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反転する死者の界3

「なんで泥濘んでるんだ」

「水害のせい」

 沼よりずっと外れた場所でしゃがんだリートは泥に指を入れて引く。家の残骸や動物の死骸が混じっている。酷い匂いだ。

 泥の波が重なって広がったのだろう。泥は沼へと続いている。

 右回りに進んで沼を中心に半周すると小屋が見えてきた。

 朽ちかけの家は扉もやっと繋がっているような有様だ。そっと滑り込むと、ぬめった藻のような生っぽい匂いがした。

 散らばった本の一冊を開けば日記だった。

 この土地には村があった。雨が続いて不作になり、村人は元は姥捨て山に子供を捧げるようになったらしい。

「山に子供を捧げて納めようとした結果生まれたのがここ? けっきょく滅んで全滅してご苦労様すぎ。僕らにも迷惑かけなきゃよかったのになぁ。……待てよリート氏、もしかしてこの日記、姥捨て山に住んでた老人の日記では」

「みたいだね」

 ページをめくれば子供を拾った筆者の動揺、狼狽、憤りと諦観に胸を痛めながらも、自然には逆らえないと悟っている。雨が止みますようにと願う言葉が繰り返し書かれていた。

 子供も老人も次々と死に、骨壺が積み上がり、食わせる食料も尽きた。このあと災害が起きて村ごと沼に沈んだのだろうか。当時の規模では国としても壊滅だったろう。

 老人がいなくなり、子供を捧げたのに村は消えた。

「……ずっと聞こえてた歌。これ、子供の声だ」

「ここが生まれたきっかけは何だと思う?」

 リートは壁の穴を見ながら問いかけた。

「呪いじゃないの」

「誰を誰が?」

 リートは壁の穴を見続けている。

「そりゃ捨てられた方が村人を。だから……」

 クルスも気づいた。リートが手を離している。

 水害の痕。中心には沼。そこには巨人がいるという。周囲には村の痕と死体と、積み上がった石ころ。

「リート氏は……ど、どう見える」

「子供は安全だと誰が言い始めたのか気になってた。君が招かれていたのを見てたはずなのに、誰も疑問を言わない。帰る場所がある子供だけが帰されてただけじゃないかな」

 すっと指をさした先は見続けている壁の穴。向こう側の景色が見えている。

 明日天気になりますように。

 歌が聞こえる。声が、近い。

「――っ」

 クルスはリートの手を強く引きながら出口を目指す。

 壁一面に詰まれた裸の赤ん坊がギョロリと見ていた。真っ白な口を開いて、明日天気になりますようにと歌い続けていた。ぽっかり空いた穴の横で、六歳くらいの子供が上目遣いに歌っていた。どれも石の肌を持っている。

 どうして気づかなかったのか。

 認識阻害だったのか。

 一瞬で頭の中を巡る思考に冷や汗がドッと流れる。小屋から遠ざかり、声が遠くなったところで立ち止まる。振り返っても追っ手の姿はない。

「子供がいる」

「クルス君、日が落ちるよ」

 おぎゃあおぎゃあと泣き始めた子供の石像に、大人たちが活発に動き出す。ある者は泥の中から這い上がり、別の者は沼から顔を出す。群がるように抱き上げて沼へ引き返す。

 沼の縁にある波の花は、彼らが積みあげた子供の石像だ。

「僕たち帰れるかな」

 店主のバラバラになった体の断面は、彼らの表皮と同じく真っ白だ。時が経つほど広がって、最後は覆い尽くして石にするのだろう。

 二人はお互いの指の痕が付くほど、きつくきつく力を入れた。

 そのときリートの端末が自動で浮き画面を出したので二人はびくついた。

『おや失礼を。驚かせてしまいましたか』

「セルヴォ君……感染の影響はさ、ないとはいえさ、見られてるって話したよね」

『ええ拝聴いたしました。ですがけなげにも挑むお二方に加勢したいと思う者は多いのです。そういうわけで追加情報をお持ちしました』

「胡散臭いんだよね……」

「判る」

 しかしセルヴォは取り合わず続けた。

『この山村は異界に飲まれて消えるまでは農業と織物で生活していたようです。染料の植物が雨で育たなくなった頃から傾きだしました。老人を捨てるのは以前から常習化しており、四十歳になると放り出していたようです。やらなければ村八分ですが、村長は例外のようです』

