表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
普通だった日常
2/248

1.俺の体質

俺の名は紅紅(クレナイ コウ)。…いつも思うが変な名前だ。

俺が現在向かってるのは俺が入学した高校、一葉高校だ。別にスポーツが有名とか、偏差値高いとか、そんな事は無い普通の高校だ。

俺がこの高校を選んだ理由、『帰ろうと思えばいつでも帰れるが家から離れてる』だ。

別に路上で暮らす訳じゃない。ちゃんとアパートも借りている。すでに挨拶もすましている。

つまりは一人暮らし。そんな事をやろうと思った理由はただ一つ。自分を見つめ直すこと、だ。

言っておくが変人の類では無いぞ?俺は少々厄介な体質でな、そのせいでいろいろ家族に迷惑をかけた。だから、一度親元を離れ、自分のこれからをゆっくり考えようと思ったわけだ。


「おーい!コーウ!」


「紅!こっちこっち!」


「…本当に来たのか、晶、焔」


こいつらの名前は上のセリフから氷野晶(ヒョウノ ショウ)火渡焔(ヒワタリ ホムラ)。俺の幼馴染だ。

人付き合いが苦手な俺にとっては好都合かもしれないが、こいつらといるのは苦手だ。理由は単に、二人の容姿だ。

焔は赤い髪に目。髪は長く、ポニーテールにしている。顔は整っており、可愛いと言えるだろう。中学時代、何度か告白されてたしな…。

そして晶だが…銀色の髪に青い目。髪は焔以上に長く、地面に付きそうだ。そしてなにより、こいつは童顔だ。端的に言おう。美少女にしか見えない。

だが、俺はと言うと、…不良だ。

別に俺が不良の訳ではない。見た目が暴力的だとか、そんな感じだ。

黒髪に緑の目。髪は無造作切られており目は鋭い。

ケンカは……あれは正当防衛だ。仕方ない。


「よっと」


「おいこら!この年になってまで乗るんじゃねえ!」


「いいじゃん♪ここは私の特等席なんだから♪」


「勝手に決めんな!」


簡単に言うと、焔が俺の背中にぶら下がってる。

俺の身長は168cm。焔は142cmと低い。20cmも身長に差がある。昔からそうだが、焔は俺の背中に乗りたがり、未だにやめない。


「…頼むから降りてくれ」


「だが断る」


「…テメエ」


「相変わらず仲いいね」


「晶も乗ればいいと思うよ?」


「遠慮しとくよ」


いつもと全く同じ雰囲気が作り出される。この三人でいる時が、何だかんだで一番落ち着くんだよな。

そんな時だった。


ププーーーー!!!


子どもが目の前で車に引かれそうになっていた。


「!!!」


俺の体は半ば勝手に動く。

前傾姿勢で一気の加速しダッシュする。体全体をバネにし勢いよく飛ぶ。子どもを抱え、車を避ける。


「っと」


とりあえず、一安心、かな。


・・・

・・

その後、俺の近くでいろんな事が起きる。ひったくり、強盗、犬が川で溺れてる……etc.

だが、おれは全ての出来事に対し、関係などしていない。

全て解決はしたが、関係無いものは関係無い。

昔からだった。俺の周りではいろんな事が起きる(特に夜)。

俺はこれを、“不幸を呼び寄せる体質”だと思っている。決して不幸体質ではない←ここ重要。


「にしても、早速だね」


「本当に紅の周りではいろんな事が起きるね」


少し真面目な顔をする二人。これが不幸体質ならまだ笑ってられるかもしれないけど、実際に不幸な目にあってるのは周りの奴らだ。


「いつもの事だろ?」


「そうだね。たしかに、君はいつも人を助けているね」


「紅のお人好し~♪」


「違うからな!?」


違う!断じて違う!俺はただ目の前で起こってる事なのに見て見ぬ振りとか、気分が悪くなるから行ってるだけだ。失敗した事だって少なくないし、これはもうただの偽善者だ。


「違うくないよ。紅は本心から助けたい、て思って助けてるもん。だから、絶対違う」


「ここでそんな宣言されても困るんだが…」


「まあ、僕たちもできる限りの事はするから、少しは安心して」


「……ありがとよ」


絶対こいつらの方がお人好しだ。普通なら、こんな面倒な事が周りで起きる奴となんて一緒にいないだろう。


「あ、学校だよ!」


焔が叫ぶ。おい、あまり叫ぶな。周りからの視線が痛いから!

こうして俺は、不安と期待が4:6ぐらいの割合の気持ちで、学校生活を始める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