13/72
013 生涯現役
鬼崎はどこまでも走り続けるマラソンランナーのような存在だ。果たして、彼のゴール地点は何処にあるのか。インタビュワーの一人はそう疑問を感じたようで、こちらに質問を振ってきた。勿論英語でだ。さすがに30年以上米国にいるのだから英語はしゃべれるが、彼は当たり前のように日本語で答える。この理由は彼が生粋の日本人であり、アメリカにいながらもアメリカ色に染まっていない事を意味していた。
「無論、生涯現役だ。ワシは死ぬまで野球をやり続ける。それがたとえ北極だろうがアフリカの最果てだろうが、ワシを必要としてくれる球団があれば何処へなりとも行くさ」
球場の中でプレイヤーとして死ぬのが、鬼崎のゴール地点だった。しかしそんな事は周りが許してくれないので恐らく達成確立はものすごく低いだろう。




