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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
領土戦での日常
186/248

185.脱出

「……鬼化から解放されたと言うのか? あり得ない……あり得ない」


 上から見下ろす男、ウェザーか。

 にしてもギリギリのタイミングだった。刀夜の雷を防ぐように真空の層を無理矢理作ったのはいいが、防ぎきれる確証は無かったしな。

 まあ、結果オーライだな。

 ……そんで、


「久しぶり……でもないか。よお、パズズ」


『……よお、じゃないですよ! どれだけ心配したと思ってるんですか!』


「悪かったよ。でも、説教は後にしといてくれ。今はまず……全員生きてここを逃げるぞ」


『……はい!』


「……逃げる? 逃げるだと」


 俺の言葉を聞いて、一気に顔を歪めるウェザー。

 ……やばいな。


「私がこれ以上失態を重ねるとでもお思いですか? だとしたら、大間違いですよ!!」


「っ!」


 奴の名はウェザー。

 わかってはいた。記憶にもある。

 だが、やっぱり実際に体験するとこれまた凄いな。

 天災。

 いくつもの災害が重なり、破壊の限りを尽くす。


「ちぃっ! パズズ! 風起こせ!」


『はい!』


 災害と言えどこっちだって力を持っているのだ。台風に対し台風をぶつけて相殺してやる。


「っ。台風抑えんので限界だ」


 天災の規模は想像以上だったが、台風は相殺することが出来た。

 だが、地震や洪水、落雷などはどうしようもない。落雷は周りは守れるが、さっきみたいに広範囲では多分もう無理だ。


「輝雪、九陰先輩、やるぞ」


「了解お兄ちゃん!」


「サポートは任せて」


『【硬化】!』


「特化!」


 地面に影が広がる。

 和也たちを中心に、円状に広がって行く。水の波紋のように。

 そして、影によって侵食された大地は地震を止めていた。


「お前ら……」


「帰って来たばかりの奴だけに仕事させるわけにもいかないだろう」


「そゆこと」


「問題ない」


「……さっきまで働いてたくせによく言うぜ!」


 問題は洪水と落雷……は問題無いな。


「皆!」


「冷華さん! あと刀夜も」


「……キサマは後でしばく」


「おい。目がマジだぞお前」


「洪水は凍らせた。雷も刀夜が対応してくれてる」


 さすが腐ってもNo.2。俺たちに出来ないことを平然とやってのける。そこに痺れるあばばばばば!


「てめえ! 肩を冷華さんに借りてる分際で何しやがる! 本気で痺れたじゃねえか!」


「……お前がくだらなそうな事を考えてるからだ」


 くっ。大体合ってるから何も言えねえ。


「その程度で、済むと思なよ!」


「ああもうしつこい!」


 まだ何かしてくんのかよ!


「雹よ! 落ちなさい!」


 ウェザーは天候を操り、雹を落としてくる。


「生意気。氷雨(ヒサメ)


 そして、冷華さんはそれに勝るとも劣らない……というか完全に優ってるレベルの氷をばら撒き返す。


「なっ!?」


「そっちが雹ならこっちも氷雨(ヒョウ)。冷気一辺倒のこっちの方が威力は上」


 おお、凄いぞ冷華さん。

 というか冷華さん。実は刀夜より強いんじゃないのか?


「ぐおおおっ」


「とりあえず落ちとけ! 暴風(ストーム)一撃(・ブラスト)!」


「……発射(ノヴァ)


 風と雷が混ざり、一つの大きな力となってウェザーを呑み込み、空の彼方へと吹き飛ばした。


「……逃げるどころか撃破しちゃったけど」


「和也! 周りに人影は!」


「待ってろ……!? 一人、こっちに向かってくるのがいるぞ!」


「よし! 退散だ!」


「どうやってよ」


「決まってんだろ。舞さん頼みだ!」


『ええぇ!?』


 こんだけ派手に暴れれば舞さんにも場所は伝わってるはず。


「誰か舞さんのこと分かる奴は」


「私。止血してある程度容体も回復したから建物の中に隠してきた」


「ならよし」


「というか本当に」


「皆さん! 早く!」


『来たよ!?』


 よし! ナイスタイミング!

 体も満身創痍でこれ以上動くのもキツかったから、もう一人でも来られたら本気で危ないとこだった。


「さあ、忘れもんは無いな!」


「カグヤも連れて来てる」


「ナイス九陰先輩。じゃあ、とっとと脱出だ!」


 舞さんの作ったゲートに全員が飛び込んだ。















「あ〜あ、また輝雪ちゃんに挨拶し損ねちゃった」

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