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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
普通だった日常
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2.新しいクラス。新しい出会い。

ガヤガヤ…

何だ…この人混みは…。

現在俺たちは一葉高校の玄関前にいるんだが、そこはかなりの人数で占められていた。


「うっわー、凄い人数」


「今年入る生徒の殆どはいるだろうね」


「これじゃあ、クラスがわからねえぞ」


そう、クラス分けの結果は玄関先にある。

友人、知り合い、クラスメート。まあ、いろいろあるだろう。クラス分けの結果に一喜一憂する奴が殆どで、なかなか人が減らない。

しょうがないから人混みの中を無理矢理進もうと…


「誰あの子?可愛くない?」


「うわー、俺この高校選んでよかったー」


「というか真ん中のあいつだれ?」


「クソ、俺と代われ!」


「リア充爆発しろ」


うん、やめよう。幼馴染に何か起こるかもしれないし、何より俺の命が心配だ。


「しょうがない。秘密兵器を使おう」


「何だよ焔。そんなのあったのかよ」


「テレレッテレーン♪双眼鏡~♪」


「なるほど、それを俺が覗いて」


「これを私が覗きます」


「見えねえだろ!どうやってやるんだよ!」


「紅、肩車」


「嫌だよ!」


「よいしょっと」


「あ!おいこら!勝手に」


「後ろ見たら殺すからね」


「理不尽だ!」


「……二人とも、とりあえず注目を浴びてる事に気付こうね」


晶に言われて気付く。視線が痛え。はたから見たら美少女二人と絡む変態だろう。


「……クソ、早くしてくれ」


「はーい♪」


楽しそうだな!クソ!

そして、焔が双眼鏡を覗いて少しすると、


「あった!私たち全員3組だよ」


「よし行こう。さっさと行こう」


「同意だね」


俺たちは人混みを抜けてすぐさま教室へと移動した。


・・・

・・


「席は…自由なのか」


教室に入ると人はちらほらと居たが、やはり殆どはまだ玄関に残ってるのだろう。席は特に決まってないようだ。ということで、俺は窓側の一番端の席に座った。焔は俺の横、晶は俺の前だ。

三人でたわいのない話を続ける。


ガララ!


「そこの君!匿ってくれない!?」


「へ?俺?」


「君以外にだれが…て来た!」


「て、おい!」


謎の女子生徒は俺の後ろに隠れる。その後に物凄い足音が……


「ここかーーーーーー!」


「見つけたーーーーーー!」


うん、変な奴が来た。正しくは、奴“ら”だが。十数人の男子生徒が乱入してきた。


「な、何だあ!?」


「不幸を呼ぶことはあっても巻き込まれる事は少ない紅にしては珍しいね」


「いつも巻き込まれるのは夜とかなのにね」


たしかに日中から不幸に巻き込まれるのは珍しい。夜中なら日常レベルだけど。


「キザキさん!僕と付き合って下さい!」


「いや、僕と!」


「君を不幸にはさせない。約束しよう」


何かいろいろ言ってきてるが…。

とりあえずこの後ろの女子生徒はキザキというらしい。さて、どうしたものか…。


「いやよ!というか、あんた達の告白は十回に渡って断ってきたはずよ!」


モテモテだなこいつ!

だが、まあ。男としては好きな相手が諦めきれないというのはよく分かる。好きな奴なんていないけど。少しは同情してやっても…


「それに、あんたら全員ストーカーやら脅迫まがいやら誘拐やらやっておいて好きになれるはずないでしょ!お兄ちゃんがいなかったらやばかった時もあったんだからね!」


前言撤回。同情の余地は無い。というかお前の兄強いな。目の前の女の敵とでも言う奴らを一掃とは。あ、焔がゴミを見るような目でこいつら見てる。


「それでも好きなんだ!」


「I LOVE YOU!」


「というかそこのお前!キザキ様から離れろ!」


様!?様だと!?こいつ、どんだけ人気何だよ。

そして、何故か俺の方にも飛び火が…。


「ま、待て!俺はこいつとは何の関わりも」


「キャー!助けてー!」ギュッ


抱きつくだと!?こいつらの前でそんな事やったら…


「「「「「ファーーーーーーーーーーック!!!」」」」」


はい怒り買いましたー。そしてキザキとやら。そんな申し訳なさそうな目で見るな。何故か俺が罪悪感を持つから。


「テメエ!キザキさんから離れろ!」


「いったい何をやった!弱みを握ってるのか!?」


「卑怯者!最低だ!」


「…どうしてこう、好き勝手言ってくれるかね」


「えーと、ゴメンね?」


キザキという女から謝られてもなー。とりあえずこいつらを何とかしようと一歩前に出た時、


「すでに“二人の美少女”を連れてるくせに!」


おお、勝手に自滅した。


「“二人の美少女”?」


隣の晶からドス黒いオーラが…。


「お、落ち着」


「ねえ、二人の美少女、て誰のことかなあ?」


遮らないでくれ。


「そりゃあ、赤髪の子と君だろ」


名も知らぬ男子生徒は焔と晶に指をさし言う。


「そうか」


晶のテンションが絶対零度並みに低くなったぞ。こうなったらこいつには逆らえない。


「こいつら、僕がもらうよ」


「はい、晶様のお好きなように」


丁寧な言い方をしたのは俺だ。キャラが壊れてるとでも何でも言ってくれ。こいつには逆らえん。

晶は鞄から折りたたみ式のスティックを取り出す。長さは自分の身長ほど。晶はスティックをもって単身男達へと向かった。


・・・

・・


「「「「「「……………………」」」」」」ボロっ


「ふう、スッキリした」


恐るべし氷野晶。まさに鬼神が如き強さだった。

氷野晶に対し、女の子扱いする言動は禁句だ。言ったら最後、ボコボコにされる。


「強いのねー、あの子」


「一応言うが、女の子扱いする言動はあいつの前では言うなよ?」


「了解」


「あ、そういえばあなたの名前は?」


そういえば、自己紹介してなかったな。


紅紅(クレナイ コウ)だ」


氷野晶(ヒョウノ ショウ)です」


火渡焔(ヒワタリ ホムラ)だよ♪全員3組♪」


「そうなんだ♪私も3組何だ♪じゃあ、これからもよろしくかな。

私は、木崎輝雪(キザキ キセツ)

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