118話 たとえ、憎まれても
バイブルは地獄を見てきましたっと言ってますがただ仕事が忙しすぎて1分も休憩が取れず勿論、昼休みもなしでぶっ通しでです。
勿論、延長してくださいね?って言われて残業ですよ。
仕事終わってから気付きましたが、朝起きた時に行ったトイレが最後だと言う事に・・・
しばらく時間を置いて俺達はテリアを起こして朝食を食べる為に向かうとミランダと一緒に食事を作る美紅がいた。
「おはようございます。昨日はすいませんでした」
俺達が来たのを認識すると俺達が声をかけてくる前に笑顔で言ってくる。
俺の穿った見方なのかもしれないが突っ込まれたくないから先に挨拶して謝ってきているように見えて、思わず、眉を寄せてしまった。
俺の変化に敏感に感じとったらしい美紅の表情が一瞬強張るがいつもと同じように見える笑顔を見せてきた。
これは自分で思ってたより深刻なのかもしれない。事情を知ってそうな人から例えばコルシアンさんあたりに聞いたほうがいいのかもしれないと思う。しかし、俺はその手を使うのは3番目にしようと思う。
1番は勿論、美紅から自発的に話してくれる事を祈る事だが、昨日の朝にも思った事だが予定通りにいかない事のほうが多いと思う今日この頃、今日一日だけ美紅が話してくれるのを待とうと考えている。
ゆっくりする時間があるなら日にち薬で頃合を見て聞きだすという美紅に優しい聞き方をしてあげたい。
だが、今、それをする時間もあるか分からない。それでもっと思う自分の気持ちがあるのも否定しない。
それで間に合わなかったら美紅の気持ちを考えたら動けなかったと言い訳をする未来か、自分勝手な理由の自分がそうしたかったと言う理由で美紅を傷つける未来をどっちを選べと言われたら、どっちもカスだが俺は後者を選びたい。
そう、俺はとても我儘だ。自分勝手で相手の気持ちより自分の気持ちの最低野郎だ。でも、囁くんだ、俺のカンが前へと進めと。
そんな俺でも免罪符を求めて、冒険ギルドで気楽にできる南でできる依頼がない捜すつもりだ。そこで俺かルナにでも相談してくれる事を祈って。
最悪、美紅に絶縁状を叩きつけられるかもしれない恐怖を飲み込むように俺は頬張った朝食を飲み込んだ。
先程考えた冒険ギルドで依頼を受けるという話をみんなにすると誰からも反対が出なかったので俺達は冒険ギルドへ向かう為にマッチョの集い亭を後にした。
冒険ギルドに着くと悩まず、シーナさんの受付に向かうと挨拶替わりの胸タッチをしようとするが華麗に避けられた俺は何事もなかったかのように話をし出す。
「南側である近くでできる依頼何かない?」
「そうですね、いくつかありますがこれなんかどうでしょう?」
シーナさんが差し出してきた依頼書を受け取って読むと出だしだけ読むと俺は自然な動きで突き返そうとすると、そっと返そうとする俺の手を優しく見えるだけの力強い力で押し返してくるシーナさんがいた。
「アンタは何を考えているんだっ!受ける訳ないだろっ!」
「いえ、是非受けてください。あれ以来、誰も受けてくれませんし、更にその前となると何年も前に罰ゲームで受けた人しかいないんですよ?ここはトールさんの出番でしょう?」
俺とシーナさんのバトルに興味が出たのか廻りの冒険者達も遠巻きに見ていた。身近のルナとテリアも興味を覚えたようで俺が渡された依頼書を横から取ると2人は覗きこんだ。
覗きこんだ2人はテリアは何で嫌がってるのか分からないとばかりの顔をしていて、ルナはああっと納得顔をしていた。
「前に頂いた卵での料理はとても絶品でした。また食べたいのでお土産をお願いします」
「だから、もうカーババードの依頼は受けないって!ってか、シーナさんが食べたいだけでしょ?」
