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DRAGON MASTER  作者: ALICE
ドラゴンと昇格審査
8/37

運命の審査 ~前半~

とうとうレイズにとっては四回目、八月の昇格審査当日になった。

この日は朝から冷たい雨が降っていた。だが、予定通り昇格審査は始まった。


「受験者はこの黄色いバンダナを左腕に巻くこと。

……よし、まいたか?そしたら、受験番号一から五番までのやつは、俺についてこい。」


レイズはバリィから受け取ったバンダナを左腕に巻くと、緊張した面持ちで順番を待った。

レイズの番号は一五番。まだ時間がある。


聞こえるのは、降り続く雨の音と、ドラゴンの咆哮。それ以外、何も聞こえない。

その静けさが 逆に緊張を高めいく。


「大丈夫…大丈夫…。落ち着いて、いつも通りに……!」


だが、そう思えば思うほど、鼓動が早くなり、苦しくなってくる。

レイズが一人パニックに陥っていると、後からものが飛んできて、レイズの頭に当たった。


振り返ると、アミノが他の生徒の間から顔を出して、何かを伝えようとしていた。


『お・ち・つ・け・!』


それを見ると、次第に緊張がほぐれていった。

レイズは返事の代わりに、右手の親指をたて、上に突き上げた。


「受験番号十から一五番、前へ。」


遂にレイズの順番が回ってきた。


「レイズーーっ!!頑張れーー!!」


アミノが大きな声で叫んだ。

レイズは軽く後ろを振り返ると、にっ、と笑った。







降り続いていた雨は、次第に激しくなっていき、風も吹いてきた。

だが、それでも審査は続けられた。


「受験番号一五、レイズ・アルキル

パートナードラゴン名、リック。前へ。」


名を呼ばれたレイズは、屋上にいるリド、バリィ、サクラの前に歩みでた。


「レイズ・アルキルのドラゴンを此処へ。」


リドがそう指示すると、ドラゴン用の巨大な入り口から、口輪と鎖のついた首輪をはめたリックが連れられて出てきた。


「それでは、これよりレイズ・アルキルの昇格審査を開始する。」


リドがそう告げると、リックは鎖を引かれ、前に歩み出てきた。

そこで、レイズはリックの様子がおかしいことに気付いた。

首をブンブンと振ったり、前肢で顔を引っ掻いたりしていた。


――もしかして…


「ちょっ、レイズ何してんだよ!!」


レイズは「リック、ちょっと頭下げてくれ。」と言って、手を伸ばした。そして、リックの口輪に手をかけて、そのまま取り外した。

リックは口輪が外れると、嬉しそうにレイズの顔に頬を擦り付けた。


「……レイズ・アルキル、もう進めても?」

「あ、はいっ!!」


レイズが慌てて前を向くと、リドが審査内容の説明をした。


「これから自身のドラゴンと共に、向こうの山まで、私がこれから示すものを探してきてもらう。

騎乗帯も自分で装着すること。山に行って、帰ってくるまでの制限時間は三十分。それまでに戻ってこれなかった場合、問答無用で失格と見なす。宜しいか?」


レイズは頷くと騎乗帯を受け取り、リックに装着した。


「レイズ・アルキルに探してきてもらうのは、この鍵だ。山には幾つかの鍵があり、その中で本物は一つだけ。……それでは、始め!!」


「よし、……リック、いくぞ、飛べ!!」


レイズがそう言うと、リックは大きな咆哮をあげ、力強く羽ばたいた。


リックは強風と雨をものともせず、ぐんぐんスピードと高度を上げていった。


「レイズ!リック君を信じて、頑張ってね!」


途中、ダークドラゴンに乗ったサクラが待ち受けており、いつもの笑顔で励ました。


「ああ!!ありがとな!!」


レイズはサクラに向かって拳を高々と突き上げた。





レイズとリックは暴風雨の中、力強く進んでいった。

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