3.やっぱり夜は危険
その後、俺たちはクラスで自己紹介したり、入学式を始めたりなどして昼には解散した。
ん?描写が無い?クラスメートは必要とあらばいつか話すだろう。入学式は…校長の話しが聞きたいか?
そんな感じで今は三人で帰ってる途中だ。木崎は別のクラスの兄を待つらしく、残った。
「てことで、帰るか」
「そうだね」
「帰りますか」
ああ、帰ったら荷物整理とかやらなきゃな。かったりー。
・・・
・・
・
俺たちはアパートに着き、俺の部屋へと向かう。というか、いつまで着いてくる気だ?
…て
「荷物多!?」
それが最初の感想だった。
というか多すぎだろこれ!?こんなに送った覚えはねえぞ!?
「あ、それは」
「私たちのだよ♪」
「聞いてないぞ!?」
驚愕の事実だ。
「あらあら、どうしました?」
と、声をかけてきたのは東雲舞さんだ。このアパートのオーナーだ。
年齢は32歳らしい。最初にいた時は即座に地雷踏んだ!と思ったのに意外と普通に教えてくれた。だが、驚くべきはそこじゃない。
なぜならこの舞さん。見た目がかなり幼い。もはやこの人の時間は止まってるんじゃないかと思うぐらい。多分、小6でも通じると思う。
「舞さん。俺、こいつらが俺と同じ部屋に住むとか聞いてませんよ!?」
「大丈夫ですよ~。ルームシェアの許可は出しましたし、家賃も払ってくれるようなので~」
俺が聞きたいのはそこじゃない!て、もういいや。聞いたところで無駄だ。
それにしても、家族と一緒にいると迷惑かけるから、という理由で一人暮らし始めたのに。こいつらは分かっているのだろうか?
・・・
・・
・
「こっちは片付いたぞー!」
「「はーい」」
うん。とりあえず俺の分は終わった。というかもう夜だ。
ついでに夕食はすでにいただいた。というか舞さん。料理マジ上手。多分店が開けるぞ。他の住人にも紹介された。本当は俺たちの他にもう一組部屋を借りた奴らがいるらしいが、用事で遅くなるとのこと。他の住人に関しては後日教えていくとしよう。
「何か買ってこようか?」
「じゃあ、ファンタグレープ!」
「お茶をお願いしようかな」
「りょーかい」
俺はサイフを持ち外へと出た。
・・・
・・
・
ウイーン
「全くまいるぜ」
俺は現在、ロー○ンにて買い物を終えたところだった。俺が悪態をつくのは、ここにたどり着くまでの経緯にあるだろう。
不良に10回ぐらい絡まれたぜ?自動販売機もなぜかあいつらが頼んだ飲み物だけ売り切れだった。車にも引かれそうになったし。やはり夜は危険だ。
「さーて、早く帰ろ、う?」
そこで俺は見た。裏路地に血だらけの女の子がいることに。
「!!!」
どういうことだよ!?というか裏路地とかベタ過ぎんだろ!て、とにかく助けねーと!
「おい!大丈夫か!おい!」
「……う」
幸い意識はあった。
「何があった。というかこの血…」
「……て」
「え?」
「逃げ…て」
そう、少女が呟いた瞬間だった。
バキーン!
金属が割れたような音が俺の聴覚を埋める。景色もどんどんと変わっていく。
どういうことだ?なんなんだよ!
「クソ、とにかくここから離れねーと!」
少女を抱え裏路地を出る。そこで見た景色は、もう現実世界といえるものでは無い。空も暗かったはずなのに、血のような色合いをしていた。
俺の思考は驚きでいっぱいだ。そのために、後ろの存在に気づかなかった。
「ワォオオーーーーーーーーーーン!」
「うわあ!?」
そこにいたのは巨大な狼。というか絶対に現実にはいない生物だ。
「どういう…ことだよ」
ただ、呻くことしかできない。
「ええ、見つけたわ。でも、どこから紛れたかは知らないけど、ちょっと知り合いが。え?ああ、クラスメート。その子が抱えているわ。うん。分かった。それじゃあ」
そして俺は自分を見下ろしてる存在にも、また気づかなかった。
「それじゃあ、見せてもらおうかしら?」