「僕には判る。その村長が絶対悪い。自分だけ助かろうなんて汚物よりクソ。悪魔より人の心が無い。もう全部焼こ。それで解決」

『人の負の念と贄の儀式。災害が重なりより規模が大きくなって……フフ。まるで物語のようですね』

 何も面白くないのにクスクス笑っている。

 前から思っていたのだが、セルヴォは頭がおかしいのかもしれない。

 リートが気の毒そうな視線を向けていると『巨人は死体の集合体らしいですよ』と普通に流された。

「僕は何でこんなところにいて、クソみたいな人間性の幼稚な大人を助けなきゃいけないんだ。そもそもこいつ死んでるんじゃ? バラバラ死体よりバラバラだし、ひと思いに楽にしてあげるのも優しさでは」

「一度決めたんだからちゃんとする」

「ハイ」

「パーツの場所は判ってるからさっさと終わらそう」

「さっきの今で探しに行くのか……僕は前世で国でも滅ぼしてしまったのだろうか」

 散歩から帰るのを拒む犬のようなクルスを引っ張って「あそこ。茂みの奥に膝が落ちてる……これどっちのだろ」「次はここかな。あっ、ありがとう」「おーい、輪切りのお腹もらった。なんか切り株みたいだよね」「これは手首から肘の間だと思うんだけどどう?」などと石ころを拾うようにバラバラになった人体パーツを拾ってくる。

 とうとう堪えきれなくなったクルスが叫ぶ。

「何なの人捜しのプロ!? 全部体温を感じるのが無理ッ」

「生きてるんだよ」

「プロを否定しろよッ。じゃなくて脇道逸れるたびに道連れされる僕の気持ち考えてくれん? ていうか何で埋まってる腐乱死体に気軽に手伝ってもらって話しかけられて普通にパーツもらうわけッ」

「親切にしてくれてるだけだよ、怖くないよ」

「怖いわッ!! 僕ァ取り込まれそうになったが? ここまで来るとコミュ強超越してご都合主義。本来なら異界RTAなのに感染が仕事しない! 僕のシリアスはどこ?」

「ねえ重いから持ってよ」

「聞いてないし……蹴り飛ばして運んでいいならいいよ。こいつ嫌いなんだ」

 しょうがない奴だなと胴体を置くと爪先でグリグリしながら転がし始めた。同時に拾った他の部位も悶えるように動くので、その辺の蔦でまとめて縛り上げる。もぞもぞしていて嫌な感触だった。

「この主は誰かを痛めつけたくて禁足地を創ったわけじゃない。あの男性だって未練を遂げさせるために残していたし、他の人もそう」

「でも殺したでしょ」

「別の人だよ。ここの主は美しい理想を持っているんだろうね。出してあげなくちゃ」

「何するつもり……いや、君どこまで判ってるの」

「だいたい全部見た」

 透き通るような瞳で指差す先に波の花。

 見てと促された店主の断面と同じ色だ。

「残りは頭と左手首かな。休憩したら再開しよう」

「もう?」

「自覚無いの? 息が切れてるし歩幅も小さくなってる。休めるときに休むのが長旅では大切なことだよ」

 そこら辺の木の根元にぺたりと座った二人はふぃーと長々と息を吐く。正面を生きてるように見えるゾンビが笑顔で通り過ぎる。

「ジュース飲む? 紙パックだけど中身平気だから」

 リュックから引っ張り出して口を付けた。

 まるでピクニックに来たような穏やかさだ。

「……。さっきの子供、もしかして逃げる必要なかった?」

「そうだね」

「言ってくれないかなあ」

 ジュースをズコーッと飲み干した。もう一本はリートが飲んでいるが、逆流させて口の回りをベタベタにしていた。

「不器用すぎんか。赤ん坊でももっとマシな飲み方するでしょ」

「吸ったら止まるタイプかと思ったのに。ぐふっガボ」

「陸の上で溺れるやつ初めて見た」

 ゴシゴシ顔面をぬぐってやりながら、もう馴染んでしまった手の平の暖かさを思う。これのおかげでのんびりしていられるのだ。最初は頭がおかしいと思っていたが不思議とそんな気持ちは消えていた。

 ミニタオルで顔面を拭かれたリートは痛みが引くことに気づいた。

「これ何でできてるの?」

「合成繊維。か、感染対策用に作ったから丈夫だし、肌触りもおかしくないでしょ。え、何かおかしかった?」

「ううん、凄いなぁ。ちゃんと作れてて」

「ひ、褒められた……」

 年頃の少年は頬を赤らめてしまう。

 一休みした後、紙パックをねじ込んで捜索を開始した。

 左右を見て木の根元に近づくと、クルスが何か言う前に杖を刺した。杖の先は尖っているので簡単に埋まる。二度三度と続けると「うるせえな!」と地中から手が出てきた。

「人が大人しく寝てやってるのに叩き起こしやがってクソガキ!」

「ヒッ!?」

 荒っぽい口調で這い出てきたのは顔の半分が溶け落ちた男だった。肌は瞳の青を残して全て白く変色しているし、昔の農民みたいな格好だ。動いている姿は不気味の一言で、付け加えるならば人の姿を失いかけていた。子供の作った出来の悪いゴム人形みたいだ。