そう、あのトラウマものの出来事があった依頼を受けると本気で思っているのだろうか?っと思って見ているとシーナさんがニヤリと笑う。
「ルナさーん、思い出してください。あのフワフワしているように見えてプルプルなプリンのお姿を食べた時に広がるその味は幸せ味。さあ、貴方はまたアノ方と会いたくはありませんか?」
「はい、会いたいです。徹、受けないって言うと一晩中、徹の横で泣き続けてやるの!」
なんだ、その地味にくる嫌がらせはっと俺は溜息を吐くと仕方がないと受ける事にする。
廻りの冒険者達が、お、馬鹿がまたチャレンジするってよっと騒ぐと俺のゴールデンボールが無事で帰ってくるかの賭けが始まる。
よく見ると大本がダンさんが仕切っているのを見て、裏切り者っと叫ぶと笑顔で手を振られる。そのダンさんに怪我はするがかろうじて無事に賭けると伝えている人が振り返るとサムズアップする。
ツンデレさん、どうせならガチで無事で帰るに賭けてください・・・
冒険ギルドはそんな突然起きた賭けに熱狂と笑顔で溢れた。
しかし、俺が振り返って見た美紅はピクリとも動かない笑顔のままなのを見て俺はこっそりと溜息を吐いた。
俺は渋い顔をしながら依頼を受けて冒険ギルドを出るとルナからカーババードの事を聞いたテリアがご機嫌にスキップしそうな浮かれ気味に俺達の前を歩く。
「なんでそんな美味しいお肉と卵が手に入るだけじゃなくっ、お金にもなるのにトールは嫌がるか分からないっ!」
それはね、女には無害らしいけど男にとったら死活問題になる攻撃を主体でやってくる性質の悪い鳥だからだよ?と更に詳しく言えたら良いのだろうが、さすがに自分で説明すると泣けそうになるのでやめる。
俺達は南門を出てから前と同じ場所を目指して行くとあの憎たらしい鳥が片足立ちで俺達をチラっと見ると前と同じように無視をする。
俺も強くなった。あの時と同じ不覚は取らないと思い近づいて良く見ると思わず後ずさる。
「なんか多くないっすか?」
挙動不審になる俺はいつもなら使わない口調になってしまった。何故ならあの性質の悪い鳥が少し離れたとこにいるヤツも入れたら50匹はいるように見えたからである。
前回は10頭いない数であの地獄を見た。しくじって、あの数に襲われたらどうなるのかと思うと生唾を飲み込んだ。勿論、恐怖からである。
しかし、隣にいるルナとテリアからも生唾を飲み込む音が聞こえたがきっと俺とは違う理由だと俺は確信した。
「やっぱり帰ろう。俺の手には余るハードルの高い依頼だ」
「駄目なの。女だけで近づくと逃げる鳥だから、えs、じゃなくて、徹がいないと捕獲も倒すのも大変なの!」
ルナ、今、俺の事をエサと言おうと思わなかったか?と詰め寄りたい気持ちもあったがルナが発した女だけだと逃げる鳥と聞いて、どうして女の冒険者が少ないといえいるのに、受けないのだろうと思っていた謎が解けた気分だ。
俺はここまで来て尻尾巻くのも格好悪いと思い、嫌々、近づいて行くと前と同じように触れる距離に来ても無視される。ルナ達は俺から離れてたところから何かあれば対応できるように身構えていた。
お前らもこいよっと言うと一緒にいると巻き込まれるっと言って断られる。
泣きたい気持ちを堪えて近づくと斬りつけられる距離に来るとさっさと済ませようとカラスを抜いて斬りかかろうとするとこのカーババードは予想外の行動をしてきた。
いきなり屁をかましてきたのだ。知っておいでだろうか?鳥のフンは凄く臭い、しかし、おならはしないはずなのである。それはあくまで、地球の話であるが・・・
かまされた俺は鼻が曲がるかのような匂いにやられ、地面に転がってもがいていると懐かしく、鮮烈な記憶が蘇る衝撃が俺の下半身に伝わる。
