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第17話: 「魔法学園に潜入!極秘ミッション」


「魔法学園に潜入だって!?どんどん取材内容がエスカレートしてる気がするんだけど、俺の気のせいか…?」


異世界チャンネルのプロデューサー、タケシの新たな挑戦がやってきた。今回は「魔法学園」に潜入し、内部の様子を取材するという、これまたスリリングな内容だ。しかも学園内には極秘の施設があるらしく、その秘密を明らかにするのが今回のミッションである。


「タケシさん、今回は魔法学園に潜入です!魔法学園ですよ!夢みたいじゃないですか?」


妖精のアシスタント、ミリーが目をキラキラさせて言う。その羽は今日も元気にパタパタと動き、彼女のワクワク感がこちらにも伝わってくる。


「いや、俺たち取材陣が潜入って…そもそもバレたらどうなるんだよ?退学処分とかじゃなくて、普通に魔法で攻撃されそうな気がするんだけど。」


「大丈夫ですよ!今回は学園の理事長から許可をもらっていますから。でも、一応秘密の施設の取材なので、バレないように進めましょうね!」


「許可をもらって潜入…この矛盾感がすごいけど、まあ、やるしかないか。よし、行こう!」


俺たちは「魔法学園ラフィア」に到着した。学園の建物はまるで古城のように荘厳で、周囲には魔法の力で浮遊するクリスタルや、歩く植木鉢など、異世界ならではの光景が広がっている。俺たちは学園の制服を借りて変装し、ミリーは小さくなって俺の肩に乗っている。まさに潜入取材だ。


「さあ、ここからは目立たないように行動しましょうね、タケシさん。」


「うん、了解…って、どう見ても俺たち怪しいんだけどな。こんな年齢で学生の制服着てるなんて。」


「そんなこと言わないでください!似合ってますよ、タケシさん!」


「フォローになってないからね、それ。」


学園の中を歩いていると、周囲の生徒たちは皆、楽しそうに授業を受けたり、魔法の練習をしていたりしている。俺たちは極秘の施設があるという「禁忌の塔」を目指し、慎重に進んでいく。


「見てください、タケシさん!あっちで火の魔法の訓練をしていますよ!」


ミリーが指差す先には、生徒たちが炎を操る訓練をしている様子が見えた。炎が空中で踊るように動き、まるで生きているかのようだった。


「すごいな…こんな訓練、俺がやったら一瞬で燃え尽きる自信があるよ。」


「タケシさんは炎じゃなくて、もっとサポート系の魔法が似合いそうです!」


「サポート系って…まあ、俺が戦ったら逆に危ないからな。それも悪くないか。」


そんな冗談を言いながら、俺たちは「禁忌の塔」に近づいていった。この塔は学園内でも特に立ち入りが制限されている場所で、塔の前には厳重な結界が張られていた。


「さて、ここからが本番だ。ミリー、この結界、どうやって突破するんだ?」


「ふふふ、任せてください!理事長から教わった方法で結界を一時的に解除できます。」


ミリーは小さな手を結界に向けて掲げ、何やら呪文を唱え始めた。すると結界が淡い光を放ち、まるで扉が開くように道が現れた。


「おお、すごい…本当に開いた!」


「さあ、急いで中に入りましょう!」


俺たちは結界の中に入り、塔の内部へと足を踏み入れた。中は薄暗く、どこか不気味な雰囲気が漂っている。壁には古い魔道書が並び、天井には不気味なシャンデリアが揺れていた。


「なんか…すごい雰囲気だな。ホラー映画のセットみたいだ。」


「でも、ここには学園の秘密が隠されているんです。タケシさん、気を引き締めて進みましょう!」


塔の奥に進むと、一枚の巨大な扉が現れた。その扉には奇妙な模様が刻まれており、何やら重要そうな雰囲気を漂わせている。


「これが…秘密の施設の入り口かな?開けてみるぞ。」


俺は扉の取っ手に手をかけ、ゆっくりと開けた。中には巨大な魔法陣が描かれており、その中心には透明なカプセルがいくつも並んでいた。中には眠っているような人々の姿が見える。


「これって…一体何なんだ?」


「タケシさん、どうやらこれは『特別な訓練生』を育てるための施設みたいです。学園の中でも、選ばれた者だけがこの施設で特訓を受けるんですよ。」


「特別な訓練生…それにしても、カプセルに入っているなんてまるでSFだな。」


ミリーが説明を続ける。


「ここで訓練を受けた生徒たちは、学園でもトップクラスの実力を持つようになるんです。でも、その代わりにかなり過酷な訓練を受ける必要があるみたいで…。」


「過酷な訓練か…。なんか、一歩間違えれば人体実験みたいに見えるんだけど、大丈夫なのか?」


そのとき、背後から声が聞こえた。


「何をしているんだ、君たち?」


振り返ると、そこには学園の教師が立っていた。俺は一瞬で心臓が凍りつくような感覚に襲われた。


「あ、えっと、その…見学です!理事長から許可をもらって…!」


教師は鋭い目で俺たちを見つめたが、次の瞬間、ため息をついた。


「ふう…理事長の許可があるなら仕方ない。しかし、この場所は生徒たちにとっても秘密の場所だ。軽々しく見せるものではないぞ。」


「す、すみません…。ただ、異世界チャンネルの視聴者に、この学園の魅力を伝えたいと思いまして…。」


教師は少し考え込んだ後、静かに頷いた。


「まあ、君たちが真剣に取材していることは分かった。だが、ここで見たことはあまり公にしないように。それが学園の平和のためだ。」


「はい、肝に銘じます!」


俺たちは頭を下げ、教師に見送られながら塔を後にした。心臓がバクバクしていたが、何とか大事には至らずに済んだようだ。


「タケシさん、危なかったですね…。でも、無事に取材できてよかったです!」


「本当にヒヤヒヤしたよ…。でも、これで魔法学園の秘密を少しでも視聴者に伝えられれば、取材した甲斐があるってもんだ。」


「次回はもっと楽しい取材にしましょうね!」


「ああ、そうだな。もう少し平和な内容がいい…。次回こそは頼むぞ!」


こうして俺たちの「異世界チャンネル」は、また一歩異世界の秘密に迫り、視聴者に新たな驚きを届けることができた。笑顔とハラハラが絶えない取材の日々は、まだまだ続くのだった。


「異世界チャンネルは、今日も元気に放送中だ!」

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