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033 誰もが最初は無名で始まる
誰もが最初からプロの世界で好成績を残した訳ではないと、鬼崎は自分自身を振り返っていた。いまでこそ世界中の人々が彼の名前と外見を記憶しているが、彼もまた一人のプロ野球選手として無名だった時代もあった。当時はドラフト6位で指名されたため、球団はおろか自分自身も活躍に期待など出来なかった。しかしそれでも、あの時に恩師と出会えたから今の自分がいる。どうやら恩師の教えを忠実に理解したのは自分だけらしく、そのおかげ、こうして世界に通用する技術と体力を習得するのに成功した訳だ。