「荷物を運ぶのを手伝ってほしくて。終わったらすぐ出てくから」

「あ……? ちっ、そういうことかよ。ちくしょうが」

 恐れず話しかけたリートに悪態をつきながら、指同士がくっついて三本になっている手でパーツを引き取った。

 状況を飲み込めないクルスが引きつった顔で服を引っ張る。しかし踏ん張っているのか待ったく動かない。

「い、いやいやいや普通にゾンビ仲間にしちゃってるの!? ヤバいってレベルじゃないんだが。むしろ君が一番ヤバいまである。もうやだ帰りたい。僕こういう荒っぽい口調の人嫌いなんだよ」

「ぐだぐだうるせえな、さっさとしろやガキ二号。ここはそう言う場所なんだよ、頭ワリィなァ」

「ハァー? 地中に埋まってただけのオッサンに何が判ると??」

「てめぇよか住居年数長ぇんだよバァーカ」

「喧嘩してないで行こうよ」

 諸悪の根源にムカムカしてる二人は、同時に明後日の方をむいた。

「おじさんのこと何て呼べばいい?」

「あ? ゾンビ」

「ゾンビさん」

 奇妙な物を見る表情のゾンビさんは「寄越せよ」と二人が持っている残りのパーツも取り上げた。言葉は乱暴だが優しい大人の対応であった。

 もしかしたら視聴者の誰よりもまともかもしれない。

 クルスの呟きに沈黙していたコメントがにぎわい始め、それは言い訳をこねくり回す汚い大人の弁明であった。

 ゾンビさんのひんやりした体温に腹でも冷えたのか、店主のパーツがビクビクと跳ねた。舌打ち交じりに足の関節を反対方向へ伸ばすとアーッと言たげに痙攣し、大人しくなる。ゾンビさんは黙って元の位置へ戻した。

 手慣れた様子にクルスはひんと鼻を啜った。理不尽に異界RTAをさせられることは多々あれど、こんな変な状況は初めてだ。

「おい、あと何個あんだよ」

「頭と左手首」

「めんどくせ。そこらの石ころで代用できねぇか」

「本人の脳味噌が入ってればね」

 つまりダメなのだ。

 死んでいるのに正気度が高いゾンビさんが悪態をつき続ける。聞いてもないのに「あそこあるな」「埋まってる」「この岩は心臓」「テメ、二つじゃなかったのかよ」「あの枯れたヒマワリを見ろよ」「首つり死体は始めてかベビー」と下品に笑う。

 喋らないと窒息する生き物のように言葉が止まらない。

 リートはヒマワリに縄をかけて首吊りをしている死体に興味を持った。

 まるで晒しているようだし動かない。仄暗い何かがあった。ゾンビさんはうっそりと粘度の高い暗い笑みを浮かべ、からかうように二人を見下ろす。

「あいつらはなァ、嘘つきなんだよ。だから声を出さねえように喉をキュッと締めてんのさ。そうすりゃ静かだろ。ここは静かでいい場所だ」

 明日天気になりますように。

 歌は続き続ける。

 クスルには首つり死体が下を向いたヒマワリに見えた。リートに触れれば、爪先立ちの死体が正体を現した。縄は地面から生え、鉄のように真っ直ぐ伸びていた。体のパーツが道の端にコロリと落ちている。

 顔を顰めると「面倒なことになったナァ?」とゾンビさんが口を歪めた。

 心を読んだようにリートの強張る顔を覗き込んでいる。

「お前ら頭に斧ブッ刺さった奴に会ったろ? 財布を受け取った。いい子だなァ。だがよぉ。殺した奴がよ、徘徊してんだよ。俺らだって迷惑してるんだぜ。アイツのせいで新規入居者が止まんねぇんだからサァ!」

