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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
風紀委員としての日常
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37.風紀委員の初仕事 紅side

「じゃあ、よろしく」


「うす」


「りょーかーい」


「了解した」


時刻は放課後。初任務だ。俺、輝雪、和也は九陰先輩のところにいた。

俺たちは校内の見回りだ。


「つっても、この高校って普通じゃん」


たいしてやる事も無いような。


「本当にそう思ってる?」


何か九陰先輩が意味深な事を言ってきた。


「どういう意味すか?」


「この高校が普通?そんな幻想、さっさと捨てた方がいい」


『…………………………』


急に不安になる。


「ええと、九陰先輩。この高校って実際はどんな学校なんですか?」


輝雪が聴く。


「理不尽非合理なんでもござれ。無茶苦茶が売り文句の問題児学校」


九陰先輩が答える。


「…………………………」


和也がこめかみを抑える。


「ふざけんなあああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


俺が叫ぶ。


「全てはまやかしよ。校長がそういう風に流してるだけ。…なぜか変な人ばかり集まるけど」


「…終わった。俺の高校ライフ」


落胆。


・・・

・・


「…………………………」


「まあ、ファイト」


「気の毒だ」


あの後、九陰先輩は街の見回りに行った。校内には九陰組と呼ばれる俺、輝雪、和也の三人に青水組と呼ばれる三人の計六人でやるらしい。校内と言っても、高校の敷地内を見回るため、それなりの人数が必要らしい。


「じゃあ、ここで別れて行くか」


「そうね」


「いいぜ」


いつまでも悔やんでられないか。やるとなった以上はやらなきゃな。


「それじゃあ、解散」


・・・

・・


「…とは言っても」


ぶらつくだけってのはな~。

…体育館にでも行ってみるか。

…て、


「待ってください!」


「うん?」


体育館に向かう途中で女子生徒に止められた。


「あ、あの。今いいですか?」


「無理。仕事中だ」


そう言って体育館に向かっ


「少しだけでいいので!お願いします!」


「…はぁ」


嫌な予感しかしない。


「で、何?」


女子生徒がこちらに近づいてくる。


「わ、私、あなたの事が…」


そして、嫌な予感は的中した。


「大嫌いです!」


「知ってるよ」


パシッ!という乾いた音が鳴り響いた。別にぶたれた訳じゃ無い。相手の手首を掴んだのだ。

…手にはナイフが握られてるけどな。

最初から殺意やばいし、来るとわかってる攻撃は簡単に対処できる。


「チッ」


(アホ)は足を蹴り上げる。金的とは惨いな。まあ、先に右足上げて踏みつけるけど。

そして一気に距離をとる。


「刃物はアウト。人に向けてもアウト。レッドカード。さっさとご退場願おうか」


「何の証拠があって言うのよ!」


「今のお前の状況」


「ふん。私がナイフを持ってあなたを襲った。だから?あなたの言葉を誰が信じるかしら?」


「全員だろ」


「そうかしら?私があなたを嫌う理由、それはあなたが私の彼氏をボコったからよ。私の彼は人気でね。私が頼めばすぐに皆をまとめてくれるわ」


ボコった…ああ、体育館騒動の時か。誰か知らんけど。


「今回の事も彼氏が頼んで来たからやったと」


「そうよ」


「ついでに彼氏は誰だ?」


「処分対象だから?教えるわけないじゃない」


「そこまでバカじゃ無かったか」


「…どういう意味?」


「お前がどうしようもなくバカだって事だ」


「なっ!?」


ポチッとな。


『刃物はアウト。人に向けてもアウト。レッドカード。さっさとご退場願おうか』


『何の証拠があって言うのよ!』


『今のお前の状況』


『ふん。私がナイフを持ってあなたを襲った。だから?あなたの言葉を誰が信じるかしら?』


『全員だろ』


『そうかしら?私があなたを嫌う理由、それはあなたが私の彼氏をボコったからよ。私の彼は人気でね。私が頼めばすぐに皆をまとめてくれるわ』


『今回の事も彼氏が頼んで来たからやったと』


『そうよ』


『ついでに彼氏は誰だ?』


『処分対象だから?教えるわけないじゃない』


…ここら辺でいいか。


「で、弁明は?あっても聞かないし生徒指導室にぶち込みけど」


「ちょっと待ってよ!何時の間に!?」


子どもの頃、よく練習したっけ。蒼に『一番の証拠は相手自身の証言。いつでもここぞという時に録音する技術があれば勝ったも同然です』て。…役立ったの晶のイジメの時ぐらいだけど。…どうでもいいけど、蒼もキャラ変わったよな。


「あ、そうだ!話し合いをしましょう!」


「別にいいが、ナイフを持って襲いかかった時点で停学は行くんじゃないか?間違ったならともかく、狙ってやるなんてさ。もうスリーアウトチェンジだろ」


俺もナイフが来るとは思わなかったが。


「くっ」


「恨むなら彼氏と、実行力した自分自身を恨め。それじゃあ生徒指導室まで行こうか。…逃げようなんて思うなよ」


軽くドスを効かせて言う。相手は完全に怯えたようで、素直に言う事を聞いてくれた。

…このワンシーンだけ見たら、悪役がヒロインの弱みを握っていて、仲間を裏切らせる図だよな。ワンピ◯スのロ◯ンみたいな。…少し違うかどうでもいいか。

こんな感じで、一人確保した俺。…初日からこんなって、大丈夫なのかこの高校?

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