699:特別編11「白き船、浮上」
神殿に残ったアークたちの依頼を受けて、フライスターに搭乗し、地上港の上空へと急ぎ戻ったレールたち。
その地上港では、何百という強力な魔物たちが、大挙してブランシーカーを包囲し、攻めたてていた……。
船内に残っていた仲間たちが、甲板上や船外に出て応戦しており、いまのところ、まだかろうじて魔物たちを寄せ付けていない。
クィーン「てええーい! 煉獄無双爆裂波ァー!」
(SSR)地上最凶のクィーン
職業:クィーン流気功術創始者
種族:人間(14・女)
戦闘力:11698
二身合体:不可
備考:無闇に鋭い眼光と険しい顔つきゆえに、周囲から勝手に地上最凶などと呼ばれ怖れられている。実際は小動物を愛する心優しい少女。ただキレた際の戦闘力は非常に高い。
カルナー「地を震わせよ! グラビリティー・ランス!」
(SR)神槍のカルナー
職業:インド5強
種族:人間(26・男)
戦闘力:8279
二身合体:可
備考:強力な神槍を使いこなす英雄。普段は物静かだが、ひとたび本気になれば神槍の威力は大地を揺るがし、震度5強クラスの地震をも引き起こすという。
ハヌマン「それそれ、いくよー! 千手猿撃ッッ!」
(SSR)猿人殺法ハヌマン
職業:天に斉しき偉大な聖者
種族:半神半猿(10・女)
戦闘力:16752
二身合体:不可
備考:風神の娘とされる半神半猿の少女。とはいえ猿の身体的特徴は耳と尻尾くらいで、基本的には人間の少女と変わらない容姿をしている。山をも持ち上げる怪力と変幻自在の仙術を修め、かつて天界で傍若無人に暴れ回っていたが、見かねた玉皇大帝のデコピン一発で天界から弾き落とされ、以後は地上で気ままに生きている。
仲間たちの攻撃が炸裂し、群がる魔物たちを薙ぎ倒してゆく。しかしそれでも、魔物たちは怯まずブランシーカーめがけて押し寄せ続けていた。
選択肢
『みんな頑張ってるね』
『なんか職業欄バグってない?』
アロア「カルナーさんは、あれでいいんだよ?」
テルメリアス「そ、そうなの……?」
アロア「それより、早く甲板に降りなきゃ。ボルちゃん! やっちゃって!」
機神ボルガード「了解。機銃掃射ヲ開始スル」
フライスターは機首を下げ、甲板上へ機銃弾の雨を降らせた。一見、無差別に掃射しているようだが、敵味方を正確に識別し、魔物にのみ攻撃を加えている。
機神ボルガードのAIは、基本的に主人であるアロアの安全確保とアロアの指示の遵守を最優先とし、それ以外の行動については優先順位は無いに等しいのだが、仲間を死傷させるとアロアが悲しむため、AIなりに気を遣って攻撃しているらしい。
たちまち甲板上の魔物の群れは硝煙の下に死体と化して折り重なってゆく。魔物の一時的全滅を確認すると、フライスターは悠然と船上へ降下した。
レールとアロアは急いで操縦室へ駆け込み、精霊ブランに事情を説明した。
精霊ブラン「あー……まあ、およその状況はモニターしてたから、わかってるけどね。どうせ次元歪曲砲を使わせろってんでしょ」
選択肢
『ここで撃つのはまずくない?』
『彼、イチゴ柄のほうが良かったって』
精霊ブラン「いきなり何の話よ! ……え、ぱんつ? ダメよ、イチゴぱんつはアタシの勝負ぱんつだから……って、今はそんなこと言ってる場合じゃないわ。砲撃はすぐにも可能だけど、この位置から撃てば、街の半分ぐらい巻き込んで消し飛ばしちゃうわよ」
アロア「でも、アークさんは、神殿に撃ち込めって……」
精霊ブラン「……んー、つまり範囲を絞ってピンポイントで直接狙えってことか。なら、狙撃可能なポジションに移動しなきゃね」
選択肢
『浮上して、上空から狙い撃とう』
『ブランのイチゴ柄、みたいなぁ』
アロア「もー、レールのへんたいー! いっつもわたしのイチゴぱんつ見てるくせにー!」
精霊ブラン「あーもう、後でいくらでも見せてあげるわよ。とにかく、いったん船を離陸させるからね。先に、周りにたかってる魔物をなんとかしないといけないけど」
アロア「うん、それはボルちゃんがやってくれてる。もうじき終わると思うよ」
船外では、アロアの言葉通り、機神ボルガードが、本来の姿である人型機動兵器形態に変形し、魔物の殲滅に取り掛かっていた。
機神ボルガード「任務達成率70%。メタル・ジェノサイダーモード移行。アキシオン・バスター、一斉掃射開始」
(メインストーリー自動加入SSR)機神ボルガード
職業:アロアだいすき
種族:万能文化虐殺機動兵器(女・製造時期不詳)
戦闘力:20000
二身合体:可
備考:こう見えても女の子である。
アロア「え、ボルちゃんって女の子だったの!?」
精霊ブラン「機神って、実は古代天使文明の改造人間なのよね。素体は人間なのよ。もとの人格とかは完全に消え失せてAI制御になってるけど」
アロア「なにそれこわい」
機神ボルガードの全体攻撃により、ブランシーカーの周囲に群がっていた魔物の大群は消滅した……。
ほどなく、仲間たちの収容も完了したとの状況報告を受け、レールは号令を下した。
選択肢
『ブランシーカー、発進!』
『花見の準備をせよ!』
精霊ブラン「よーし、離陸するわよ!」
魔力核融合エンジンが唸りをあげ、ブランシーカーの白く輝く船体が、碧空へと舞い上がる――。
リネス「なんでイチゴぱんつなの?」
アーク「昔、イチゴぱんつの有名な魔法少女がいたらしい」
リネス「へー。ボクもイチゴぱんつ、はこうかな」
アーク「誰も喜ばない気もするが……」