 ゲラゲラゲラと顔を天に向けて笑っている。

 二人は立ち止まった。その三歩後ろを付いていたゾンビさんも止まる。

 目の前に突如現れたが如く何者かが立っていた。

「顔がない」

 ヒマワリが寄生するように首から生えていた。何本も何本も茎を伸ばしている。血を吸って赤く染まっていた。胴体は男の血で変色し、血が腐っているのか生臭い。

 手には斧。斧だ。血を吸って錆びている。

 それは二人の気持ちを暗くさせた。

 水害と生贄、晴れを呼ぶ歌に混じる瘴気。災害の名残は生々しく残ったままで、沼には生きたまま石になった子供たちがいる。周りは死体だらけだ。

 本来なら数時間で感染が広がって死ぬような場所で殺し合いが起こった。理由は判らないが、人殺しの結末が眼前にある。

「気をつけろよぉ。狂っちまってるから」

 ヒマワリの化け物は手を振り上げた。少なくともリートにはそう見えた。

 斧が食い込むよりも先に、クルスの武器が火を噴いた。

 高火力の火炎放射器から吐き出された白い炎が一瞬で青く変色して、相手を火柱へ変えた。

 悲鳴が聞こえた気がした。それは錯覚ではなかったのだろう。

 人はパニックになると暴れ回る。

 化け物も同じだった。

 狂ったように斧を振り回しながら暴れ、十三秒後に炭化した。

「助けてって言わねえのかよ」

 つまらなさそうにゾンビさんが悪態をつく。

 化け物の残骸を足で蹴飛ばすが動かない。本当の死体になっていた。

「ねえちょっと、なにやってるわけ!? う、わ」

 灰の山を杖でかき分けるリートの肩を引いたクルスは、体がずれたことで見えたものに嫌な顔をする。

 真っ白な脳味噌が出てきた。

 それをひょいと拾い上げたのはゾンビさんだ。

「こいつぁ頭無くしてから他人様のをチューチュー吸うのが趣味なんだぜ。最高にイカれてやがるだろ? 頭引っこ抜いたのは俺らだけどな」

「知ってる。それで嘘つきな大人を襲わせてたんでしょう」

「あのイカレヒマワリは嘘つきじゃなかったが、子持ちのど(たま)をかち割った。ガキから親を奪うような輩は死んだほうが世の中のためだ、そうだろう」

 ゲラゲラと喉奥から絞り出すような声でゾンビさんが嗤った。

 村人Aはヒマワリの化け物を知っていたから右回りに行けと教えたのだろう。

 このゾンビさんも悪人てはない。だが善人なだけでもない。

 彼らには目的がある。欲しい物があるから二人に協力をしている。邪魔だと思えば化け物にしたのと同じことをするだろう。いや、二人は子供だから『反転する死者の界』から追い出すのだ。

「おら、次はあっちだ」

 ゴミのようにポイ捨てされた頭蓋骨、その辺に落ちていた舌と目玉、ゴムマスクのような表皮と千切れた耳。地面から生える手が招くままに歯を拾い集めた。

「利口なガキは好きだぜ」

 揃い終えたときには沼を一周していた。

 ゾンビさんは荷物を乱暴に放り出した。ジグソーパズルのように頭蓋骨に歯を、脳味噌に舌、目玉を入れて皮をかぶせる。体を綺麗に並べれば白かった部分がグニュリと戻り、形容しがたい動作で震えると元の色へ戻った。

 首だけが切断された状態で。

「助けてくれ! ヒマワリのバケモンにバラバラにされたんだ」

 耳が痛くなるような絶叫だった。首と胴体が離れたまま地面でバタバタと藻掻くのは引っ繰り返った虫のようだった。自分の頭が離れているのにも気づかない。

 そして自分がいかに善良で助けるべき相手か、騒ぎ立てる声に辟易する。

 中年の獣人属を見下ろし、クルスは諦めたように溜息をつく。

「僕は……こんなやつを助けなきゃいけないのか。やってもない罪をなすりつけられて。いつまで続くんだろ」

「少なくとも私とこの人は言いがかりだと知ってるよ」

 ピタリと店主の口が止まった。見下ろす人物がいったい誰で、いかに不利かたった今悟ったように。獣人属特有の耳が震え上がった。

「こいつは帰さない」

 冷たい声に視線を上げれば、ゾッとするような表情のゾンビさんがいた。

「お前らは帰れ。こいつは吊して飾って何時までも後悔させてやる。それで手打ちにしろ。俺たちはお前の事情を知ってるぜ。ずっと聞いてたからな」

「た、たす、たすけてくれ……!」

「あなたの態度次第になる」

 誠実な言葉だった。

 けれど店主にはどこまでも冷たく聞こえた。

「店主君、ここは捨てた者と捨てられた者の墓場だ。出るにはルールを守らなきゃいけない。住民を納得させなきゃいけない。死にたくなければ正直に言うしかない。あなた何を扱った? クルス君を騙しただけじゃない。招き寄せられた本当の理由を言わなくちゃ、置いて行くしかない」

