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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
ゴールデンウィークでの日常
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43.有能にして最凶

皆はゴールデンウィークをどのように過ごすだろうか。

家でゆっくり。友達と遊びに出かける。お泊り。旅行。自分探しの旅などなど、いろいろな暮らしがあるかもしれない。

そういう俺はどう暮らしてるかって?

そうだな。基本は


「あ~、生肉うめえー」


野宿だな。

いやいや、マジで。休みの日は基本外出だぜ?そんな描写一度も無かったけど!

でもしょうがないだろう?蒼が俺がアパートから出る時もこう言ってきたんだ!


『あ、お兄ちゃん。お兄ちゃんが帰って来た時の為に、“私を”用意しておくから!』


てさ!

普通「ご飯にする?お風呂にする?それともわ(ry」だろ!?なのに蒼は一気に順番飛ばして、いや、それ以上に「私を食べて」の一択だぞ!?逃げ道封鎖か!

だから俺はゴールデンウィーク中は外で暮らす。休みが明ければあいつも帰るはずだ。


「もやしうめー」


そして、今の俺は肉ともやしで命を繋ぐのだった。…俺は生き残れるのか?





晶side

さて、どうしようか。


「…………………………」


殺気常時開放中の蒼ちゃん。


「しょ~」


弱々しく僕の名を連呼する焔。


「…暇ねー」


マイペースな輝雪。

…噛み合ってない!

え?何なのこの張り詰めた空気?紅がいないだけでこんな事になるの?


「…おい、女」


途轍もなく重々しいドスの効いた声を出すのは蒼ちゃん。僕の事は“晶さん”。焔の事は“泥棒猫”。つまり、この空間において“女”と呼ばれるのは、


「何よ」


「お兄ちゃんと相棒(パートナー)って言ったわよね」


「それが何か?」


「何をやってるのよ」


「ん?風紀委員」


事実だ。輝雪も嘘を言ってるように思えない。


「あと、さらに言うなら私のお兄ちゃんもいるから相棒(パートナー)というよりだったら仲間(チームメイト)ね。誤解したならごめんなさい」


これも本当。おかしな所は無い。無い、はずなのに…


「…嘘」


「…は?」


「嘘よ!嘘嘘嘘!絶対に嘘!」


「いや、本当何だけど…」


「蒼ちゃん落ち着いて!」


お兄ちゃんっ子である蒼ちゃんが、いったい何を感じたのかはわからない。でも、言ってる事に嘘は無いはずだ。


「まだ隠してる!絶対何か隠してる!わかるもん!お兄ちゃん変わったもん!高校に入学してまだ一ヶ月ぐらいしか経ってないのに、雰囲気が違ったもん!」


蒼ちゃんは何を言ってるのだろう。どうして、そんな事がわかるのだろう。

だが、輝雪は態度を変えずに言い切った。


「んなもん無いわ。あったとしても、あんたには関係無い」


「あるもん!お兄ちゃんの妹だもん!」


「人は誰だって隠したい事はあるわ」


「私とお兄ちゃんの間にそんなもの無い!」


「…話にならないわね。頭を冷やして出直しなさい」


「あ!こら逃げるな!」


「蒼ちゃんダメだよ!」


ああもう!今日は荒れるなー!


輝雪side


「ふぅ」


流石に動揺しかけたわねー。私も人の事言えないけど、伊達にブラコンじゃ無いってことか。


「あんな有能にして最強、いや、最凶かな?そんな妹がいるなんて紅くんも大変だねー」


「俺も、お前みたいな自分を簡単に偽れるような奴が妹だと思うとゾッとするがな」


あー、


「やーねーお兄ちゃん。私はお兄ちゃんの事が世界で一番大切なんだから騙すにしてもお兄ちゃんには絶対に害は無いから」


「騙す事は認めるんだな」


ぐっ、そこはスルーしてほしいな。


「そういうお兄ちゃんこそ急に現れないでよ」


「急じゃない。結構前からいた」


「私が言ってるのは…ああ、もういいや」


お兄ちゃんの気配を日常的に消すのは、もう癖みたいなもんだし今更注意したところでどうにかなる問題じゃない。

で、今の問題は。


「じゃ、本題。あの子、“こっちに”関わってくると思う?」


「ゴールデンウィーク中という期間を考えれば、まず無い」


そう。ゴールデンウィークを乗り切れば大丈夫のはず。


「だが、あの感じだと夏休みに冬休み、最悪、三連休にでもなれば来るかもしれん。三年間、隠し通せるかは、微妙…いや、もうお前が疑われてるなら俺も疑われてる。なら、いつになるかはわからんが、遅かれ早かれ、いつかは気付かれるだろう。何故なら、紅 蒼は、有能にして最凶なんだからな」


「そのフレーズはいいから…」


「案外、的を得てると思うがな」


たしかに、あのスペックはちょっと洒落にならない。多分、戦闘経験の差で今なら押せる。晶くん程に一撃の重さは無い。けど、


「ああいうのって、暴走とかしたら止められないのよね…」


あの子は紅くんが好き過ぎて紅くんが見えてない。恋は盲目とか言うけど、もはや失明レベルだ。

バレて、紅くんにやめるように言って、紅くんがそれを拒否したらどうなるかわからない。


「…こんなゆっくりできないゴールデンウィークは初めてだわ」


「全くの同意だ」


「で、どうする?皆には説明する?」


「した方がいいだろう。こっち側に関わる可能性のある人間が、すぐそこにいるんだからな」


「じゃ、夕食の後にでも言いますか」


そう言って、自分たちの部屋へと戻る。ずっと廊下で話してたわけだが、ドアはしっかり閉まってて防音はしっかりしてるだろうし、何より、お兄ちゃんの気配察知に引っ掛かれば、お兄ちゃんが話を切るはずだ。


「はぁ。今はどこに向かってるんだろう」


HAPPYENDかBADENDか。全ては紅兄妹に掛かってるのよね。

ま、刺激の無い毎日よりはいいんだろうけどね。

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