192.手紙
親へ。
元気か? 俺は元気だ。まあ、いろいろあって学生の身とは思えないような生活をしているがな。
アパートの住人はみんな優しくて、頼りになるし、出会えて本当良かった。大変な事もいろいろあるけど、支えてもらいながら何とかやっている。
本当、入学から今までの期間、俺が望んでた平和な日常というのはいったい何だっけと考えさせられるような、そんな毎日だ。晶ともめたこともあるんだ。あの晶とだぜ?
でも、そういう経緯を過ごして、自分じゃあ少しはマシな人間になったと思ってる。
だけど、今回ちょっと厄介なことになっちまってな。物理的な強さが必要になったんだ。
ということで、修行行ってきます。
いや、うん。
自分でも何でこうなったのかは全くわからない。気付いたら少年誌っぽく修行することになってた。察せ。
ということで、生きて帰るつもりではあるが、もしも何かあった時のためにこの手紙を残す。
逝ってきます。
紅 紅
*
「何だこりゃ」
どうやら我が息子は非常に面倒なことに巻き込まれているらしい。
まあ、これを青春として処理するべきかは迷うが……まああいつなら何とかするだろう。決して考えるのが面倒だとか、そういう理由ではない。
「まあ、あれだな。何事も経験のうち、ということだな」
そんなわけで、俺は手紙をダストシュートしていつも通り妻といちゃラブするのであった。
「水鳥ちゃーん。今日はなにー?」
「王道で鞭とロウソクなんてどうでしょう」
「マジで!? ひゃっほう!」
全俺が歓喜した。