 ひゅうと息を吸う喉が弱々しく上下する。まるで追い詰められた兎のように忙しなく耳を動かし視線をうろつかせる。やがて観念したように「骨壺を」と答えた。

「だが誓って掘っちゃいねえ! 仕事で輸送を頼まれただけなんだ。ガキの骨だと知ってたら運ばなかった。魔法の材料に使うから届けてくれって、それでッ」

「でも途中で気づいた。見て見ぬ振りをした」

「悪かったと思ってる!」

 瞬きの間に店主の首が繋がっていた。

 手を引いたとき、彼は始めて自分が元に戻ったと気づいた。

 胡座をかいて項垂れる。

「金に目が眩んだんだ」

 懺悔をするように俯いて頭を手で覆う。

「な、なに? 何の話」

「この世界で私が財布を預かったように、骨壺を預かった人がいた。でもその人は約束を破って戻さなかった。結果ホールが開いて全員飲み込まれた。気づかなかった? 吊された死体の中に新しいのがあった……この人が最後の生き残りだよ」

「やめてくれ、たす、助けてくれっ、殺さないでくれっ」

 怯えきった店主が頭を擦りつけて涙と鼻水まみれの顔で懇願する。

 一瞬歌が途切れ、ぼうぼうと松明が燃えるような音が響く。ビリビリと肌が傷むのは禁足地の主が怒っているからだ。

「骨壺はどこ」

「客に渡す前にホールが開いて、化け物に追われる途中で沼に落とした。た、助かるか? あれを言うとおりに戻せば、なあ」

「まだ答えてない。クルス君を蔑ろにしたのはどうして」

「え、僕?」

 話題が戻ってぎょっとする。思わずフードの紐を握って周囲を見回すのはくせみたいなものだ。

 首を締められたようにはくはくと閉口するのを睨めば、つと視線を逸らし、気まずそうに首を竦める。クルスも目を合わせたくなくて顔を逸らした。

「……いつものことだよ。僕はどうしたって親無しの妖精の交じりだし、イライラすると呪いが出る。捌け口にちょうどいいんだ。で、でも自分で稼げるから、保護者がいなくてもやってける。兄さんもいるし」

 ぐっとクルスが唇を噛むのが判った。

「君が立派に生活していることは関係ない。魔鉄鋼製の部品で揉めた話をしてる。騙されて魔鉄鋼も取られたと聞いたけど、店主君はどうなの」

 店主は顔を赤黒く染めた。

「アンタ、妙に肩入れしてるがそいつの話を信じるのか。こいつはスピレトス家の呪われた子供なんだぞ!」

「呪われた人の言うことは全て嘘だと言いたいなら、嘘つきなのは君だ。広い思考で物事を考えて。たった一つの事柄で、その人の全てがダメになったりはしない」

「俺とこいつなら全員俺の言葉を信じるはずだ!」

「そう信じたいだけだよ。君は自分より弱い人を常に探してるんだ。だから大きな声を出して、他人を決めつけて、分類して、支配しようとする。落ち着きたいって思いの裏返しなのかな。魔鉄鋼から話を逸らしてやりすごそうとするのも、この話が落ち着かない話題だから。でもそれはできない」

 言い聞かせるような静かな声音だった。店主は身を竦めて凍えたように体を丸めている。

 不出来を抱えるのは人の性だ。それを矯正されなければいずれ致命的な結果を出す。今の店主がそうだ。生きるか死ぬかの場面で優先順位を付けられず、子供が手足をばたつかせるように言葉を使う。聞かれたくないことを誤魔化すために必死だ。

「本当のことを言ったら助けてもらえないと怯えてるなら、心配しなくていい。他に言うことが有るのはそうだね、クルス・スピレトスが呪われてないってこと。彼が呪いを零すのは君たちが意地悪をするからだよ」

「お前が嘘つきじゃないか! 呪われていないだと。こいつの親が死んだのは呪いにかかったからだ!」

「事実を調べれば、あの程度の呪いじゃ死ねないことを理解できた。目の前に居る者が何かを理解できた。骨壺を見た時点で身を守れた。子供みたいな真似はやめろ」

 雷鳴のような鋭い言葉だった。肌がヒリつくような威圧感がある。

「目の前で見たね、私が彼の呪いに触れたのを見た」

 杖を突きつけられた店主ははくはくと息を吸う。

「呪いが弾けて消えたのを見た。この理由が判らない?」

「わ、判らない」

 静かな問いかけにもかかわらず、店主は尻に火が付いたように答えた。まるで絶対君主に断罪される罪人のような心地で。

 リートはできの悪い生徒を褒めるように頷いて続けた。

「なぜクルス・スピレトスの呪いは消えた、なぜ彼が呪われていないと知っていた、なぜ私が彼に怯えないか――呪われてるのは私のほうだからだ」

 大きく口を開けたのは店主だけではなかった。かまわずリートは続けた。

「彼や、君のささやかな呪いを吹き飛ばしたのは私の呪い。強力な呪いの前では、弱い瘴気や異界の影響は反発し合って消える。それほど強い呪いを受けたら普通は生きていられない。だから生き長らえた者は縁起物と呼ばれた」

