表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DRAGON MASTER  作者: ALICE
ドラゴンと昇格審査
2/37

レイズとリック

獣舎のなかには既に何人かの生徒がドラゴンとの訓練を始めていた。レイズも自分のドラゴンの元へ向かった。


「おはよう、リック。」


レイズが開けた扉の先にいたのは、薄い紫の色をしたドラゴンだった。頭には2本の角が生え、長い尻尾、前肢が他のドラゴンとは異なり、翼となっている。“ワイバーン”というドラゴンだった。

リックと呼ばれたワイバーンは、レイズが扉を開けた途端、三メートルはあろうかという巨体を低く屈め、うなり声をあげ始めた。


「お、落ち着けってリック!」


レイズがリックに一歩近付いたその時、リックがレイズに向かって襲い掛かってきたのだ。


「うわっ!!」


レイズは間一髪、リックの鋭い牙を避けた。


「はぁ…、危ねぇ…。リック~、どうしたんだよ~…。」


そう、レイズが審査に合格できない訳、それは

“まだリックと信頼関係を結べていない”

為だった。此処に入所して既に一年半、未だにリックとの絆を結べていないのだ。


「はぁ……。」


レイズがリックの小屋の前でため息をついてしゃがんでいると、後ろから声をかけられた。


「あれ?レイズ先輩?なにやってるんですか?」


振り返ってみると、一匹のドラゴンを連れた少女がいた。セミロングの黒髪に、ぱっちりとしたオレンジの瞳を持つ、背の少し小さな少女だった。


「ああリリカ…。」


リリカと呼ばれた少女は、レイズとリックを交互に見た。


「まだリック君のことで悩んでるんですか?」


「ああ…。だーもう!!何でうまくいかないかなぁ~!」


レイズは頭をわしわしと掻いた。そんなレイズを見て、「あっ!」とリリカが何かを思い出したように言った。


「先輩!!知ってますか?今日“ドラゴンクイーン”が此処に来るらしいですよ!!」


「ど、ドラゴンクイーン?」


レイズが首をかしげると、リリカは驚いたように言った。


「先輩知らないんですか!?ドラゴンクイーンとは、エンシェントドラゴンから知識を授かり、ブラックドラゴンを乗りこなす、伝説の人ですよ!?」


「うーん…聞いたことあるような…。で、それがどうした?」


「その人に仲良くする方法を教えてもらえばいいんですよ!!」


「はぁ!?」


レイズは思わず大声で聞き返した。


「いやっ、無理むり…」


「先輩、頑張ってください!!」


リリカは、良かった良かったと言うような顔をして、自分のドラゴンと外に出ていった。一人残されたレイズは、


「ドラゴンクイーン……、どんな奴だろ…。」


そう呟いて、リックの檻に寄りかかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