表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/248

23.東雲 舞

「ちわーす」


「こんにちわー」


「こんにちわ」


「あら。皆さんこんにちわ」


現在、管理人室、東雲(シノノメ) (マイ)さんの部屋にいる。いつも会ってはいるが、こうやって部屋に入るのは初めてだな。


「どうしました?」


首を傾げて、いかにも教えて欲しそうに尋ねる。こう見ると、本当に小学校と話してるように思えるから不思議だ。

まあ、それは置いといて。


「今、住居人の方々に挨拶して回ってるんですよ」


「あれが挨拶って言うかは微妙だけど、いろんな意味で衝撃的だったねー」


「ははは。そうですね。それで今、刀夜さん、という方にまだ挨拶してないのですが、何故か逃げるように何処かへ行ってしまって」


「暇だったんで、ここに来てみました」


「紅。はっきり言いすぎだよ」


でも、刀夜は何故逃げるように何処かへ行った?そもそも、逃げるって何から?あの状況だと、冷華さん?…まさかな。


「あらー。刀夜くんは、また逃げたんですかー」


「何からですか?」


「決まってるじゃないですかー。冷華さんですよー」


嘘…だろ?

え?何?あの人の反応はすっごい常識人だったよ?

そんでもって刀夜は、(ジェネラル)を秒殺するような化け物だぜ?No.2だぜ?

何処に逃げる理由が?


「刀夜くんは昔、冷華さんと付き合ってたんですよー」


『は!?』


三人の声がハモる。


「どどど、どういうこと!?」


「え?え?付き合ってたんですか!?」


「じゃあ、何で逃げるの!?」


「それはですねー」


舞さんは少し考えて、花のような笑顔を見せたあと、


「本人から聞いてください」


と、楽しそうに言った。せ、殺生な!


「えー?舞さん、いいじゃ無いですかー」


焔が不満そうに言う。


「ふふふ。後のお楽しみです」


「私は好きな物は最初に食べるタイプです!」


「あらあら」


舞さんは楽しそうに焔と会話すてる。そういえば、晶は?


「……………」


「?どうした、晶」


晶は部屋のある一点を見ていた。


「あ、いや。あれ、何かなー、て」


「あれ?」


晶が見ている方向を見る。そこには、少し大きめの黒い缶が置いてあった。

…黒い缶?何処かで見たような?


「何だろう?」


晶が、その場から立ち、その缶に近づく。

あれは、たしか……


『まさか…空間交差(ディメンションクロス)!?紅、逃げて!』


パズズのセリフが脳裏にフラッシュバックする。


「晶ストオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!」


「うわあ!?」


やべ。つい大声を。


「どうしたのさ紅。君はこれを知ってるの?」


「いきなり大声出すなんて、紅らしくないね。どうしたの?」


くっ!なんて切り返すのが正解なんだ!


「い、いや。人ん家の物、勝手に触るのはまずいだろ?そんで、つい」


「わかってるよ。別に触る気は無いけど」


「あ、ああ。そうか?ならいいんだ。うん」


「紅、どうしたの?」


やばい。疑われてる。


「別に何とも?」


「ふーん」


疑いは晴れない。どうすればいいんだGOD!


「あらあらー。ごめんなさいねー。私が言ったのよー」


ここで舞さんからの援護!やばい。後光が見える。


「舞さんが?」


「はいー。前に少し手伝ってもらってー。でも、あまり知られたくない事なので黙ってもらってたんですー」


「でも、凄く反応してたよ?」


「詳しくは話せませんがー、それー、とっても危険なんですよー。取り扱いには注意が必要なんですー。紅くんもー、身をもって知ってるのでついー、という感じかとー」


相変わらずほのぼのと喋る舞さん。

そして、たしかに知っている。危うく吸い込まれるところだった。


「そうなの、紅?」


「あ、ああ。悪い」


「なーんだ。もう、ちゃんと言いなよー」


晶と焔が交互に声をかける。

はあ、助かった。舞さんマジ感謝。


「まあまあー。とりあえず皆さんお茶どうぞー」


ニコニコと言ってくる舞さん。この人が本当に魔狩りでNo.1の実力者とは思えない。

その時、


「ニャー」


「可愛いーーー!」


そこには、紫色の瞳を持つ。決して普通では無い雰囲気を漂わす茶色の猫がいた。

この子が、舞さんのパートナー。


「舞さん舞さん舞さん!この子の名前何て言うの!」


興奮し過ぎだろう。


「その子はー、キラって言うんですよー」


「へえー!よろしくねーキラくん」


早速、撫でたり持ち上げたり、焔は猫を愛で始める。


「おいおい」


「あはは」


幼馴染と言えど、毎度この風景は圧巻だ。


「あらあらー。それじゃー、ちょっとお茶入れますねー」


そう言って、キッチンへと向かう。


「ふにゃ~」


「おーい焔、お前が猫になってどうする」


まるで、猫耳と尻尾が付いたような錯覚を覚える。


「持って来ましたー」


そこに、舞さんがお茶を持ってきた。

…のだが。


「きゃっ!」


『は?』


ビシャッ!と音が鳴る。

気付いたら、俺と晶は濡れていた。


「あわわー、すいませんすいませんー」


慌てながらも喋り方を変えないのは流石と言えた。

それにしても、舞さん。最後の最後でやってくれるぜ。せめてもの救いは、麦茶だったって事か。

そこで、こちらを凝視してる焔に気づく。


「どうした焔」


「あ、いや。…なんか、今の紅と晶を一緒に見ると、犯罪みたいで…」


犯罪?…あ。

見た目不良の俺に、見た目美少女の晶が濡れた状態で一緒にいる。犯罪かどうかは知らんが、勘違いされても仕方が無い状況だ。

だが、晶の前でそれは禁句だ。


「…焔。それ、どういう意味?」


同じ答えに辿り着いたのであろう晶の声は、絶対零度の冷たさを持っていた。


「あ!いや、これは!?」


慌てふためく焔。が、すでに遅い。


「焔あああああーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


「きゃあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!暴力反たあああーーーーーーーーーーーーーい!!!!!」


目の前で繰り広げられる暴力(ダンザイ)。その光景を見る舞さんはと言うと、


「あらあらー」


どこか困ったように、そして楽しそうに見ていた。

…敵わないなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