 これは呪われた者の別称で、詐称に使われることもある。

 根深い差別の歴史を持った単語は、異界を超えて流布されている。

「私の呪いは感染する物ではなく、禁足地の誰よりも強い。さあ店主君、この話を聞いて何を考える」

 言葉に込められた意味は十分すぎるほと伝わった。

 呪われた人を信用できないと言った口で、話を逸らすことはできない。

「こんな場所で話し合いなんざできっこねえっ」

「判った。この人は助けられない」

 追い詰められて発した言葉への、あまりのあっけなさ。

 ぽかんとした店主は青ざめる。

 売り言葉に買い言葉、いつもの癖でやってしまった、悪気は無かったと言うのは簡単だが場所も状況も悪すぎた。

 帰ろうとする背中に伸ばした手を後ろから掴まれた。

「バカだなァ、テメェ。あんなにチャンスをやったってのに。ガキなら出られるさ、ガキは帰したいからな。だがテメェは子供って歳じゃねえだろ」

 ゾンビさんの言葉に、恐怖でよだれを垂らす。

「ガキが探してたから手伝ってやった、テメェが謝ったから体を戻してやった」

 粘土のような体がぐにぐにと動いて目玉が三つ四つと増えていく。くっついていた手から新しい指が生えて腕が重なるように浮き出して、次々と顔が現れる。それは老婆のようであった。老爺のようでもあった。

 もはやこれが何か言わずとも知れた。

「このガキはこれからいいことをする。だからヒマワリを燃やしたのを許してやるんだよ。だがお前はどうだ、お前はどうだ!!」

 沼の水がさざめいて髪の長い老婆がゆらりと頭を出した。粘度の高い水からすっと立ち上がれば、見上げるような巨体。服は着ていない。真っ白な裸体を晒していた。なのに人間らしい部位はボコボコになっていた。傷口から瘡蓋が剥がれるように何かが落ちた。水を吸った水死体だった。

 瘴気と呪いが染みこんで白く固まった死体が、こぼれたヒルのように蠢いている。膨れ上がった手足で正気を失ったようにばたついて。背筋が寒くなる。

「ジョーカー……?」

 唖然としたようにクルスは呟く。

「違う。でもここは彼らの領域には変わりない」

 交わした会話も筒抜けで、子供だからと見守っていた。店主を探しに来たと言うから出してやった。彼らの言い分はきっとこんな感じだろう。

「禁足地には禁足地の法則があり、住民にも意思があるから余所者が口を出せる境界は決まってる。人界にできたこの手の類いは、法則によって存在を保証されてるんじゃないかな」

 リートはクルスの手を強く握った。はっと見れば瞬きもせずゾンビさんを見つめている。まるで悪いことをしないように見張っているようだ――そこまで考えて悟る。事実そうなのだ。

 化け物は妄執的な庇護欲があり、口こそ悪いが甲斐甲斐しかった。地面に潜っていた者と、出歩いていた者の違いと言えば姿形だ。人から懸け離れているかどうかだ。

 彼らはいたいけな子供を怖がらせないように隠れていたのではないか。クルスを招いたときも、ただ目隠しをしたかっただけで悪意がない。

――この空間の主はそんなに悪いものではないんだよ。君を招こうとしたのも、腐った死体を美しく見せてるのも君らが怖がるから。

 リートは最初から知っていたのではないか。コインを弾いたあの瞬間から。

 二人が店主を置いて帰るまではゾンビはお行儀よくすごすだろう。帰宅したとき店主の命運が決まる。

 子供の前で悪いことをするな。真似をする。

 そういう小さなことを大切にしているように見えた。

「店主君は自力で助かる方法を探して」

 それは死刑宣告だった。

 青ざめて「待ってくれ」縋る手を遮るようにゾンビさんが、巨人が吠えた。

 大気が震え、足が浮くような衝撃に堪えながらクルスは火炎放射器をきつく握る。燃やすのは骨が折れるが、潰されるなら話は別だ。とばっちりが来なければ引き金を引く気は無いが。

 すっかり腰を抜かした店主は壊れたように「待ってくれ」と繰り返す。

「納品を遅らせるように命令されたんだ。勘弁してくれ、これ以上言ったら帰ったって殺されちまう。頼むよ許してくれ」

「ダメだ!」

 住民の声が重なって大気を揺らす。悪い大人だ、子供を苦しめると口々に罵倒した。甲高い奇声を上げ、怒りを表すように体を膨らませる。膨張した巨人が歯を剥き出しにして威嚇した。その口腔から無数の手が海中で揺らめく藻のようにくねった。

