高いのか。魔法も教えれるレベルなのか、これでオカマじゃなかったら凄く仲良くしたい人になってそうだ。


「そうだ、魔法も有難いんだけど、その後にでも生活用品とか服などとかのお勧めの場所とかも聞いていいかな?相場とかも聞けると助かるんだ」

「トールに頼りにされて、私、嬉しいわ、できる限り力になるわ」


 じゃ、夜にね、と一語とづつ区切りながら、指を振るミランダから悪寒を感じて目線を外しながら、よろしくと伝える。



 食休みしたら、西門付近にあるザックさんの倉庫整理依頼を終わらせるために食い倒れてる女神を連れて行くとしますか。

 感想などありましたらよろしくお願いします。

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