「オラのボールがどっかにいっちゃうぅ!!!」
捜そうぜ、俺のボールと現実逃避を痛みからしようとしながらも、生存本能か俺の手は必死にガードに身を丸めて護り続ける。
執拗に蹴るこの鳥は離れてた奴らまで飛んで俺のところへやってくる姿と羽根音が聞こえる。
「今が狩り時なの!皆の者続けぇ!」
そう、ルナが鬨の声を上げると3人の乙女はカーババードを狩り始めた。
「また、このパターンかよ・・・」
と呟くと俺は意識を失った。
目を覚ますとテリアはカーババードの解体に勤しんで、ルナは卵の回収に汗を流していた。
美紅は俺のゴールデンボールの怪我を癒す為に回復魔法を淡々と唱えていた。
やっぱり重症だなっと俺は思い、ルナ達が離れている今しかないだろうと思い、美紅に話しかける。
「なぁ、美紅。グリードって誰だ?」
美紅が息を飲むのを隣を見なくても分かったがコルシアンさんに言われた時のように取り乱さず、張り付いた笑顔を向けて言ってくる。
「トオル君には関係ない人ですよ」
そう言うと俺から目線をずらすが張り付けた笑顔はそのままなのを見て俺は思った事を言う事にした。
「美紅、今、お前はどんな顔をしてるか分かっているか?」
「笑っていると思いますが?」
「ああ、笑っているな。でも、俺には美紅というお人形が笑っているような造られた笑顔に見える」
俺がそういうと劇的な反応を見せた。
触れられたくない部分を遠慮なしに触れた者へと向ける強い怒りを俺に向ける。
「トオル君に何が分かると言うのですかっ!」
「分からないから分かりたいんだよ。でも、美紅。昨日、コルシアンさんのとこから帰ってから初めて、美紅の表情が見れて俺は嬉しいよ。怒りからくる憎しみだとしてもな」
そう言って目線を切ると美紅はクラウドのある方向に向かって走り出した。
俺と美紅が言い争っているのを遠くで見ていた2人が近寄ってくる。
2人は俺の名前を読んで説明して欲しそうにしているが今できる説明などない俺は2人に頼む。
「美紅を頼む。俺はやらないといけない事ができたから夜まで戻らないと思うから・・・」
2人は何かを言いたそうにしていたが俺は頭を下げて、もう一度、頼むと2人に言うと渋々、頷くと持てるだけの肉と卵を持つと2人は帰っていった。
俺は2人を見送ると俺は2番目の選択肢を使う為にルナ達と反対側へと走り出した。
日付が替わるのもそろそろといった時間に俺はマッチョの集い亭に帰ってくるとミランダにお帰りと言われる。
「美紅ちゃんは帰るなり部屋に鍵をかけると出てこなくなったわよ。ルナちゃん達は隣の部屋を用意してあげたから寝る場所は問題ないけど、どうしたの?トールらしくない強引なやり方ね」
「ああ、3人には説明できない理由だが、時間をかける方法では間に合わないとカンがいってるんでね。それに美紅の心が壊れるのが先だと俺は思っている」
2人は?と聞くと、もう寝たわっとミランダに答えられる。
ミランダはコップを拭きながら俺が何かを言うのを待っている。どうやら俺が何をしてきたかまで見破られているようだ。
正直、駆け引きしてミランダに勝てる気がしない俺は真正面からぶつかる事にした。
「ザウスのおっさんのところに行ってきた」
ミランダはまったく動じず、コップを磨きながら、そうっと答えるのみである。
「聞かせてくれないか?グリードの事をミランダなら知っているはずだ」
拭いたコップをテーブルに置くと俺を見てくる。
「どうして、知っていると思うの?」
前にもこんな問答があったなっと思いつつ言う。
「俺はザウスのおっさんに会ってきたって言ったろ?教えてくれ、アンタなら知っているはず、元近衛騎士隊長、ミラン」
感想や誤字がありましたら気楽に感想欄によろしくお願いします。




