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第9話: 「火山の魔法鍛冶屋と灼熱の鍛冶作業」


「火山の魔法鍛冶屋だって?今度は溶岩の中にでも入るつもりなのか…俺は、もう少し平和な取材がいいんだけどな。」


異世界チャンネルのプロデューサー、タケシの新たな挑戦がやってきた。今回は「火山の魔法鍛冶屋」で、灼熱の鍛冶作業を取材することに。火山というと熱くて危険なイメージしかないが、異世界ではどんな鍛冶作業が行われているのか、興味は尽きない。


「タケシさん、今回は火山ですよ!すごく熱そうですけど、鍛冶屋さんの技術が見られるなんてワクワクしますね!」


妖精のアシスタント、ミリーが目を輝かせている。その小さな羽は今日も元気にパタパタと動き、彼女の期待感が伝わってくる。


「まあ、ワクワクするのはわかるけどさ…俺は熱いの苦手なんだよな。ちゃんと焼けないように気をつけてくれよ?」


「大丈夫ですって、タケシさん!今日は魔法鍛冶屋の方が特別な防護魔法をかけてくれるので、熱さも平気なはずです!」


「それなら安心…だといいんだけど。よし、とにかく行ってみよう!」


俺たちは火山のふもとに到着し、火山の内部へと続く「炎の門」をくぐることになった。この門は魔法で作られており、通るだけで熱に対する耐性を得られるという。俺は少し不安だったが、ミリーと一緒に門をくぐると、確かに熱気が和らぎ、暑さをあまり感じなくなった。


「おお、本当に熱くない!魔法ってやっぱりすごいな。」


「でしょ?これで火山の中でも安心して取材できますね!」


炎の門を抜けると、目の前に広がったのはまさに異世界の光景だった。赤く輝く溶岩が流れ、巨大な岩がゴツゴツと連なる中、鍛冶屋の「フラム」が鍛冶作業を行っている。彼の体は筋肉質で、大きなハンマーを軽々と振るっていた。


「おお、ようこそ、火山の鍛冶場へ!俺がこの鍛冶場の主、フラムだ。今日は特別な武具を作るところを見せてやるぜ!」


フラムは大きな声で挨拶し、その力強さが周囲の熱気に負けないほどだった。彼の手には、魔法のハンマーが握られており、そのハンマーはまるで生きているかのように赤く輝いていた。


「今日は『灼熱の刃』を作る予定だ。この刃はただの金属じゃ作れない。溶岩の中から取れる『火の結晶』が必要なんだよ。」


「火の結晶か…溶岩の中にあるって、それって…俺たち取らなきゃいけないの?」


「まあ、安心しろ。俺が取りに行くから、お前たちは見ていてくれ。ただし、取材はしっかり頼むぜ!」


「お、おう…頼んだぞ、フラムさん!」


フラムは溶岩の中に手を突っ込み、まるで熱さを感じていないかのように火の結晶を取り出した。その結晶は赤く輝き、まるで火そのものを閉じ込めたような美しさだった。


「これが火の結晶だ。この結晶がなければ、灼熱の刃は作れないんだ。」


フラムは結晶を鍛冶場に持ち帰り、早速作業を始めた。彼は火の結晶を溶かし、特別な金属と混ぜ合わせていく。その様子はまるで芸術家が作品を作り上げるかのようで、俺たちは思わず見入ってしまった。


「すごい…こんなに熱い作業を平然とこなすなんて、本当にすごい技術だな。」


「本当ですね、タケシさん!フラムさんの動き、無駄が一切ないです!」


フラムは溶かした金属を型に流し込み、それを魔法のハンマーで叩き始めた。ハンマーが金属に当たるたびに、火花が飛び散り、その光景はまさに圧巻だった。


「このハンマーには『炎の精霊』が宿っているんだ。精霊の力を借りることで、普通の金属でも特別な力を持たせることができるんだよ。」


「炎の精霊か…だからこんなに力強く、しかも繊細な作業ができるんだな。」


鍛冶作業が進む中、フラムは次に「灼熱の水」と呼ばれる特別な液体を用意した。この水は、溶けた火山の氷から得られるもので、刃を冷やしつつ、その強度を高める効果があるという。


「さあ、これで最後の仕上げだ。灼熱の水で刃を冷やすことで、この刃に命を吹き込むんだ!」


フラムは溶けた刃を灼熱の水に浸し、その瞬間、辺りにはシューッという音と共に蒸気が立ち上った。その蒸気の中から現れた刃は、まさに灼熱の名にふさわしい、美しい輝きを放っていた。


「これで完成だ!『灼熱の刃』だ。この刃は炎の力を宿し、持つ者に熱い心を与えるんだ。」


フラムは満足そうに刃を掲げ、その姿に観客たちは歓声を上げていた。俺もその美しい刃に見惚れながら、思わず口を開いた。


「すごい…これが灼熱の刃か。本当に炎そのものを封じ込めたみたいだ。」


「タケシさん、こんなにすごい武具を作るなんて、フラムさんは本当に素晴らしい鍛冶屋ですね!」


フラムは笑いながら言った。


「まあな、この鍛冶場で何年も鍛え続けてきたからな。炎の力を使いこなすには、それなりの覚悟と技術がいるんだよ。」


観客たちもこの特別なシーンに大いに感動している様子で、拍手と歓声が広がっていた。今回の取材も無事に成功し、異世界チャンネルはまた一歩、視聴者に愛される番組へと成長していった。


「タケシさん、今日の取材も大成功でしたね!」


「本当にな。まさか火山でこんな美しい武具を見られるとは…異世界は本当に驚きが尽きないよ。」


「次は…確か天空の魔法庭園で、不思議な果物を採取する取材ですよね!なんだかまた幻想的な場所に行くみたいですね!」


「天空か…また高い場所か。でも、庭園の取材も面白そうだな。よし、次も張り切っていこうか!行くぞ、ミリー!」


「はいっ!」


こうして俺たちの「異世界チャンネル」は、ますます異世界の人々に愛される番組へと成長していく。笑顔とハラハラが絶えない取材の日々は、まだまだ続くのだった。


「異世界チャンネルは、今日も元気に放送中だ!」



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