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とりあえず平和な日常をくれ!  作者: ネームレス
普通じゃ無くなった日常
16/248

15.勝利の方程式

前回のあらすじ。

(ジェネラル)を倒せと言われた。

以上!


「これ、どうするよ?」


目の前に見えるは巨大な魔獣。その大きさは……うん。とにかく大きい。

あれを倒せと?俺が?


「十分耐えれば援軍が来る。それまで耐えろ」


「援軍?」


「ああ。とにかく十分、動きを止めろ」


和也よ。例え十分でも厳しいぜ?


「こっちも早めに終わらせる」


いや、いくら和也が強くても、まだ魔獣は全然残ってるぜ?


「全部倒すって、それこそ十分以上かかっちまうぞ!」


「これを使う」


和也が取り出したのは黒い缶。あれで何をする気だ?


『まさか…空間交差(ディメンションクロス)!?紅、逃げて!』


「…は?」


その時、和也はすでに缶を魔獣の群れへと投げて全力で後方にダッシュしていた。…もしかして、ヤバイの?


『早く!』


「……ぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


何かよくわからないけど、とにかく逃げる!そうすれば身の安全は保証される!

缶は魔獣へと近づき、そして光り、そして…


ビュォォオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


何か黒い空間が現れた。何だろうこの音?て、言わなくてもわかるか。


「吸い込まれてるぅぅぅぅぅうううううううううううーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


何か吸い込まれてる!?何が起きてるか全くわからない!?とにかく今わかることは…


「吸い込まれれば、死ぬ!」


和也は足を影で縛って堪えている。便利だな。俺は必死に逃げる。が、あまりにも強力な吸引力に俺の体は徐々に後ろへと引っ張られる。そして


「う…わあああああああああ!?」


吸い込まれる!?ちょ、ヤバイ!まだ風ちゃんと使えてないため逃げる事ができない!?


「…ハ!」


和也が鎖を投げ、俺の体を絡め取る。俺は鎖を掴む。

そうやって耐えていると黒い空間は徐々に収縮し、魔獣の殆どを吸い付くし、消えた。その瞬間に俺の体も地面へと落ちる。


「…危なかったな」


「…て、今の何だよ!?」


「後で説明する。…来るぞ!」


「は?…おわあ!?」


ドゴオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!


何かもの凄くデカい黒い“何か”が頭上から襲いかかってきた。あれは、


(ジェネラル)の触手!?」


何か体から大量の触手が…。何でもありか!?ついでに、(ジェネラル)はスライムみたいな形をしている。


「チッ!」


俺は触手に飛び乗りその上を全力で疾走する。何度か別の触手が襲いかかるがパズズの的確な指示により難無く避ける。


「…行ける!」


ついに(ジェネラル)の元まで辿り着いた俺は高々とジャンプし、俺の最大の一撃を決める。


突風(ガスト)一撃(・インパクト)!」


俺は今出せる最大の攻撃を(ジェネラル)に当てる。

…硬い、だが、…行ける!


「くらい…やがれえええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


(ジェネラル)の表面と俺の拳の間で高密度のエネルギーが暴れ狂う。これなら、あと数秒もすれば…。

だが、出来なかった。


「っ!?」


弾き返されただと!?

俺の体は宙を舞う。て、上から触手が!?


バキィイイイイーーーーーーーン!!


「か…はっ!?」


痛!?

クソ!どうなってる!?手応えは確かにあった!


『反作用です』


「ああ?」


『あの(ジェネラル)は超重量級にして超硬質の皮膚を持っています。いわば、あれ自体が山のような物です。それに比べて私たちは超軽量級にして支え無し。しかも相手の頭上から攻撃してたのでは弾かれて当然ですね』


「…気付いてたのか?」


『いえ。先程の攻撃の感触です。ここまで硬いとは予想外でした』


「…そりゃそうか」


だがやばいな。つまり、俺の攻撃の衝撃に耐えれるほどの支えを用意しなきゃいけないわけだ。そんな都合のいいもんがあるかよ。


(ジェネラル)より重量があり硬質。…ここら一帯には廃墟のようなビルしかありませんね。残り8分です』


考えろ考えろ。俺が今使える最大の技は突風(ガスト)一撃(・インパクト)。これを最大限活かすには支えが必要。周りを見ろ。ビル、ビル、ビル、ビル、ビルしか無え!!


「っ!」


ドゴオオオオオオーーーーーーーーーン!!!


危ねえ!触手にも気を付けなきゃな。


『……あ』


「どうしたパズズ?」


『紅。一つ賭けに乗りませんか?』


「…いいねえ。聞かせろよ」


パズズの言ってきた作戦はたしかに確実なものだ。だが、


「一歩間違えれば死ぬような作戦だな。信頼されてると喜ぶべきか、これ以外に方法論が無いことを嘆くべきか」


シンプルにして危険。効果は望めるが失敗すれば死ぬ。それなのにこいつは、


『もちろん前者です。信頼してますよ』


平然と言ってのけた。俺は苦笑し行動に移す。


「………ラア!」


俺は地面を殴りつけた。

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