 店主は震えるだけだ。彼はきっと魔法を使えない。

「脅かされたとき、縋ることしかできない命は惨めだ。その惨めさをこの子に押しつけようとしてるんじゃないの」

「え、な……なん、僕の話……?」

 戸惑うクルスを無視してリートは続ける。

「あなただけじゃない。ビブリダ区、ひいては人界は彼みたいな人を助けないのが当然なの? あなたは自分の言い分を言わない。危険な人と一緒に帰れない」

 店主は言葉の意味を咀嚼しているようだった。

 『反転する死者の界』は大人に厳しく子供に易しい。悪い何かを逃がさない。

 店主が死ななかったのは、悪事と言えば骨壺を運んだだけだからだ。

 嘘をついても、この老人達は大人の嘘に慣れている。だから誠実かを確かめたがる。

 はいといいえ。

 どちらを答えても死ぬ。店主は泣いた。自分が可哀想で、哀れで、誰も助けてはくれない。味方などいない、世界で独りぼっちだと判ったからだ。

「私の親はとうに死んでいて、頼れる一族は遙か彼方。人界で一人やっていかなきゃいけない。彼が受けていることは、明日私が受ける待遇かもしれない。彼が抱える惨めさを同じように抱えることになる」

 二人は境遇が似ている。オウル諸島の住民を警戒するじゅうぶんな理由だが、リートが恐れるとは思えない。

「……でも、あなたが答えられないのもわかった。誰だって惨めに死ぬのは辛い」

 けして大きな声ではなかったがピタリと喧騒が止まった。

 頭を抱えて、もはやこれまでかと怯えていた店主は顔を上げた。

「帰ったら注文を取り消して、彼から盗った物を返して。魔鉄鋼を返せないのは判ってるから、そのぶんの代金を渡して。それで新しく買いに行くことにする」

「……。あー、えっと、大事なところで口を挟んで悪いんだけど、早々手に入るものじゃないわけで……美術商でも入荷待ちって言えば判る?」

 頼むから黙ってくれと店主が怒鳴る前にリートが答えた。

「場所は私が知ってる」

「ああうん、そう……。戻ってくるなら、もうそれでいいよ。嘘だったら承知しないから」

 睨まれた店主は、壊れたように頷いた。

 話は纏まった。あとは住民を説得するだけだ。

 ゾンビさんは全ての顔を怒らせギャリギャリと歯を擦り合わせた。背筋の寒くなるような音だ。

「それで俺らが納得するとでも思うか」

 ギョロリとした無数の目が一点に集中する様子は、獲物に飛びかかる直前の肉食動物のよう。瞳孔を広げた無数の目が息を潜めて次の言葉を待っていた。

「魔法は心で扱うもの。創造性が豊かなほどに魔法使いは真価を発揮する」

「何を言いたい」

「私は扉の場所を知っていて、あなたは鍵を持っている。――取引をしよう。見逃してくれるなら、君たちの本当の願いを叶える」

 陶器のような表情が驚愕に変わる。

 気づけば周囲は白い歪な人型で埋め尽くされている。地中から頭を出す者もいた。どれも異様な風体をしている。

「俺たちの望みを知っているだと? 言ってみろ」

「迷い子を送り届ける方法を知りたいと思ってる。この空間の本当の主を変質させる方法を知ってる」

「追い出せえええ!!」

 落ちるか思うほど開いた喉の奥にホールが見えた。人界へ戻る為の出口が。

 素早く二人の手を引くと杖に乗せ、リートはぶら下がるように空中へ舞い上がる。その足下を蜘蛛のように骨格を変えた住民が通過した。

 上空を睨む目は狂気に満ちている。

「こ、こわっ。どうするのこれぇ!」

「もうお終いだ……お終いだ」

「いい調子だよ! 怒るってことは図星を指された証拠だから」

「その嫌な前向きさ、止めてくれないかなあ!」

 杖先から水の刃が放たれる。怒れる異形の大人を粉微塵に砕いて、慈悲も無く散らしていく。

 いきなりの殺戮にあっけにとられたのは一瞬で、クルスも引き金を引いた。虫のように体を変えた住民が渦のように襲いかかってきたので。

「こいつら再生してるし、もうやだこんな生活ー! もう帰るぅ~!!」

 巨人の手が空を裂く音と共に襲いかかる。ハエを叩くようなでたらめな動きだが、厄介なのは表面に生えた無数の腕だった。包帯のようにどこまでも追いかけてくる。

「しっかり捕まってて」

 目が回るほどの速さで杖が飛ぶ。乱暴な動きに二人はしがみ付く。

 炎の熱気と蒸発した水が混じり雨が降り始める。

 雨脚が強まるほどに歌が消えていく。子供たちは目を開けて、石像の体で身を寄せ合った。

「僕ら極悪人では」

