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高校デビューに失敗して異世界デビュー  作者: バイブルさん
6章 運命の三叉路、それぞれの道
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105話 2つ目の壁

 とっつあん、バイブルは真っ白・・・真っ白になっちまったよ・・・

 バイブルー!っと叫んでくれたノリのいい貴方!有難うございます

 マジで3話更新してやりやしたぜ・・・

 私はおじ様のところで自分の武器を作り終えて落ちるように寝てから目を覚ますと顔を洗っていると店先で騒いでいる人がいるのに気付いた。

 おじ様は高いびきを奏でているから多分、しばらくは起こそうとしても起きないであろうから、来た人には申し訳ないが理由を説明してお帰り願おうと思い、店先に出ると私の顔を見ると店先に居た男性の表情が明るくなる。


「貴方が美紅さんですよね?」


 どうやらこの人の捜してた人は私だったようだ。

 頷く私に手紙を渡してくる。

 なんだろうっと思い受け取るとその男性は言ってくる。


「ミランダに頼まれて、美紅って子がグルガンデ武具店にいると思うから渡して欲しいと頼まれました」

「そのミランダさんは?」


 居るのを知っているなら直接来そうな気がしてた私が聞くと男性は


「お連れのルナさんでしたか?あの方にも知らせる為に南門を抜けて行ったって話を聞いて、南の山にいる昔馴染みに行方を確認に行くと言ってました」


 おそらくザウスさんにルナさんと会わなかったか聞きに行ったのであろうと理解して手紙を開いてみる。



 美紅ちゃんへ


 トールに頼まれていた事なのだけど、モスにいるクリミア王女の危機のようなの。

 レジスタンスとしてかなり帝国に目の上のタンコブになってきたようで邪魔になったのでしょうね。軍隊を送って組織を壊滅、そして王女を公開処刑にする為に捕えようとしてると情報を掴んだわ。

 至急、王女を助けに行ってくれないかしら?トールも気にしてたようだから。


 私はルナちゃんの行方を追う為に1度、ザウスに会ってきてからどうするか考えるわ。


 トールは・・・なんとなくなんだけど、ほっといてもモスに来るような予感がするのよね。

 気付いたら危ない場所にいましたって感じで現れそうで本当に困った子だと思うから。


 という訳で居場所が分かり易かった美紅ちゃんにとりあえず向かって救助してあげてくれないかしら?お願いの手紙を出した次第です。

 ミランダからのお願いを聞いてくれると嬉しいです。


 ミランダより



 勿論、私はお願いされなくとも行くつもりだ。

 ルナさんの行方はきっと捜しても分からないと思う。世界自体が違う場所にいるだろうから。

 トオル君はきっとミランダさんが言うようにきっとそうなりそうな気がする。


 トオル君が来る前に全てを終わらせておこうと私は届けてくれた男性に礼を言うと奥に走り、出来立ての剣を背負うと冒険ギルドに行き、シーナさんの口利きにより馬を2頭譲って貰い、替え馬をする覚悟で私はモスへと急いだ。



 街に着くと軍隊がある少数の者達を囲むのを見たのでおそらくクリミア王女の関係者だと思い、その渦中に飛び込むとその者達の退路を切り開き、自分は再び軍隊を切り込んで街に入った。


 中に入ると住民を切り結ぼうとする集団を発見して助けに入ると、そこにいた恰幅の良い女性が、クリミア王女が追われているから助けて欲しいと言ってきた。


「お姫様を助けたら言ってやってくれないかね。サラ達は無事だと」


 私は頷くとその女性が指差す方向へと走り出した。



 シュナイダーさんを蹴っ飛ばし壁に叩きつけると気絶を確認してからクリミア王女に視線をやり、


「という訳で今、ここにいます」


 シュナイダーさんなど片手間で問題ない相手だったのでここに来た経緯を伝えながら鎮圧した。

 正直、会った時に色目使われて気持ち悪く、トオル君の扱いに頭にきてたので堂々と蹴っ飛ばせて、スッっとした。

 説明を受けながらどことなく嬉しそうにしていたのでどうしたのですかっと聞くとクリミア王女は嬉しそうに答える。


「トールはこういう事態に陥るかもしれないから網を張って情報を頼んでいたと思うと見守られてた感があって嬉しくて」


 頬に手を当てて嬉しそうにしてるクリミア王女を見て、私は正直面白くなかったし、驚愕していた。元々勝気な感じが勝ってたとはいえ、美少女であった。その勝気さが和らぎ、美少女ぶりに拍車がかかっているうえ、あの凶悪な胸の持ち主がライバルだと思うと心配で堪らない。


