72.八柱会
side???
「連絡が入った」
「場所は」
「商店街の方で友人の護衛をするらしいわ」
「何から護衛するんだい?このご時世に」
「自分の妹だそうよ」
「…そうかい。妹…紅 蒼はまた手に入れることは出来そうかい?」
「無理ね。護衛がついてるでしょうし、それに彼女自身有能過ぎる。私たちの手に余るわね」
「なるほど。それは残念だ。ライの奪還は出来そうかい?」
「すでに彼は重要参考人として本部に持ってかれた。奪還なんて無理よ」
「…ふーむ。どうも、時の迷子の勘が良過ぎだと思えば、今度は立て続けにこちらにとって不利な状況が続く。これも神の御意志かな?」
「何を言ってるの?その神の御意志に選ばれなかった私たちにとって、信じるべき神はただ一柱。“デウス・エクス・マキナ”様のみ。不利も何も無い。私たちはマキナ様のために出来る事をするだけよ」
「そうだね。…そうそう、彼女はどうした?」
「彼女?…ああ、ライと一緒に行動したあの子ね。部屋に引きこもってゲーム三昧よ。『私はもう戦場には出ないー!』とか言って」
「はははっ。元気そうでいいじゃないか。僕らもそのぐらいの元気でいかなきゃ」
「…私にあのテンションは無理ね」
「そう簡単に諦めるもんじゃ無いよ」
「うるさいわね。私の勝手でしょ」
「…しょうがない。なら、君が焚き付けた陽桜 烈はどうだい?」
「彼にはポントスのエクス・ギアを渡したわ。まあ、いいように動いてくれるはずよ。マキナ様は午後丁度に“紅 紅だけが”エルボスに行くと御告げされた。だから彼にも午後丁度に接触するよう言っておいた」
「ふむ…少しは時間が稼げるか」
「ならどうするの?“ウェザー”」
「…決まっている。八柱会を開くぞ」
「…今更だけど、どこの神様とか関係なく選ぶのってどうなのかしらね。ギリシア神話やら日本の神やらごちゃ混ぜだけど」
「実力社会だ。…まあ、我々はその実力に恵まれなかった集団なわけだが」
「…すぐにメンバーを招集するわ」
「よろしく頼む、“ダーク”」
「…中二くさいわね」
「言うな。マキナ様の方針だ」




