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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
ゴールデンウィークでの日常
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42.蒼い衝撃

新しい章です。またグダグダになるかもしれませんが、読んでくださっている読者の方々は、これからも暖かい目で見守っていただけたら幸いです。

さて、真面目な挨拶はこれぐらいにして、今回は紅の妹、蒼のターンです!

(クレナイ) (アオ)

14歳、誕生日をまだ迎えていない。

誕生日は0123で1月23日。

運動神経万能成績優秀才色兼備八方美人完璧超人…

こいつは本当に実の妹か疑わしく思う時がある。

元々の性格は冷めてる。小学5年の夏の終わりぐらいから今のような性格に変わったが、根っこの方は全く変わっていない。何事にも興味が無さそうで、何でもできるのに何でもやらない。何でもできるという事を、何でもできない風に見せる為に使う。

こいつの学校での評価は「人当たりが良く、明るく元気な美少女」だ。

実際は、「俺、(クレナイ) (コウ)以外に興味が無く、頭はすでに高校までの内容なら網羅し運動神経は高校生レベルで個人技であればどれも上位入賞が狙え、さらにルール無しの喧嘩では氷野(ヒョウノ) (ショウ)にも匹敵する」だ。

そして、普段は何をされようと滅多に怒らないが、そんな蒼を一発で爆発させる地雷がある。

俺こと紅 紅だ。

さっきから自分にしか興味ないとか、自分が地雷だとか何を言ってんの?と思う者もいるかもしれないが、しょうがないだろう?

目の前で、実際に俺のせいで争いが起きてるんだから。


・・・

・・


「死ね!お兄ちゃんに色目使う女は皆死ね!」


「僕は男…だああああ!!」


足が、拳が空気を切り裂き、棍が空気を貫く。

放ち、受け、伸ばし、避け、一進一退の攻防が続く。と言っても、晶は蒼にいくらか恩があるため、全力で相手をする事ができない。


「ここ!」


「っ!?」


一瞬だった。

蒼がツインテールにしていた髪を、リボンを解き一気に解放した。纏められた髪はばらけ、蒼が晶に背を向ける。髪は壁となり、晶の視界を狭め、蒼の姿を隠す。

一瞬の躊躇による間、そして隙。蒼が見逃す筈も無かった。


「勝った者が…正義!」


「くっ!」


全身をバネのように使った右ストレート。晶は防ぐが、完全には防げず、ガードが空く。晶に、蒼の攻撃を防ぐ術はもう無い。


「イコール…負けた者が、悪!」


「か、はっ…!」


全身の勢いをそのまま、体を回転させ回し蹴りを放つ。晶は受ける事ができず飛ばされた。


「晶!大丈夫か!」


「晶!晶!」


「うん…。何とか…」


駆け寄って晶を起こす。どう見ても大丈夫じゃない。


「さあ、さっさと荷物纏めて出て行って!今日からここは私とお兄ちゃんの愛の巣になるんだから!」


「なってたまるか!」


こいつは俺の何処が好き何だ?


「何でよお兄ちゃん!」


「俺とお前は血の繋がった兄妹だろう!?」


「愛は全ての障害を乗り越えるんだよ!」


「乗り越えられてたまるか!」


「愛は不可能を可能にする!」


「俺とお前には血の繋がりという絶対的な壁があるからな!?」


「壁は壊すためにあるんだよ!」


「初めて知ったわ!」


「勉強になったね!」


「というか壁は遮る為にあるんだ!」


「いつからそこに壁があると錯覚していたの」


「錯覚じゃねえ!事実だ!」


「もう!何で私を受け入れてくれないの!?」


「お前が異常で俺の妹だからだ!」


「私はお兄ちゃんの為に体を毎日綺麗にしてるのに!」


「せんでいい!」


「え?汗臭い方がいいの?お兄ちゃんって臭いフェチ?」


「違う!お前も焦ったような顔をするな!」


「わかった!じゃあ私の処女もお兄ちゃんにあげるね!」


「い・る・か!」


「処女だけじゃ足りないって言うの!?」


「話を聞け!」


「うぅ…は、恥ずかしいけど、お兄ちゃんの為なら私の初めて、全部お兄ちゃんにあげるよ?」


「アホかああああああああああああああああああああああ!!!」


「さあ、激しい夜を過ごそうよ!」


「過ごしてたまるか!」


「私、いっぱい勉強したから!お兄ちゃんを気持ちよくしてあげるから!」


「そろそろ殴るぞ!」


「お兄ちゃんの愛ならどんと来いだよ!」


「愛じゃねえ!仕置きだ!」


「調教だね!」


「うがああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


こいつ疲れる!マジで疲れる!何か俺に恨みでも持ってんの!?


「恨みじゃ無くて愛だよ」


「心読むな!」


「お兄ちゃんの為なら私は悪魔でも魔神でもはたまた破壊神にだってなるよ!」


「なるな!」


「お兄ちゃんの【ピーー】下さい!」


「堂々と言うな!」


「むう!もう力付くだよ!」


げっ!?俺は咄嗟に逃げ出すが、


「残像だよ、お兄ちゃん」


「お前は本当に人間か!?」


「“まだ”人間だよ!」


「お前の未来が不あぐ!?」


転ばされ、マウントを取られる。腕は固定され、動かせない。


「はーなーせー!」


「ふふ、さあお兄ちゃん。一緒に楽園(パラダイス)へイこう」


顔が近づく。逃げれない。え?BADEND?

嫌だ!誰か、誰か来てえええええええ!!

そして、願いが届く。


「やほー、遊びに来たよー。て、修羅場?」


木崎(キザキ) 輝雪(キセツ)

め、女神!


「新しい…女?」


そして、ゆっくりと立ち上がる蒼。あれ?これやばくね?


「誰その子?」


「こんにちわ。紅 蒼と言います」


「何だ。(コウ)くんの妹か」


「…下の名前」


「私は木崎 輝雪。紅くんにはいろいろお世話になってます」


蒼の目が濁る。もう殺人者の目だ。


「質問ですが、お兄ちゃんとはどういう関係で?」


「うーん。相棒(パートナー)、かな」


「そうですか」


あ、やばい。


「あ、そうそう。蒼ちゃん」


「輝雪!危ねえ!逃げろ!」


呑気に喋り続ける輝雪。だが、蒼はすでに動いていた。が、


「殺気、ちゃんと隠したら?」


輝雪は体を逸らし、急には止まれないようなスピードで突進する蒼に足を掛け、転ばした。


『………は?』


蒼は受け身も取れず、勢いも殺せず、そのまま壁へと激突した。蒼も、何が何だかわからないという顔だ。


「攻撃。バレバレよ?」


この空気の中で、輝雪は平然と言ってのけるのであった。

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