 ルナさん、早くきてください。もしかしたら、私達とってもピンチかもしれません。軍隊に囲まれるより目の前の脅威のほうが問題であった。


「ごほん、サラ達を助けるだけでなく、しかも協力者達の救出までしてくださった美紅には感謝の言葉をなんて送れば良いのか分かりませんが本当に有難う」


 感謝はいらないのでトオル君に近寄らないでくださいっと喉まで出かけてたがかろうじて飲み込む。おそらく軍隊は1000ほどいたかどうかだと思うが正直、1000ぐらいの軍隊であれば怖くもない。もう既に敗走も込みで半数は離脱させているから余計にそうだから、私の本当の戦いは目の前の王女と切り開かれようとしてるのかもしれない。

 しかし、この戦力比を覆す術が・・・


「さて、シュナイダーをどうしましょうか?」

「始末してもいいんですが、この方は嫌がる事をしたほうが気持ちがすっきりする気がします」


 私が嫌がる方法はないかっとクリミア王女に問うと手をポンっと鳴らすと嬉しそうに言ってくる。


「シュナイダーは極端な綺麗好きで汚れる事に神経質に嫌がる傾向があります。両手両足縛って、適当な重しを付けてそこの下水に放り込むのがいいかもしれません。腰ぐらいの深さしかありませんから死ぬ事はないでしょうけど死んだらそれまでです」


 なんてエグイ事を思い付くのだろうと思うが勿論、即答で賛成すると私は足を縛り、重しを付けて、クリミア王女は楽しそうに両手をキツく縛っている。あれは斬らないと絶対外れないだろうなって私は思ったが突っ込む気はなかった。


 私は跳ね返る水を恐れてある程度離れた所からシュナイダーを投げ込む。想像通り激しい水飛沫が起き、気絶してたシュナイダーが目を覚ます。


「くっさ!なんだ、これは手足が縛られている。誰か助けろ!げほげほ、飲んでしまったではないか!!」


 私とクリミア王女は何も聞こえないフリをして一人づつ疲れから寝てしまっている子供を1人づつ抱えて去っていく。特に最後のセリフは聞かなかった事にしてあげると自分の精神衛生上良いと判断して忘れた。



 表に出ると簡易的に血止めなどが済んださきほど会ったサラと名乗る女性が現れ、クリミア王女と抱き合ってお互いの無事を喜んだ。その光景にほっこりしてながら廻りを見渡すと、やはり全体的に無事と言える状況ではないようだ。至るところで苦しむ声、亡くなった人を悼む声が聞こえてくる。

 もう少し早く着いていればと後悔の念に包まれそうになるが視線を上げると目を剥くものが目に入る。激しい光を生むモノがこちらに向けて何かしようとしているのに気付くと隣で絶句しているクリミア王女が呟く。


「あんなものまで持ち出してきてるなんて・・・」

「知っているのですか?アレを?」


 揺さぶるようにクリミア王女に問うと頷いて言ってくる。


「単発式ですが何十人の魔力を凝縮した弾を打ちだす事で強力な威力を出すといった兵器です。モスなど1発で焦土にされるでしょう」


 私は驚愕する。街一つ消滅させてでもレジスタンスを壊滅にしたいっていう考え方をするものが上にいるというこの帝国の未来はないであろうと思う。

 自分だけならあそこから感じる力の大きさから言ってこの武器がある限りなんら問題なく切り抜けられる。

 しかし、この住民もとなると破壊しないことには切り抜ける手段はない。


 今いる位置から狙える距離ではあるがここから打つと直線上にいる住民を巻き込んでしまう。この武器を使いこなせていればできたかもしれないが今の私はそれは敵わない。


 私は急ぎ、射線上に住民がいなくなる位置取りをするために建物に跳び移り走り出す。しかし、光は臨界を迎えようとしているのか激しく明滅している。

 間に合わないっと思った時、一閃の光がその光に吸い込まれるように穿ったと思ったら大爆発を起こす。

 光の出所を捜すとそこには真剣な表情をした私の友達のルナさんの姿があった。


「ルナさん、助かりました。そして、お帰りなさい」


 私は笑顔でルナさんを出迎えると見慣れない黒の弓に銀で装飾されたモノを片手に持ち私の傍へと降りてくる。

 

「ただいま、美紅」


 一瞬だけ笑顔で答えると再び、ピリピリとした真剣な顔をして先程の潰した物がある方向を睨みつける。

 不思議に思った私はどうしたのですか?っと問う。


「美紅、これからが本番なの。もうすぐ来る」

「何が来るというのですか?」


 私に視線を寄こすと緊張からか汗を浮かべるルナさんが絞り出すように言ってきた。


「2体目の魔神の欠片がこっちに向かってきてるの」

 感想や誤字がありましたら気楽によろしくお願いします。

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