「勝手に侵入して暴れて八つ裂きにしてるんだよ。当たり前じゃない」

「確定されたくなかった……」

 リートは唇を舐める。

 もうすぐだ。

 雨でできた小さな川で沼が流され始めた。

 子供が泣き、お爺ちゃんとお婆ちゃんを呼び始める。忌々しそうに天空を見上げる彼らは子供たちを抱え後ずさった。

「いた」

 巨人はじゅうぶん沼から離れていた。けれど防壁のように体を広げていて正面から近づくのは困難だ。

 リートの視線は一人の子供へ注がれていた。

 杖先を沼の中心へ向ける。針のように尖るイッカクの杖から青い光りが発射された。子供の腕を貫いて抱えていた骨壺に罅が入ると、風船のように世界が弾けた。

『おじいちゃん、おばあちゃん』

『帰れなくてごめんなさい』

『死んでしまってごめんなさい』

 石膏の子供が骨壺へ変わっていく。

 謝る幼子の声、項垂れた老人達の背中。しけった土の香りに混じる腐臭と枯れた老人の薫り。

 巨人も異界も消え、目前にあるのは小さな村だった。今にも朽ちてしまいそうな家に身を寄せ合うようにして暮らす村人の姿。

 走馬灯のように眼裏に映るこれは、禁足地の主の記憶だ。

 どこか褪せて見えるのは記憶が薄れかけているからか。

 積み上がった骨壺は謝罪を繰り返す。

 帰りたくない子もいたけれど、老人たちが子供を抱えて大変なのも判っていて、どこにも行けず途方に暮れる心を抱えた。

 暖かいどこかへ帰りたかった。邪険にされず、いることを許してくれればそれでよかったのに。

 そんな思いが重なり巨大な不協和音を起こす。飲み込まれた老人は死に、悲しみのように広がって彼らを捨てた村まで伸びた。

 ごめんなさいが寄り集まって生まれた禁足地は、故郷を飲み込んで目的を失った。帰る場所はない。真っ暗な沼の底でうずくまるしかない。

「帰る場所はある、ここにあるよ」

 いつの間にか真っ暗な空間に立っていたリートは、とん、と杖の先で地面を打つ。足下に大穴が開く。そこから蔦が這うように光が広がった。

「冥界への旅立ちを望むなら桃源郷がある。君らの帰るところに相応しい暖かい場所」

 嘆く老人の姿が消え、コロコロと骨壺が転がる。興味を引かれた童が覗き込むように、穴のフチで止まった。

 彼らには村が見えた。

 老人と暮らした山が見えた。

 見たこともない綺麗な場所が見えた。

 それぞれの逝きたい場所があった。

「今すぐ選ばなくても道は消えたりしないよ。永遠の別れでもない」

 言葉に勇気づけられたように、骨壺が穴へ落ちていく。

『おじいちゃんたちは』

「後から行くって」

 いつの間にか背後に老人たちが立っている。彼らは手を振りながら笑い、コロリと転がるのを見送った。

「君はどうしたい」

 たった一つ奥に隠れている骨壺は、怯えきった子供の顔をしている。

『怖いよ。大人は僕を殺そうとする。帰っても殺される。ここにいても生きられない。どこへも行けないんだ。僕は捨てられて、雨も止まない。役立たずで、ねえ、なんで生まれたんだろう。どこへも行けないのが、どうしてこんなに辛いんだろう』

「苦しいのは嫌?」

『怖いよ』

「お爺さんたちは?」

『……怖くない』

「もし何でも叶うとしたら、どうしたい」

『そんな夢みたいなことがあるなら、誰にも捕まらない場所へ行きたい』

「それは本当の望み? 君の願い? 何を賭けても叶えたいこと?」

 ぼろぼろと泥の涙をこぼす骨壺は涙に埋もれ沈んでいく。

「願いが判らないんだね。でも大丈夫。私は扉の場所を知っていて、あなたは鍵を持っている。君は本当はどこにでも行けるんだよ――あらゆる困難を乗り越えられると確信し、冒険を楽しめるならこの魔法を使いましょう」

 魔法使いは唱えだした。

「数多の自由を選定し、勇気をもって進むなら、険しい空を駆ける足を得るだろう。願う翼も思う心も剥き出しに、心の儘に振る舞える」

『誰も傷つけたくない。傷つきたくない。もう動けない』

 表情を緩めたリートは泥水の涙に口を付けた。

霧笛光輝スィリエーナ・ランビリズマ。見つけに行こう、君がたどり着く陸地がきっと存在してる」

 泥と石膏の白と青い空。

 夏の夜空をなぞるように降り注ぐ流れ星を追うように、月が動き太陽が顔を出す。

 風に花の香りが混じった。

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